第38回
ローズマリーのキッチンバスケット
ローズマリーの香りに癒されながらバスケットを作りませんか?夏の花をたっぷりあしらった涼やかなアレンジメントです。
ハーブを楽しもう
夏はハーブの季節。フィンランドのマーケットでは、パセリやタイム、コリアンダー、バジル、ディルなどのハーブが、根付きのポットで売られているんですよ。庭に植えて、必要な量だけ摘みながら使うんですね。ジャガイモやサーモンの料理にたっぷり使われていました。
さて、今日は、料理だけでなく、ポプリや入浴剤にも使われる香り豊かなローズマリーでバスケットを作りましょう。
さて、今日は、料理だけでなく、ポプリや入浴剤にも使われる香り豊かなローズマリーでバスケットを作りましょう。
花材・道具:ローズマリー/ヒマワリ/マトリカリア/ヒペリカム/ホワイトレースフラワー/レモンバーム/ミント/フェンネル/コバンソウ/コルク板/ワイヤー(18番)/空き瓶/接着剤/ハサミ・カッターなど
木立性のローズマリー
ローズマリーには、上にまっすぐ伸びていく木立性と、地面を這うように伸びるほふく性があります。今回は、扱いやすい木立性のローズマリーを使いますが、ほふく性のものでも、長く伸びた枝を使うと作りやすいですね。用意したローズマリーは、手で丸くしならせるように矯めておくと編みやすくなります。編むと言っても、ワイヤーに絡めていくだけ。簡単ですので、お子さんと一緒に作れると思います。さわやかな香りに癒されながら楽しく作っていきましょう。
ワイヤーの先に接着剤をつけ、コルクにまっすぐ挿す。ワイヤーの本数は奇数にしておくとよい。ここでは、20cmほどの長さのものを7本、等間隔で挿した。
ローズマリーの根元をワイヤーの内側に入れて手で押さえる。コルクに沿うようにしながら、ワイヤーの外側→内側→外側と順に絡めていく。
絡め終わりは、内側にしておくとおさまりがよい。ワイヤーが数センチになるまで、数本を順に絡めていく。
ワイヤーの上部までローズマリーを絡めていったら、余った部分のワイヤーを内側や外側に曲げて、ローズマリーを留める。
バスケットのできあがり。飛び出ている部分を押し込んだりカットしたりして、形を整える。
ヒマワリで夏感アップ
完成したバスケットの中に、水を入れた空き瓶をセットし、そこに花を生けていきましょう。好きな花を用意していただいてOKですが、私はフィンランドの夏の景色をイメージし、数種類のハーブとレースフラワーを選びました。そして、夏といえばヒマワリ。一気に夏感が増しますね。
瓶の姿は見えないので、空き瓶でOK。フィンランド流にサステナブルに。
ミントやレモンバームなど、外側に広がる植物から生ける。
ヒマワリなど上にまっすぐ伸びる花は、倒れやすいので、ほかの花を生けた後に入れるとバランスを取りやすい。
白くふわふわとした花はホワイトレースフラワー。フィンランドではこのレースフラワーと同じセリ科のシャクという花があちこちに自生している。
キッチンで愛でる
生けた花の水替えは、空き瓶を取り出して行えるので手軽でいいですよね。ハーブはもちろん、サニーレタスやパセリなどの野菜を挿してキッチンに置いておけば、料理にも活用できていいかもしれません。私が生けておきたいのはミント。ちぎったミントの葉とスライスレモンを入れた水を30分ほど冷蔵庫に入れておくだけでできるハーブウォーターが美味しくて、毎日作っているんです。
ローズマリーはそのままドライになるので、色の変化も楽しんで。ローズマリーの代わりに、ヤナギの枝やラベンダーなどを使っても。つる性植物など弾力のあるものが扱いやすい。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら)
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。