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大塚製薬株式会社

2013年12月11日

医薬関連事業

~アルツハイマー病の克服に向けた包括的なアプローチに更なる一手~
大塚製薬とルンドベック社、アルツハイマー病ワクチン
「Lu AF20513」の共同開発の契約締結

  • 大塚製薬とルンドベック社は中枢神経領域の治療薬に注力するグローバルアライアンスを提携し、アルツハイマー型認知症の症状改善薬として新規作用機序を持つ「ブレクスピプラゾール」、「Lu AE58054」の2剤を、それぞれフェーズ3臨床開発中。今回新たに、病態進展を抑制するワクチン候補として「Lu AF20513」について契約締結しフェーズ1を開始。アルツハイマー型認知症を克服するために、対症療法のみならず原因療法も含めた包括的な治療薬開発を目指す
  • 「Lu AF20513」は、アルツハイマー型認知症の原因となる脳内のβ(ベータ)アミロイドの凝集・沈着を抑えるワクチンで、効率よく抗体を産生し免疫反応が高まるよう独自に設計。2014年に臨床段階に入る予定
  • 認知症の患者数は世界で4,435万人と推定され※1、そのうち50~80%がアルツハイマー型※2で3,400万人※3で、65歳以上の高齢者は5歳毎に発症率が倍になる※4。認知症に関するコストは約6,000億ドル(約60兆円、2010年)にものぼるとの推計もあり※1、最近では病態進展を抑制することが重要であると考えられている。今回の両社の取り組みは、アルツハイマー型認知症予備軍の軽度認知障害(MCI※5)からワクチン接種することで、その後の病態進展の抑制を目的としている※2
  • 認知症において対応が困難で長期入院化が深刻な問題になっている行動異常は、将来は治療薬によって対処可能であると考えられる。また、現在のアルツハイマー型認知症治療のベースであるコリンエステラーゼ阻害剤による症状改善に加え、今後は明らかな認知機能改善作用を持つ薬剤や、さらには病態進展を抑制する薬剤が望まれている。こうしたアルツハイマー型認知症の将来の治療構想に向けて挑戦していく

アルツハイマー型認知症に対する取り組み

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH. ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック社」)は、アルツハイマー型認知症に対して研究中のワクチン候補である「Lu AF20513」を共同開発することについて本日合意しました。

大塚製薬は、ルンドベック社に契約一時金として400万ユーロ(約5億円、1ユーロ=130円)を支払います。ルンドベック社は臨床第I相試験の開発経費を負担します。この契約は臨床第I相試験の共同開発の契約です。臨床第I相試験は、2014年に開始される予定です。

アルツハイマー病に対しては、現在のところ症状改善を目的とした治療法しかなく、病態進展を抑えるものはありません。「Lu AF20513」は、アルツハイマー病の病態進展の抑制を目指すβアミロイドワクチンで、現在前臨床開発段階にあります。認知症の早い段階でβアミロイドの沈着を抑制することで病態進展を遅らせるというβアミロイド仮説をもとに、高齢者に合った最適な免疫反応に対応するように設計されています。

大塚製薬とルンドベック社は、中枢薬事業のグローバルアライアンスを2011年11月に締結し、アルツハイマー型認知症の症状改善薬として「ブレクスピプラゾール」、「Lu AE58054」を共同開発しています。特に未解決であるアルツハイマー型認知症の病態進展を抑える治療として、この度独自に設計したワクチン候補「Lu AF20513」の共同開発について新たに契約し、アルツハイマー型認知症に関する両社の3番目のプロジェクトとなります。「Lu AE58054」は、作用機序が世界初でファーストインクラスとなる選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬で、従来のアルツハイマー型認知症治療の標準薬であるドネペジルを服薬している患者さんに併用する試験としてグローバル臨床第III相試験を実施しています。またエビリファイの次世代D2受容体部分作動薬候補「ブレクスピプラゾール」は、アルツハイマー型認知症の行動異常(不適正な言葉や行動など)で臨床第III相試験を米国や欧州で開始しています。
大塚製薬とルンドベック社の両社を合わせた中枢神経領域の売上規模は世界でトップになっており*6、アルツハイマー病などの領域に積極的に投資していきます。世界には認知症で4,435万人※1、アルツハイマー型認知症で3,400万人※3の患者さんがいる中で、未だ治療が十分で無いこの領域の克服に向けて包括的に両社は取り組んでまいります。

