第54回
パセリのジェノベーゼ風きのこパスタ
山盛りきのこパスタの決定版!パセリがいい脇役に徹してくれます。

きのこは冷凍保存もできる日常食のお助け食材。ささっと作れるパスタとの味の相性は抜群です。
ジェノベーゼ風ってなんだ?
バジルとニンニク、オリーブオイル、松の実、チーズなどをミキサーで撹拌したものを、イタリアではジェノベーゼソースと言います。このレシピはあくまでジェノベーゼ「風」。どのように「風」かといえば、バジルの代わりに手軽に手に入るパセリで作ります。しかもミキサーで撹拌する手間を省き、代わりに油で熱しています。もはや「風」とも言えないかもしれない。だけど、きのこパスタと和えると、簡単なのにしっくりおいしく仕上がります。栽培技術の発達で1年中きのこが食べられるって口福ですね。2~3種類ミックスするのもおすすめ。
パスタの茹で時間のこと
パスタの茹で時間で手順が少し変わります。使用したパスタは茹で時間が12分。手順1~7は12分以内にできる作業です。なので沸騰した鍋にパスタを入れてから、手順1~7に取り掛かるほうが効率的。用意したパスタが5~6分で茹で上がるタイプなら、鍋に水と塩を入れて火にかける作業と並行して、手順1~7までは先にやってしまいましょう。手順7まで終わったら、沸騰した鍋にパスタを入れて茹でる、という手順のほうが効率がいいですよ。

材料(1人分)
パスタ 80g削ったパルミジャーノチーズ(または粉チーズ) 適宜
*ジェノベーゼ風ソース
パセリ 10g
ニンニク 1/3片
きのこ(種類はお好みで。画像はしめじ、舞茸、マッシュルーム) 100~120g
オリーブ油 大さじ1
茹で汁(または水) 大さじ2
塩 小さじ1/3
胡椒 少々
*分量外
塩 小さじ1(パスタ茹で用)
レモンのくし切り 1片

1 レモンの欠片が冷蔵庫にあれば、くし切りにする。いただくときにひと絞りするとおいしい。

2 舞茸やしめじなどのきのこは石づきを取って食べやすい大きさに裂く。マッシュルームなど厚みのあるきのこは幅4mm程度にスライスする。ニンニクは薄皮をむき、芯を取り除いて、幅2mm程度にスライスする。

3 パセリは洗ってよく水気を切り、包丁でみじん切りにする。

4 茹で汁(または水)大さじ2を取り分けておく。
ソースはフライパンで蒸し焼き
パスタソースはフライパンできのこを蒸し焼きにするだけとごく簡単。きのこの歯応えがサクサク、コリコリと残ってちょうどいい塩梅に仕上がります。

5 フライパンにオリーブ油を注ぎ、弱めの中火にかけ、油が温まってきたらニンニクを加えて弱火にし、薄く色付くまで火を通す。

6 5にパセリ全量と塩、胡椒を加えて、火を止める。フライ返しで混ぜながらパセリがしんなりするまで予熱で火を通す。そこに2のきのこをいっぺんに加え、全体をざっくり混ぜ合わせる。

7 6を再度弱めの中火にかけて4の茹で汁(または水)を加え、フライパンに蓋をする。そのまま、弱めの中火で4~5分蒸し焼きにする。

8 蓋を取ってみて、きのこの量(かさ)が減り、全体にしっとりとした状態になっていたら、火を止めて蓋をした状態でパスタの茹で上がりを待つ。

9 パスタが茹で上がったら、ザルにあけてさっと湯を切る。ソースの入ったフライパンに入れて、中火にかけてざっくり1分弱混ぜたら完成。

10 9を器にこんもり盛り付ける。
おいしいアレンジ
そのまま食べれば、きのこの風味が豊かであっさりした味わいですが、パルミジャーノや粉チーズとの相性も抜群ですからぜひお試しください。それから冷蔵庫にレモンの一欠片が残っていたら、ぜひ果汁を絞ってみてください。このパスタは酸味にもよく合うんです。

11 削っておいたパルミジャーノをかけたところ。濃厚なチーズの風味がさらに食欲をそそります。

12 パルミジャーノに加えて、レモン果汁を絞ったところ。レモンの酸味がピッタリ。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ50』が発売。