コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第18回 
たまごの殻に観葉植物?

ヘンティネンさんと娘でフラワーデザイナーのリノさんが、たまごの殻と観葉植物を組み合わせたかわいらしいアレンジメントを紹介します。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

たまごの殻を再利用

リノ:かわいい!たまごから観葉植物が生まれたみたいです(笑)。
クミ:そんなふうに見えますね。今日はたまごの殻を鉢代わりに使うアレンジメントです。たまごの中身はあとで料理にしましょう。
リノ:フィンランドのたまご料理といえば「karjalanpiirakka(カリアランピーラッカ)」。ライ麦粉と小麦粉の生地を焼いて、中にお米を煮たものを入れて包んでオーブンで焼いたものです。焼きあがったら、バターとゆでたまごを和えたものを乗せるんですよね。朝食によく食べました。
クミ:おいしかったですよね。さあ、お腹が空く前に、アレンジメントの作り方を教えるわね。とっても簡単なので、お子さんと一緒に楽しめると思います。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
「エコの国・フィンランドらしいアイデアです」(リノさん)。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
材料:アスパラガス、テーブルヤシ、フィカス プミラ、シンゴニウム、ミューレンベッキア、プテリスなどの小さな観葉植物/園芸用の土/苔/卵(紙パックに入っているもの)/鉢/スコップ/スプーン/ピンセット

ミニミニ観葉植物

クミ:たまごの真ん中より少し上くらいに、小さなスコップをコツコツと当てて、ぐるりと切り取るように割ります。
リノ:思ったより強くたたいても大丈夫ですね。
クミ:たまごに一周ひびが入ったら、殻の上の部分をパカっと外してみてください。中のたまごはあらかじめ用意しておいた器に移します。
リノ:できました~!中身がするんと落ちていく感じが気持ちいいです。殻はきれいに洗いますね。
クミ:殻の中に、園芸用の土を1/3くらい入れて、ミニサイズの観葉植物を入れます。植物の根元を持って、ポットから引き抜きましょう。
リノ:殻にちょうど収まるサイズですね。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
小さなスコップがなければ、スプーンやナイフでもOK。スコップをたまごに当てて、コンコンとたたきながら、少しずつ確実にひびを入れる。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
根元を引っ張ればスポッと抜ける。根についた土やハイドロボールはそのまま残す。

苔がポイント

クミ:殻のフチまで土を入れましょう。指先でぐっと押して、植物が動かないようにします。
リノ:しっかり土を押し固めているとたまごの殻を割ってしまいそうです……。
クミ:優しく、でもしっかりと(笑)。
クミ:仕上げに苔をあしらいます。こうすると一気に森の中のような感じになりますね。
リノ:かわいい。自立しないので、うっかり机に置いてしまうと、コロンと転がってしまいますが、その姿も愛らしい。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
土を覆うように苔を入れる。ピンセットを使うと作業がしやすい。

殻は植物の栄養に

リノ:完成しました~!
クミ:紙パックに戻して、室内に飾りましょう。水は表面が乾いてきたときに、ほんの少し足せばOK。
リノ:そのうち大きくなるのですよね。
クミ:そうです。根が張って、大きくなったら、殻のまま鉢に植え替えましょう。殻は栄養になります。
リノ:土に戻って栄養になる。たまごもここまで活用してもらえたらうれしいでしょうね。
クミ:そうかもしれないですね。植え替えの手間も少ないし、ゴミも出ないし、一石三鳥!?
リノ:さあ、お次はたまご料理ですね(笑)。たまごを存分に楽しむ一日になりそうです。
第18回 たまごの殻に観葉植物?/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
鶏卵はフィンランド語で「kananmuna(カナムナ)」。観葉植物のカナムナアレンジメントの完成。
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナーとして活躍するヘンティネン・クミさんとフィンランドでフラワーデザインを学んだ娘のリノさんが、エコな植物アレンジメントを紹介します。
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」を拠点に北欧フラワーデザインの普及に尽力している。著書に『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)がある。
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