コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第30回 
インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物

多肉植物はインテリアのアレンジになる優秀な植物。今回は、その寄せ植えを紹介します。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

涼しくなったら多肉植物

クミ:今日は、大人気の多肉植物を使って寄せ植えを作りましょう。鉢植えなどで購入した多肉植物の根元をカットして土に挿すだけなので、とっても簡単です。
リノ:多肉植物って、砂漠などの乾燥地帯に生息しているんですよね。
クミ:そう。高温多湿の日本の夏は苦手で、環境に耐えることで精いっぱい。寄せ植えは、涼しくなってから。これが多肉植物を扱う鉄則です。
リノ:今日は、魚の鉢に寄せ植えするんですね。これってフグ?
クミ:フィンランドの湖にいる魚だと思ってください(笑)。好きな鉢を用意してくださいね。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:多肉植物(3~4種類)/植木鉢/サボテン・多肉植物の土/軽石/キッチン用の水切りネット/スコップ/ピンセット
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ヘンティネン・クミさん(右)と娘でフラワーデザイナーのリノさん。多肉植物はベランダで育てているものが夏の間に伸び放題になってしまったので、カットして3種類を用意した。

水はけと日当たりに注意

クミ:多肉植物は根腐れを起こしやすいので、水はけのよい環境を作ることが大事です。
リノ:鉢の底に軽石を入れてから、多肉植物用のさらさらとした土を入れるんですね。
クミ:軽石を入れると通気性がよくなります。また、小粒の土が鉢の底の穴から出るのを防ぎます。
リノ:なるほど。ほかに、多肉植物を育てる上での注意点はありますか?
クミ:太陽の光が大好きなので、日の当たるところに置いてあげるといいですね。ただし、夏の直射日光はNG。強い光を当てすぎるとダメになってしまいます。水をあげるのは、土がしっかり乾いてから。「水やり、忘れてた!」くらいがちょうどいいです。
リノ:かまいすぎないことも大切なんですね。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
軽石はキッチン用の水切りネットに入れる。鉢の底からの土の流出が防げる。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
「サボテン・多肉植物の土」などと書かれている土を選ぶ。さらさらとしていて小粒で、土というより砂っぽい。

ぎっしり植える

クミ:ピンセットなどを土に挿しこんで穴を掘り、そこに多肉植物の茎を入れます。
リノ: 土がさらさらしていて、意外とスムーズに入っていかないですね。
クミ:ぎゅっと押し込むように入れるのがポイントです。
リノ:慣れもありますね。だんだんうまくなっていく(笑)。
クミ:ある程度挿したら、上から手のひらで包むように、ぎゅっと押してあげるとしっかり挿しこまれます。土の表面が見えなくなるまで、ぎっしりと植えると美しいですね。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
土に挿しこんだピンセットを抜くと、土がかぶさって穴がふさがってしまうので、多肉植物が安定するまで抜かない。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
中心に大きめの多肉植物を植えて、それを囲むようにどんどん挿していく。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
上からぎゅっと押さえるようにしてしっかり挿しこむ。仕上げにすき間から土を入れるとより安定する。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
すべて挿し終えたら、多肉の表面に水がかからないように、細い口のじょうろで土の上に水を差す。全体に水がいきわたれば、底から水が出てくる。

紅葉も楽しめる

リノ:多肉植物ってぷっくりとした質感がかわいいですよね。
クミ:種類も豊富で、1万5000種以上もあるのだそうです。日本でも数年前に「多肉ブーム」がありましたが、フィンランドではスタイリッシュな寄せ植えをインテリアにしている人が多いですね。
リノ:空き缶や使わなくなった食器の底に穴を開けて鉢代わりに使っているのも見たことがあります。
クミ:さすがエコの国ですね。水はけと日当たりだけ気をつけてあげれば、秋には紅葉が楽しめる種もあります。
リノ:花が咲くのもあるとか!
クミ:そうですね。そのうち茎が伸びてしまいますので、またカットして新しい寄せ植えを作ってみてください。
第30回 インテリアプランツとして人気爆発、多肉植物/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
魚とフクロウの鉢に寄せ植えした。モチーフが動物の鉢を使うとチャーミングなアレンジになる。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがあるほか、フィンランド料理と民族楽器の演奏を楽しむワークショップも開催している。著書に『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)がある。
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