コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第31回 
おもちゃカボチャでハロウィン

カボチャをくりぬいて作った花器に秋色の花をアレンジして、ハロウィンを楽しみましょう。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

おうちで楽しむハロウィン

リノ:ハロウィンは日本でもフィンランドでも、若い世代が仮装を楽しむ行事になっていますね。
クミ:ヘルシンキも渋谷もお祭り騒ぎ(笑)。大人世代はしっとり、おうちでハロウィンを楽しめたらいいですね。
リノ:今回はおもちゃカボチャの中身をくりぬいて、花器として使うんですね。
クミ:そう。9月頃からフラワーショップでも数百円でおもちゃカボチャが売り出されますから、好きな形のものを用意してください。
リノ:ジャック・オー・ランタンもいいですが、花を活けるのもいいですね!
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:おもちゃカボチャ(プッチーニなどのミニカボチャ)/リドベキア/シモツケソウ/ラズベリーリーフ/ヘデラ/ケイトウ/クエルシフォリア/ワイヤープランツ/ニゲラ/ユーカリ/クロヒエ(フレイクショコラータ)
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ヘンティネン・クミさん(右)と娘でフラワーデザイナーのリノさん。おもちゃカボチャは上の部分(ヘタのほう)を1cmほどカットして、中身をくりぬく。カットした上の部分は残しておく。

カボチャを長持ちさせる

クミ:中身をくりぬいたカボチャに、水をたっぷり吸わせた吸水スポンジを入れるのですが、その前に、アルミホイルを敷いて内側をカバーしましょう。ラップでもOKです。
リノ:カボチャを腐らせないためですね。
クミ:はい。吸水スポンジは、カボチャにぴったり収まるように乾いた状態でカットします。吸水スポンジは上から水をさしてもはじいてしまいますから、水を張ったボウルなどに浮かべて水をしっかり吸わせてから、カボチャの中に入れてください。
リノ:これでカボチャの花器の完成ですね!
クミ:では、吸水スポンジに植物を挿していきます。花は最後。先にグリーンをあしらいましょう。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
吸水スポンジは、カボチャよりも2cmほど上にはみ出すサイズにカットして、水を吸わせてからカボチャにはめ込み、花が挿しやすいように角をナイフでカットする。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ワイヤープランツやラズベリーリーフ、ユーカリなどのグリーンを吸水スポンジの側面に挿す。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
横から見ても吸水スポンジが見えなくなるくらい、たっぷりグリーンをあしらう。

カボチャの帽子がアクセント

クミ:残しておいたカボチャのヘタの部分に竹串を挿して、吸水スポンジに挿します。
リノ:帽子みたいでかわいいですね。
クミ:竹串はフローラルテープや緑のマスキングテープを巻きつけると、目立たなくてよいでしょう。油性ペンで塗ってもOKです。
リノ:細くて丈夫な枝を使ってもよさそうですね。
クミ:そうですね。さあ、どんどん花を挿していきましょう。シモツケなどのボリュームのある花を、先ほどのカボチャの帽子の近くに挿せば、竹串は隠れてなじむでしょう。
リノ:なるほど!ルドベキアやニゲラ、ケイトウなどのメインとなる花は、目立つ位置に入れたいですね。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
カボチャのヘタの部分の内側に竹串を2~3本挿して、反対側を吸水スポンジに挿しこむ。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
「好きな花を用意してくださいね」とクミさん。秋の森をイメージして、アレンジする。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ルドベキアのようなくすんだ赤色やオレンジ色の花を使うと、ぐんと秋らしい様相になる。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
手のひらサイズで、プレゼントにも喜ばれそうなカボチャのアレンジメント。

収穫を祝う

クミ:カボチャのアレンジメントを2つ作って、マツボックリやさまざまな形のおもちゃカボチャをその周りに飾りました。
リノ:単体でも華やかですが、こうやってほかの植物を周りにあしらうと壮大ですね。
クミ:ハロウィンは、秋の収穫を祝って悪霊を追い出す……というのが本来の習わしです。みなさんも、自分なりの収穫祭のイメージで、空間を作ってみてください。
リノ:秋のフィンランドはリンゴの季節ですから、リンゴを使うのもよいかもしれません。
クミ:そうですね。カボチャの代わりにリンゴの中身をくりぬいて花器にしてもおもしろいですね。
リノ:楽しかった!やはり、花と触れ合うと元気になりますね。
第31回 おもちゃカボチャでハロウィン/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
アンティークの木のプレートにカボチャのアレンジメントを置き、その周りをツタやマツボックリ、おもちゃカボチャ、ワイルドフラワーなどをあしらった。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがあるほか、フィンランド料理と民族楽器の演奏を楽しむワークショップも開催している。著書に『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)がある。
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