コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第25回 
私に贈るミモザのリース

ヘンティネン・クミさんと娘でフラワーデザイナーのリノさんに、旬のミモザを使ったリースを教えてもらいます。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

3月8日はミモザの日

リノ:たくさんのミモザ!ふわふわの黄色い花がかわいいです。
クミ: 3月8日の「国際女性デー」のシンボルフラワーとして知られています。
リノ:「ミモザの日」とも言われていますよね。
クミ:ミモザは、ここ数年、日本でも人気が高いですが、フィンランドでもこの時期になると、イタリアから輸入したミモザがフラワーショップに並びます。
リノ:ようやく春、という光景でした。
クミ: 今日はミモザのリースを作りますが、春のフィンランドを象徴するネコヤナギをアクセントにしましょう。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ミモザ/ネコヤナギ/クラフトワイヤー/リース用のワイヤー/ラフィア
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
フィンランドでは国際女性デーを「Naistenpäivä(ナイステンパイヴァ=女性の日)」と呼ぶ。「男性から女性に感謝の気持ちを伝える習慣があります」とクミさん。

長さをそろえて切る

クミ:クラフトワイヤーは直径20cm程度の輪にしておいてください。リースの土台として使います。
リノ:市販のリース土台でもいいんですよね。
クミ:はい。ミモザは、10cm程度に切っていきましょう。だいたいでいいですよ。ランダムなほうが、ナチュラルな印象に仕上がります。
リノ:ミモザはドライフラワーになっても楽しめますよね。ほかにどんな花がリースにしやすいですか?
クミ:カスミソウやスターチスなど、茎が硬いものがいいですね。ヒムロスギなどの枝ものもおすすめです。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
10cm程度に切りそろえたミモザ。花と葉の部分を分けておくと、あとで作業がしやすい。

葉の向きは時計回り

クミ:リース土台にミモザを巻きつけていきます。切ったミモザを3~4本束ねて持ってください。
リノ:花のついていない茎も束ねるんですよね。
クミ:そうですね。下のほうに葉のついた茎を、花がついている茎はその上に重ねてリース土台に乗せます。
リノ:花の向きはどうしたらよいですか?
クミ:リースは「永遠の象徴」と言われていて、終わりのない時間の流れを表しています。ですので、花の向きは時を刻む方向、時計回りですね。
リノ:茎をワイヤーで固定して……と。
クミ:はい、これを繰り返してください。束を作るときに、毎回、同じボリュームにするのがキレイに作るコツです。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
リース用のワイヤーをリースの土台に巻きつけ、切り離さずにそのままにしておく。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ミモザを3~4本ほど束ねて持ち、ワイヤーを3回ほど巻き付けてしっかり留める。ドライになると茎がやせるので、きつめに巻く。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ワイヤーを隠すように次の束を重ね、ワイヤーで固定する。これを繰り返す。リースの表面に黄色い花が見えるように束ねると美しい。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
巻き始めのワイヤーと巻き終わりのワイヤーをねじって留め、その上からラフィアをリボン結び。結び目にネコヤナギを挿す。

変化を楽しむ

クミ:ミモザを最後まで巻きつけて、ラフィアとネコヤナギをあしらったら完成です。
リノ:ネコヤナギが入ると、ややワイルドな感じになってかっこいいですね。
クミ:そうですね。このまま壁にかけておくと、徐々にドライになっていきますが、その変化を見るのも楽しいんですよ。
リノ:フレッシュな花が、アンティーク調になっていく。違う表情を見せてくれますよね。
クミ:日本では、男性から女性にミモザの花を贈る習慣は浸透していませんが、自分のためにリースを作る。そんな楽しみ方もいいかもしれません。
第25回 私に贈るミモザのリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
桜よりひと足先に春の訪れを教えてくれるミモザ。2月~3月頃、フラワーショップに並ぶ。ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室はこちら。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがあるほか、フィンランド料理と民族楽器の演奏を楽しむワークショップも開催している。著書に『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)がある。
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