第32回
まん丸がかわいいクリスマスボール
フィンランドの年末年始に欠かせないクリスマスボールを手作りしてみませんか?

ハンドワークが大好きなフィンランド人
日照時間が短いフィンランドの冬。暖かい家ですることといったらハンドワークです。とくに、クリスマス前は大忙し。家族みんなでモミの木を飾りつけしたり、リースやスワッグを作ったり。戸建ての家の軒下に「クリスマスボール」が飾られているのもよく見かけます。森から刈ってきたドイツトウヒという針葉樹を使って作る人が多いですが、庭のブルーベリーの枝を使うこともあります。身近な自然のものを上手に使うのがフィンランド流。日本ではあまりメジャーではないクリスマスボールですが、飾ってみるととてもかわいいですよ。早速、作ってみましょう。

花材・道具:ヒムロスギ/ドライフラワー用のアレンジボール/リボン/クリスマス飾り/ワイヤー/木工用接着剤/はさみなど
クリスマス、お正月にも
クリスマスボールの作り方はすごく簡単。ドライフラワー用のアレンジボールに針葉樹を挿していくだけ。先に、あとで飾ったり吊るしたりしやすいようにワイヤーを挿して、リボンをかけましょう。お子さんと一緒だったら、材料選びから始めてもいいですね。アレンジボールは、ネットやホームセンターなどで購入できます。リボンの柄をクリスマス柄から和柄に替えればお正月にも。

アレンジボールの中心にワイヤーを突き刺す。向こう側に10cmくらい出た部分をU字に折り曲げて、ボールに挿し戻す。

残っているワイヤーは、5cmほど残してカットして、U字に折り曲げてフックにする。木工用接着剤をつけておく。

フックにリボンを通す。
ドライになっても美しいヒムロスギ
フィンランドでは、できあがったクリスマスボールを軒下に吊るすと瞬間冷凍(笑)。どんな針葉樹でも枯れずに美しいグリーンが数ヵ月保たれますが、日本で飾るならヒムロスギを使うのがおすすめ。ドライになっても美しいグリーンが保たれます。1本ずつ挿していくのではなく、数本をワイヤーでくくって束にしてから挿していくと、こんもりとした美しいクリスマスボールになります。

10cmくらいに切り分けたヒムロスギを5、6本束にして持つ。根元をそろえて葉の部分を持ち、ワイヤーを横から挿しこむ。

挿しこんだワイヤーをU字に折り曲げる。

U字にしたワイヤーの長い部分でヒムロスギの根元をぐるぐると3周ほど巻く。最後に、ワイヤーの短い部分に1周巻きつけると、はずれにくい。

小さなヒムロスギの束をどんどん作っていく。

ヒムロスギの束のワイヤー部分に木工用接着剤をつけて、アレンジボールに挿していく。ワイヤー部分だけでなく、枝までぐっとすき間なく挿すのがポイント。

全体に挿し終えたら、葉が飛び出しすぎている部分などをカットする。まん丸にしすぎると、杉玉(日本酒の造り酒屋の軒下などに吊るされる杉の玉)のようになってしまうので、ほどほどにカット。
針葉樹の香りに癒される
最後にリボンやクリスマス飾りなどを施して完成です。グリッタースプレーをかけて、キラキラ感をプラスしてもいいでしょう。作っている間、家の中は針葉樹の香りでいっぱいになります。まるで森の中にいるよう。家の中に吊るしておいたら、フレッシュな香りがとうぶんは続くと思います。よい年末年始をお迎えください。

赤いリボンをかければ、一気にクリスマス気分。クリスマスが終わったら、リボンだけ変えても。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)

ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがあるほか、フィンランド料理と民族楽器の演奏を楽しむワークショップも開催している。著書に『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)がある。