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大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

2012年05月08日

医療関連事業

「アリピプラゾール持効性注射剤」(月一回製剤)の
臨床第III相試験の結果を米国精神医学会議(APA)にて発表

  • 「アリピプラゾール持効性注射剤」(月一回製剤)投与群とプラセボ投与群を比較した臨床第III相試験において、主要評価項目である「再発までの期間」の延長を確認
  • 同試験の結果を第165回米国精神医学会議(APA*1)2012年度年次総会にて発表
  • 長期にわたり疾患をコントロールするという、統合失調症の治療ゴールへの重要な結果

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S (本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック」) は、成人の統合失調症の維持療法として、「アリピプラゾール持効性注射剤」(月一回製剤)の有効性、安全性、忍容性を評価した臨床第III相試験の試験結果を発表しましたので、お知らせします。
本試験の結果は、第165回米国精神医学会議2012年度年次総会(米国フィラデルフィア、5月5日〜9日)で発表されました。

今回発表となった試験は、大塚製薬の米国子会社である大塚ファーマシューティカルD&C Inc.が実施した52週間の無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験です。成人の統合失調症患者さんを対象に、「アリピプラゾール持効性注射剤」の有効性、安全性、忍容性を評価する目的で行われました。
本試験では、主要評価項目として、再発までの期間を評価しています。その結果、「アリピプラゾール持効性注射剤」投与群では、プラセボ群に比較して、無再発期間を有意に延長しました(p<0.0001)。
さらに、「アリピプラゾール持効性注射剤」投与群では、試験期間中、症状(陽性及び陰性症状評価尺度の全尺度合計点で評価)の維持がみられたのに対し、プラセボ群では尺度評価が有意に悪化していました(52週におけるベースラインからの平均変化量は「アリピプラゾール持効性注射剤」投与群:1.4、プラセボ群:11.6、p<0.0001)。

本試験の治験担当医で、ザッカー・ヒルサイド病院精神科学部長および、ノースショアLIJ医療システム 行動保健サービスのバイス・プレジデントを務める、ジョン・M・ケイン医師は、「長期にわたり疾患をコントロールすることは、統合失調症を抱え暮らしている米国の220万人の成人患者さんの究極の治療目標です。統合失調症は再発するたびに、患者さんの精神的・肉体的な健康状況の悪化を引き起こします。今回の試験結果では、『アリピプラゾール持効性注射剤』を月に一回注射することで、統合失調症の患者さんの再発までの時間を遅らせるという効果を示しました。」とコメントしています。

  • *1:APA(American Psychiatric Association)

本試験の結果を受けて、大塚ファーマシューティカルD&C Inc. プレジデント兼CEO ウィリアム H. カーソンは、「大塚製薬とルンドベックは、統合失調症の患者さんが抱える医療上の課題の解決を目指し、治療の発展に取り組んでいます。統合失調症の患者さんの長期にわたる維持療法として、『アリピプラゾール持効性注射剤』の有効性、安全性、忍容性を評価した臨床第III相試験で、ポジティブな結果をご報告できることを嬉しく思います。」と述べています。

ルンドベック社のシニア・バイス・プレジデントで研究開発責任者のアンダース・ガーセル・ペデルセンは、「中枢神経疾患領域において、多くの経験をもつ製薬企業として、大塚製薬とルンドベックは、統合失調症を含む複雑な精神疾患への取り組みを行っています。今回の試験結果の発表は、これから2社で進めていく、長期にわたる中枢神経疾患に対する治療薬の開発促進への取り組みにおける最初のステップです。」と述べています。

本試験の詳細について

試験デザイン

この臨床第III相試験は多施設二重盲検プラセボ対照比較試験*2であり、抗精神病薬による長期的な治療を必要とする統合失調症患者(成人)710例を対象としました。本試験は統合失調症の長期的な維持治療薬として、アリピプラゾール持効性注射剤の有効性、安全性および忍容性を評価することを目的としました。さらに、本試験がプラセボ対照試験であるため、予想再発数の50%が再発した時点で中間解析を実施しました。この中間解析結果は、独立データモニタリング委員会により評価され、予め設定した有効性評価項目基準を満たしている、という同委員会の判断および試験の終了推奨に基づき、当社は本試験の終了を決定しました。なお、今回の発表は、最終データ解析後の結果です。

  • *2:本試験の治験施設には、日本国内の医療機関は含まれておりません。
本試験は4期で構成されています。
第1期:
(切替え期)アリピプラゾールによる治療を試験開始時に受けていない被験者が、経口によるアリピプラゾールの単剤療法へ切り替える(4〜6週、N=633)
第2期:
(経口剤による安定期)予め設定した安定基準を少なくとも4週間維持するまで、全被験者にアリピプラゾールを経口投与(10〜30mg/日)(4〜12週、N=710)
第3期:
(持効性注射剤による安定期)アリピプラゾール持効性注射剤(400 mg/回、忍容性により300 mgに減量も可)を4週毎に投与。はじめの2週間はアリピプラゾール経口剤と併用投与(12〜36週、N=576)。
第4期:
(維持治療期)アリピプラゾール持効性注射剤もしくはプラセボを4週毎に投与(52週、N=403)。

