コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第39回 
秋を楽しむドライハーベストツリー

暑い夏もそろそろ終わり。キノコや木の実、果実などがおいしい秋が始まります。収穫の喜びを表すハーベストツリーを飾ってみませんか。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

フィンランドは収穫の季節

フィンランドは、8月末ともなるとすっかり秋。この頃の楽しみと言えば、森での収穫。フィンランドでは、「自然享受権」が法律で認められているため、だれでも自由に森に入ってキノコやベリーを収穫できるのです。新鮮なものは美味しくいただきつつ、冬のために冷凍保存するのが習慣。さて、今日はそんな収穫の楽しさを表したツリーを作ってみましょう。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ビバーナムの葉/ユーカリの葉と実/ドライライム/ドライレモンスライス/ドライキノコ/ヒペリカムの実/ドライオアシス/虫ピン/鉢植え/ワイヤーなど
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ビバーナムの葉は、枝から切り取り、大中小と3つくらいのサイズに分けておく。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ドライオアシスを鉢植えに入れ、動かないようにぎゅっと押し込む。ビバーナムの葉は、上に行くほど小さくなるように、大きな葉から順に虫ピンでさし留める。隣の葉に少しかぶさるようにすると、ドライオアシスの表面を自然に隠すことができる。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
虫ピンは、斜め下に向かってさすと、ほかの虫ピンとぶつかり合わないのでさしやすい。隣り合う葉は、葉の先端をそろえると美しく仕上がる。最後に、ワイヤーをツリーの頂点から底に向かってまっすぐさし込む。

素材選びから楽しむ

ツリーの頂点にさしたワイヤーに、実や葉、ドライになった素材を重ねていきます。今回、ドライキノコ、ドライレモン、ドライライムは、ホームセンターで仕入れました。ポプリの素材もいいですね。香りも楽しめます。赤い唐辛子もアクセントになると思います。好きな素材や、手に入れやすいもので作ってみるとよいでしょう。実は、このデザインの発想のイメージは、バーベキュー串(笑)。ひょんなところからユニークなアイデアが生まれるものなんです。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
フレッシュなヒペリカムの実、ユーカリの葉、ドライレモンスライス、ドライキノコなどを順にさしていく。さしていく順番に決まりはないので、自由な感性で仕上げていく。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
頂点にユニークな形のユーカリの実をさした。

「ワクワク」したいフィンランド人

ドライハーベストツリーの完成です。トーテムポールのような不思議な形ですよね。フィンランド人は、見たことがないデザインを見たときに、ワクワクする、楽しいという意味の「hauska(ハウスカ)」という褒め言葉をよく使います。まさにハウスカなツリーに仕上がったのではないでしょうか。ドライになると、また色やカタチが変わって楽しいですよ。
第39回 秋を楽しむドライハーベストツリー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
きれいにドライにしたい場合は、直射日光を避けて飾る。ムーミンのマスコットを添えると、物語が始まりそう。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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