コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第44回 
ミモザの置きリース

3月8日は「国際女性デー」。シンボルフラワーはミモザの花で、「ミモザの日」とも呼ばれています。大人気のミモザをたっぷりあしらったアレンジメントを紹介します。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

女性の日の花

2月頃から花屋に出回り始めるミモザ。リースやスワッグに用いる人も多く、近年、大人気の花です。ミモザは、3月8日の「国際女性デー」のシンボルフラワーで、イタリアではこの日、男性から女性にミモザの花束が贈られることで知られています。フィンランドでもミモザは大人気。明るいイエローが春を感じさせてくれるからでしょう。今回は、そんなミモザとムスカリを使ってアレンジメントを作ります。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ミモザ/花芽球根つきムスカリ(シベリアンタイガー)/マツボックリ/メタセコイアの実/ハイゴケ/リース土台/プラスチック製の鉢皿(受け皿)/吸水性フローラルフォーム/うさぎなどのアニマル素材(飾り)/ペーパーワイヤー/つまようじ/はさみなど

「永遠」を意味するリース

リースは輪の形をしていて切れ目がないことから「永遠」を意味します。時の流れに逆らわないように、花材は右回り(時計回り)に配するのが一般的。玄関などに吊るすイメージがあると思いますが、置いて飾る「置きリース」も素敵です。今回は、リースの真ん中にフローラルフォームを入れてムスカリの球根を飾ります。ミモザの花がムスカリの成長を見守っているようなアレンジメントに仕上げていきましょう。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 鉢皿にリースの土台をくくりつける。まずは、鉢皿上部の縁、3ヵ所に穴をあける。プラスチック製の鉢皿なら、火で熱した千枚通しを使えば簡単に穴があく。ドリルを使ってもよい。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
2 鉢皿にリースの土台を乗せ、1であけた穴とリースのすき間をつなぐように、ワイヤーでくくりつける。鉢皿の中にはしっかり水を吸わせたフローラルフォーム(水の吸わせ方:第16回 食べて飲んで見て楽しいフラワーギフト「フローラルフォームの秘密」)を入れておく。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 ミモザが水を吸い上げられるよう、切り口をフローラルフォームの側面に挿す。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
4 ミモザの枝をリースの土台に沿わせ、ペーパーワイヤーで留める。ワイヤーは2~3回ねじって留め、目立たないように根元からカットする。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
5 同様に、ミモザをフローラルフォームに挿し、リース土台に沿うようにあしらっていく。硬いミモザの枝は、端と端を両手で優しくにぎって丸みをつけると扱いやすくなる。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
6 リース土台を1周したら、2周目に配するミモザは1周目のミモザとワイヤーで留める。「全体に偏りがないように、ミモザの花のボリュームと葉の流れを見ながらあしらってくださいね」(ヘンティネンさん)。

生花のふわふわ感を楽しむ

ミモザはドライになっても楽しめる植物ですが、水揚げが難しく、花のふわふわとした感触は数日でなくなってしまいます。ミモザでアレンジメントを作るときは、買ってきてすぐに行い、その感触をぜひ楽しんでくださいね。動物を触っているような、なんだか癒される感覚です。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
7 フローラルフォームを隠すようにハイゴケを入れ、U字にしたワイヤー(Uピン)で動かないように留める。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
8 ムスカリの球根の底の端のほうにつまようじを2本挿す。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
9 ハイゴケのすき間からムスカリを入れ、つまようじをフローラルフォームに挿す。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
10 マツボックリやメタセコイアの実など、森の中に落ちていそうなものを、ムスカリの間に仕込む。

ムスカリの成長を見守るミモザの輪

明るいイエローのミモザの花が、ムスカリの成長を見守っているようですね。今回使用したムスカリは、シベリアンタイガーという品種で、マットな白色の花が特徴。チューリップやヒヤシンスなど、ほかの球根植物を使ってもよいでしょう。ミモザもムスカリも、この時期にしか手に入らない旬の花。ぜひ、香りや感触を楽しみながら作ってくださいね。
第44回 ミモザの置きリース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ムスカリの花が咲き終わったら球根ごと庭やプランターに移していくと、翌春にまた花を咲かす。ミモザはドライになるのでそのまま飾っておいても。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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