水分・エネルギーは運動前からしっかりと補給する
サッカー1試合(90分)の走行距離は10km前後といわれています。そのうちの多くは歩行やジョギング、低速度のランニングなどの有酸素運動が占めています。この有酸素運動の合間に、ダッシュやターン、ジャンプなどの無酸素運動に瞬時に切り替えなければならず、プレー中に消費する水分とエネルギーは相当な量にのぼります。
特に試合の際には計画的な栄養補給が必要です。前日から当日の食事は消化のよい糖質中心の食品を摂り、スタミナ源となるグリコーゲンを蓄えるようにしましょう。試合の前日に焼肉を食べるというのは、昔の話です。試合前の脂っこい食事は控えるようにしてください。更にプレー開始前から十分な水分とエネルギー補給が不可欠です。準備運動を行うタイミングで、ナトリウムなどの電解質を含んだ飲料とともに、BCAAなどの必須アミノ酸を補給しましょう。プレーを始める頃にはBCAAの血中濃度がピークに達し、疲労のもととなる「乳酸」の血中濃度の上昇が抑えられ、パフォーマンスの低下を軽減できるとされます。
BCAA補給のポイントは、
(1)運動を始める30分前に摂取すること(摂取後30分で血中濃度がピークに到達します)
(2)2,000mg以上摂取すること(摂取後2時間でも摂取前の値に比べて高い血中濃度を維持します)
そして、
(3)プレー中も競技が止まっている時間を利用して、こまめに水分とともにBCAAを摂取すること-の3つです。
BCAAといってもその成分の比率は様々です。活動時には3つの成分バリン、ロイシン、イソロイシンを1:2:1の割合で含むものが、理想的だという研究報告もあります。こまめに摂取し、運動パフォーマンスの維持に努めましょう。