コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第41回 
フィンランドの父の日に贈る花

11月のフィンランドの行事といえば父の日。贈り物にぴったりのフラワーアレンジメントの作り方を紹介します。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

フィンランドの父の日は11月

フィンランドでは、11月2週目の日曜日は父の日。父の日はフィンランド語で「Isanpaiva(イサンパイヴァ)」。母の日や誕生日と同じように、朝、寝ているお父さんのところに、ケーキとコーヒーを持っていき、「ありがとう」と伝える習慣があります。父の日に贈るフラワーアレンジメントは、スタイリッシュなものが特に人気。今回は、黄色のスプレーローズをたっぷり使ったアレンジメントを紹介しましょう。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ドライミツマタ/スプレーローズ(カタリナ)/ユーフォルビア/アルケミラモリス/アベリア/フィンランディアモス(プリザーブド)/おもちゃメロン/ブイロンワイヤ―/フローラルフォーム/花器

色をそろえる

スタイリッシュなアレンジメントに仕上げる一番のポイントは、色をそろえること。メインとなるスプレーローズの色に合わせて、ユーフォルビア、アルケミラモリスなど黄色い花を選びました。花器も黄色。花器も含めてデザインですから、ぜひアレンジメントに合わせたものを用意してください。今回は、黄色と白とグリーンの3色で仕上げます。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
黄色の花器にしっかり水を吸わせたフローラルフォームをセット。フローラルフォームの吸水方法は、以前の記事(第16回 食べて飲んで見て楽しいフラワーギフト「フローラルフォームの秘密」)を参照。シラカバの木に見立てたドライミツマタを花器の1.5倍くらいの高さにカットして、まっすぐ挿します。花器の周りをぐるっと一周囲みますが、手前側だけは開けておくと、ほかの花が挿しやすくなります。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ドライミツマタの間に花を挿していきます。アルケミラモリスから。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
メインとなる黄色のローズを挿した後、すき間に白い花を咲かせるユーフォルビアやアベリアを挿します。

ブイロンワイヤ―で華やかに

アレンジメントに華やかさをプラスしたいときに便利なのがブイロンワイヤ―です。1mmくらいの細いワイヤーがコイル状に巻かれたもので、伸ばしてアレンジメントにあしらうと、細いキラキラした糸でおおわれているような見た目になります。また、花が外側に倒れないように支えることもでき、鳥の羽や花びらなどがアレンジメントの周りをふわふわと舞っているような演出にも使えます。今回は、軽く引っ張った状態で、全体にいきわたるように巻き付けます。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ブイロンワイヤ―を軽く引っ張って、外側のドライミツマタに順に巻き付けていきます。何周か巻き付けたら、切らずにそのままアレンジメントの上の方に持っていきます。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花の上の部分に乗せたら、ドライミツマタに巻き、また好きな方向にブイロンワイヤ―を引っ張り、ドライミツマタに巻き付ける。これを繰り返して、アレンジメント全体にブイロンワイヤ―がいきわたるようにする。
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おもちゃメロンにブイロンワイヤ―を巻き付けて、アレンジメントのすき間に置く。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
「うねうねと波打っているブイロンワイヤ―は、キャンドルやスポットライトにあたるとキラキラ光ってとてもきれいです」とヘンティネン・クミさん。

好きな色を聞きだそう

最後に、フローラルフォームを隠すようにフィンランディアモスを入れたら完成です。今回は、黄色をメインに、白とグリーンで統一しましたが、まずは贈る相手に好きな色を聞いてみてください。バラ以外にもダリアやガーベラなど、花びらがたっぷりついている花を選ぶとゴージャスな雰囲気に。カッコよく仕上げたいなら、グリーンだけで作るのもよいですね。作っていて楽しい、贈って喜んでもらえるアレンジメントにぜひ挑戦してみてください。
第41回 フィンランドの父の日に贈る花/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
黄色、白、グリーンで統一されたスタイリッシュなアレンジメントの完成。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえる。5,700円で受講できる体験レッスンもある。(https://www.linoka.jp/
また、著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べる。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。ビギナー向け、プロ向けのコースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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