上記の第3期において、12週にわたって症状の安定を確認、基準を満たした被験者を無作為に2:1の比率で、実薬群(N=269)もしくはプラセボ群(N=134)に割り付け、第4期(維持治療期)に継続しています。

本試験では、主要評価項目として、再発までの期間を評価しています。主な副次的評価項目は、第4期(維持治療期)における再発率です。その他副次的評価項目として、PANSSのベースラインからの平均変化量、個人的・社会的機能遂行度(PSP)尺度、臨床全般印象評価尺度(CGI)-重症度のスコアと抗精神病薬に対する反応を評価するために開発された尺度である専門家評価調査(Investigator’s Assessment Questionnaire、IAQ)スコアのベースラインからの平均変化量を評価しています。忍容性と安全性の評価も併せて実施しています。

試験結果

本試験の結果、アリピプラゾール持効性注射剤は再発までの期間を延長するだけでなく、52週の治療後の再発率(実薬群(10.0%)vs.プラセボ群(39.6%); p < 0.0001)でもプラセボを有意に下回っていました。症状、身体機能、治療に対する全般的反応において安定期にみられた改善は、本試験の維持治療期中も継続されました。

  • 維持治療期間中、PANSSの下位尺度スコアに関し、アリピプラゾール持効性注射剤の投与により陽性症状と陰性症状の双方が維持されていたことが認められました。一方、プラセボ群では有意な悪化が認められました(陽性症状を示すPANSS下位尺度スコアのベースラインからの平均変化量は実薬群で0.4、プラセボ群の平均変化量は4.3(p < 0.0001)。陰性症状を示すPANSS下位尺度のベースラインからの平均変化量は実薬群0.2、プラセボ群1.6(p < 0.0001)でした)。
  • 本試験の維持治療期間中、PSPスコアのベースラインからの平均変化量はアリピプラゾール持効性注射剤の投与を受けた群では、社会的機能遂行度がプラセボに比べて安定(実薬群(-1.7)、プラセボ群(-6.2)、p=0.0002)したことを示しました。
  • IAQ(全般的な有効性を評定する12項目にわたる調査)総合スコアのベースラインからの平均変化量も、第4期(維持治療期間)中にアリピプラゾール持効性注射剤の投与を受けた群で、プラセボの投与を受けた患者に比べて安定していることを示しました(実薬群(+1.3)、プラセボ群(+3.8)、p < 0.0001)。

アリピプラゾール経口剤またはアリピプラゾール持効性注射剤およびプラセボに関しては、本試験の各期において同様の有害事象が報告されています。有害事象のほとんどは軽度から中程度のものであり、重篤な有害事象は稀でした(5.0%未満)。第4期(維持治療期)中の重篤な有害事象の発現率は、実薬群で4.1%、プラセボで6.7%)でした。
維持治療期中に試験治療下で最も多く確認された有害事象*3は不眠症(10.0%、9.0%)、振戦(5.9%、1.5%)、頭痛(5.9%、5.2%)です(括弧内は、それぞれ実薬群、プラセボ群)。維持治療期間中、注射部位の痛みが発現した割合は、実薬群で3.0%、プラセボ群で3.7%でした。臨床上有意な体重増加*4が認められた割合は実薬群で6.4%、プラセボ群で5.2%でした。試験中に有害事象によって投与中止に至った割合は実薬群で7.1%、プラセボ群で13.4%でした。

  • *3:試験治療下で最も多く確認された有害事象: 実薬群で出現率が5%を超え、プラセボを発現率で上回っていた有害事象
  • *4:臨床上有意な体重増加: ベースラインから7%を超える増加

参考資料

「統合失調症」について

統合失調症は、思考プロセスや感情表現への歪みを特徴とする疾患です。幻聴、妄想、まとまらない発言や思考などの症状が現れ、結果として重大な社会生活および就業への障害となります。成人期初期に発病(発現)することが多く、症状の緩和のために一生涯にわたる治療が必要になることがある慢性疾患です。
欧米では、成人人口の約1%が統合失調症を抱え、米国では、性差なく、約220万人*5の成人患者さんがいると推計されています。

  • *5:米国国立精神保健研究所の調査による

「アリピプラゾール持効性注射剤(月一回製剤)」について

「アリピプラゾール持効性注射剤(一般名)」は、無菌の凍結乾燥製剤です。注射用水で用時溶解することで、注射可能な懸濁液となります。
大塚製薬とルンドベックは、2011年11月11日に中枢神経疾患領域におけるグローバル・アライアンス契約を締結しました。本契約に基づき両社は全世界においてパートナーシップを組み、「アリピプラゾール持効性注射剤」の開発・商業化を共同で行っています。大塚製薬とルンドベックは、同年11月22日に、「アリピプラゾール持効性注射剤」(月一回製剤)に関し、「成人の統合失調症における維持治療」の適応症で、米国食品医薬品局(FDA)へ提出していた新薬承認申請(NDA)が受理されたことを発表しています。

会社概要

H. ルンドベック A/S (H.Lundbeck A/S) 会社概要

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。