第51回
年末を彩るヒヤシンス
12月6日はフィンランドが独立した大切な日。国旗色である、青と白のヒヤシンスを飾って国を挙げて盛大にお祝いします。植物の香りに癒されながら作る簡単なアレンジメントを作ってみませんか。
独立記念日の花
フィンランドでは、クリスマスの4週間前の日曜から「Pikku Joulu(ピックヨウル)」と呼ばれるリトルクリスマス(アドベント)が始まり、12月6日の独立記念日のお祝いやクリスマスプレゼントに沢山のヒヤシンスが店頭に並びます。花芽球根付きヒヤシンスは寒さに強く、水やりをしなくても一輪ずつ蕾が開き、甘い香りとともにクリスマスを彩ってくれます。フィンランドを代表する「marimekko(マリメッコ)」のマリボウルを使った、簡単なアレンジメントを紹介します。
花材・道具:花芽球根付きヒヤシンス/ヒカゲノカズラ/ヒムロスギ/ミズゴケ/クリスマスオーナメント/青と白のリボン/マリボウル
香りも楽しむ
日本では、花芽球根付きのヒヤシンスは12月上旬頃から店頭に並び始めます。ホームセンターや園芸店、ネット通販などで手に入れることができるでしょう。花が咲き始めているものは、すでに甘い芳香を放っています。今回はヒヤシンスの球根の周りに、ヒムロスギを添えますが、こちらも針葉樹特有のすっきりとした香りがします。アレンジメントを作りながら、「いい香り~!」と思わず、深呼吸したくなります。
1 ミズゴケは水などでふやかしておく。手のひらに乗せたミズゴケの上に、根をくるくると丸めたヒヤシンスを置き、カバーするようにやさしく覆う。
2 1をマリボウルの中に押し入れる。マリボウル内に入るのは、根っこ部分で、球根は頭を出しておく。ヒヤシンスがしっかり固定されるように、ミズゴケをしっかり詰める。今回は器が小石などで傷つかないようにミズゴケを使用したが、園芸用の器を使う場合は土を用いてもよい。
3 ミズゴケを隠すように、ヒカゲノカズラやヒムロスギをミズゴケの上に乗せ、Uピンで押し止める。器からはみ出て気になる部分はハサミなどでカットする。
4 クリスマスオーナメントやリボンなどを飾って完成。「今回は、フィンランドの独立記念日のお祝いということで国旗の配色のリボンを使いましたが、赤い飾りがあれば、一気にクリスマス感が出ますね」とヘンティネン・クミさん。
涼しくて日の当たるところに置く
ヒヤシンスはとっても丈夫で、水やりはほとんどしなくてよいでしょう。ときどき霧吹きをしてあげれば、球根に蓄えた養分を使ってどんどん育ってくれます。エアコンの風が当たらない、涼しくて日の当たるところに置いておけば、茎が間延びせず、発色のよい鮮やかな花が咲きます。ヒヤシンスの香りとともに、よい年末年始をお迎えください。
ヒヤシンスの周りに敷く植物は、スギやモミなどの針葉樹でも代用可能。ユーカリなどのグリーンを用いてもアクセントになってかわいい。デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。趣味のコースのほか、お花を仕事にしたい方への短期集中ディプロマ取得コースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。