参考

「Lu AF20513」について

「Lu AF20513」は、アルツハイマー病の原因とされるβアミロイド(線維状のタンパク質)に対する高い親和性のある複数の抗体(ポリクローナル)を産生させるよう期待し設計されたペプチドワクチンです。異なる複数の抗体の産生を誘導できるようにアミロイド抗原の長さを設計し、より効率良くβアミロイドの凝集・沈着を抑制します。また、多くの成人で獲得している破傷風菌の免疫(免疫記憶)を利用して免疫効果を高める工夫も加えられています。安全面では他のアルツハイマー病ワクチンで引き起こされた急性髄膜脳炎の発生リスクを減らすよう設計されています。

アルツハイマー病について

アルツハイマー病は、進行性の脳疾患で、脳機能が次第に低下していきます。65歳以上の高齢者に一般的にみられる病気です※5。アルツハイマー病患者さんの脳には、βアミロイドが多量に蓄積していることがわかってきています。脳内では、神経細胞で作られる「アミロイド前駆体タンパク質」が切断され、その断片の一部が「βアミロイド」として、細胞外に放出されます。このβアミロイドが過剰になることで老人斑が沈着して神経細胞を傷害し認知機能を低下させ、ついには神経細胞の死滅によりアルツハイマー病を発病させるという「βアミロイド仮説」があります。アルツハイマー病の原因となるこのβアミロイドの脳内の凝集や沈着を抑制することで病態の進展を抑える薬が望まれています。
アルツハイマー病の患者さんは、記憶、思考、機能や行動が重篤に変化して、時間の経過とともに悪化し進展していきます。この変化はだんだんと日常生活に強く影響を与え、1人で生活することができなくなり、最後には生活の全てに介護を要します。アルツハイマー病は、介護者にも大きな影響を与えます。大抵の患者さんは、自宅で介護を家族から受けているので、家族にとっては精神的、身体的な負担となっています※7
世界中に4,435万人の認知症の患者さんがいて、そのうち50~80%がアルツハイマー型※2で3,400万人にのぼり、65歳以上の高齢者は5歳毎に発症率が倍になると予測されています。 また、高齢者の人口割合が増えることで、認知症となる患者数は20年ごとにほぼ2倍になると見積もられていて、2050年には1億3,500万人にもなる予測となっています※1

世界の認知症に関する費用(2010年は6,040億USドル;約60兆円、1ドル100円換算)は、世界全体の国内総生産(GDP)の1%以上となっています※1

  • ※1 Alzheimer’s Disease International. The global impact of dementia 2013-2050. 2013.
  • ※2 Alzheimer's Association. “Alzheimer's changes the whole brain” Brain Tour. 2011. Document accessible at:
      http://www.alz.org/braintour/alzheimers_changes.asp
  • ※3 Barnes DE, Yaffe K. The projected effect of risk factor reduction on Alzheimer's disease prevalence. Lancet Neurology. 2011; (9):819-28.
  • ※4 Chengxuan Qiu, Miia Kivipelto, Eva von Strauss, Epidemiology of Alzheimer's disease: occurrence, determinants, and strategies toward intervention. Dialogues in Clinical Neuroscience. 2009 June; 11(2): 111–128.
  • ※5 Mild Cognitive Impairment
  • ※6 Based on IMS data (MATQ2.2013)
  • ※7 Georges J, Jansen S, Jackson J, et al. Alzheimer's disease in real life — the dementia career's survey. International Journal Geriatric Psychiatry 2008; 23 (5): 546—551.

会社概要

H. ルンドベック A/S (H. Lundbeck A/S)

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。