コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第50回 
ハロウィンにアロマスワッグを

まもなくハロウィン。しっとり、あでやかな色の花材を選んで、大人可愛いスワッグを作りませんか。アロマオイルを垂らして香りも楽しんで。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

大人のためのハロウィン飾り

10月31日に行われるハロウィンは、フィンランドでも日本と同じように若者たちに人気のお祭りとして定着しつつあります。仮装をしたり、かぼちゃで作ったお化けを飾ったり、「カルッキ・ヴァイ・ケッポネン(Karkki vai Kepponen:トリック・オア・トリート)!」とお菓子をもらいに近所を訪問したり。お祭り気分にあやかって、ハロウィン仕様のアロマスワッグを作ってみましょう。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:パンパス(ドライ)/ミツマタ(ドライ)/カスミソウ(ドライ)/イチジク(アーティフィシャルフラワー)/キングプロテア/パープルファンテングラス/セロシア/ソラフラワー/和紙/リボン/輪ゴム/アロマオイル/ハサミなど

多様な花材を組み合わせる

今は、フレッシュな花だけでなく、プリザーブド、アーティフィシャル(造花)、ドライなどさまざまな素材が手に入る時代です。今回は、イチジクの実をアクセントに用いますが、こちらはアーティフィシャル。黒く染められたミツマタやカスミソウはドライ。また、薄く切った木材を原料とした造花「ソラフラワー」にはアロマオイルを垂らして香りも楽しめるスワッグに仕上げます。これらの花材は、生花のように繊細ではないので扱いやすいこともあり、表現の幅を広げてくれます。ぜひ、さまざまな花材に挑戦してみてくださいね。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 パンパスを切り分ける。ふわふわとした花穂をかき分け、使いたい長さに枝をカット。花穂ごと切らないのがポイント。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
2 2つに切り分けたパンパスのうち、下側は花穂を整える(左)。上側は、持ち手になる部分についている花穂を外す(中央)。外した花穂は一つに束ね、ワイヤーとフローラルテープで留める(右)。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 ミツマタを手に持ち、2のパンパスをその上に置き、手で握って束ねる。このとき、テーブルに置くようにしながら束ねていくと、完成したスワッグを壁に掛けるときにおさまりがよくなる。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
4 残りの花材を上に重ねていく。同じ種類の花材はまとめて配置する(グルーピング)。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
5 キングプロテアはスワッグの中央に配置する。花材を束ねていくうちに指で押さえるのが難しくなったら、輪ゴムで仮留めする。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
6 すべての花材を配置したら、太い輪ゴムで留める。輪ゴムは、1本の茎に下から引っかけて、束全体に2周ほど巻きつけたら、先端をほかの茎に引っかけて固定する。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
7 茎をそろえてカットしたら、6で巻きつけた輪ゴムを隠すように、和紙やリボンを巻く。和紙はハサミで切るのではなく、手で破ってニュアンスを出す。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
8 ソラフラワーにアロマオイルを垂らす。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
「木材のソラフラワーにアロマオイルが染みこみ、そばを通るだけでいい香りのするアロマスワッグの完成です」とヘンティネン・クミさん。

飾る場所を変えてみる

今回用いたフレッシュな花材は、自然とドライになり、長く楽しめます。スワッグは、ドイツ語で「壁飾り」という意味ですが、玄関の棚などに置いても素敵です。飾る位置や角度を変えるだけで、新しい表情が見られます。ソラフラワーに垂らしたアロマオイルの香りが減ってきたら、違う香りのオイルを垂らすのもいいでしょう。ハロウィン仕様のアロマスワッグ、思い思いに楽しんでください。
第50回 ハロウィンにアロマスワッグを/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
中央に配置したキングプロテアは、南半球の乾燥地帯を原産地とするワイルドフラワー。個性的な見た目から昨今人気。乾燥に強く、ドライになって淡い色に変わるさまも楽しい。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。趣味のコースのほか、お花を仕事にしたい方への短期集中ディプロマ取得コースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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