第35回
ティータイムアレンジメント
甘いお菓子にフラワーアレンジメントを添えて、楽しいティータイムはいかがでしょう。春らしい色合いの花をたっぷり用いて華やかに彩りましょう。
春の花とマカロン
ここ数年、マカロンを作ることに夢中です。奥が深く、挑戦しては失敗しての繰り返しですが、北欧フラワーデザインに夢中になり始めたときと同じ感覚で、とにかく楽しんでいます。マカロンの鮮やかな色合いは、春の花と相性が抜群。友だちを招いてのティーパーティにぴったりのアレンジメントを紹介しましょう。
花材・道具:マトリカリア/ビオラ/リューココリーネ/ヘデラ/ピトスポーラム/ブプレリウム/スプレーローズ/リース型のフローラムフォーム/ワイヤー/はさみなど
グリーンを上手に使う
今回もとっても簡単です。リース型のフローラルフォームに用意した植物を挿していくだけ。まずは、下準備から始めましょう。無機質なフローラムフォームがアレンジメントのすき間から見えないように、グリーンを使って隠していきます。今回はつる性植物のヘデラを使いましたが、手に入れやすいものでOK。たっぷり挿すと、ヘデラのすき間から花が咲いているようなイキイキとしたアレンジメントになります。
ヘデラをフローラルフォームに巻きつける。水を吸い上げられるよう、ヘデラの切り口を吸水スポンジに挿して、リース型に沿うようにヘデラを乗せて、ところどころUピンで留める。
フローラルフォームが見えなくなるくらい、たっぷりのヘデラをあしらうと仕上がりが美しい。
旬の花をあしらう
さあ、花を挿していきましょう。マカロンの鮮やかな色と調和するように、華やかなビオラやスプレーローズをアクセントにしましょう。ブプレリウムやピトスポーラムなどの柔らかなグリーンを入れると、春のフィンランドの野原のような雰囲気が出ます。ミントやローズマリーなどのハーブもいいですね。好きな花をたっぷり用意してください。
マトリカリア(中央)のような白い小花も春のアレンジメントにぴったり。アレンジメントにボリューム感が欲しいときは、ふわふわとした葉を持つブプレリウム(右)がおすすめ。小さな黄色い花が咲く。
好きな花をどんどん吸水スポンジに挿していく。同じ花が1ヵ所に集中しないように、全体を見ながらバランスよく挿すとよい。
ビオラは茎が弱く、吸水スポンジに挿せないので、切り口からワイヤーを差し込んで補強する。
フィンランドを代表するブランド・イッタラの「マリボウル」にマカロンを入れ、リースの中央に置けばできあがり。
「かわいい」は楽しい!
マリボウルにマカロンをたっぷり入れて、ティータイムアレンジメントの完成です。思わず「かわいい!」とはしゃいでしまいそうなアレンジメントですね。おいしいおやつを食べながら、美しい花を見て、たっぷりおしゃべりをして。そんな時間がとても大切だということ、この数年で痛感しました。春、親しい人たちとかわいいものを見ながら楽しい時間を過ごしてくださいね。
フィンランドでは、森の花を摘んできてアレンジメントを作ったり、好きな器に生けたりするのが当たり前の習慣なのだとか。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。