第7回
アイメイクで優しい表情に
「なんとなく気が強く見られてしまうことが多いんです」とお悩みの山野直子さん(仮名)。レイナさんが、誰もが応用できる柔らかな印象を与えるアイメイクを紹介します。

内重心・外重心を考える
きつく見られることでお悩みのモデルの山野さん。その理由は、目と目の間の距離感にあるかもしれません。顔のタイプにはさまざまな種類がありますが、山野さんは、目と目の間が目幅よりも狭い「内重心」タイプ。求心顔とも言いますが、大人っぽく、知的な印象を与えるお顔です。一方で、目と目の間が目幅よりも広い「外重心」タイプの方は、遠心顔とも言い、かわいらしい印象を与える反面、子どもっぽいイメージになりがちです。どちらも、アイメイクのポイントをおさえることで、長所が際立つ魅力的な表情に生まれ変わることができます。
「自分の顔が大好き!」と言えたら毎日楽しいですよね。少しでも自分の顔を好きになってほしい。そのためにメイクがあると思います。
「自分の顔が大好き!」と言えたら毎日楽しいですよね。少しでも自分の顔を好きになってほしい。そのためにメイクがあると思います。


顔の横のバランスは大きく2つに分けられる。
左はパーツが中心よりで、頬が広い「内重心」タイプ。キリッとした印象を与える反面、厳しく、険しく見えることも。モデルの山野さんはこちらのタイプ。
右は目と目の間が離れている「外重心」タイプ。おおらかで親しみやすい反面、間が抜けて見えることも。
左はパーツが中心よりで、頬が広い「内重心」タイプ。キリッとした印象を与える反面、厳しく、険しく見えることも。モデルの山野さんはこちらのタイプ。
右は目と目の間が離れている「外重心」タイプ。おおらかで親しみやすい反面、間が抜けて見えることも。
やや丸みを帯びた眉に
眉の流行の形は、太く、ストレートですが、山野さんはふだんのファッションもフェミニンで、優しい印象になりたいということですので、やや丸みを持たせましょう。内重心さんは、眉頭は描き足さず、ノーズシャドウも入れないでください。ポイントを外側にすることが大切です。
山野さんコメント
「眉を描いただけで、おだやかな雰囲気になりました。すっぴんと見比べると全然違う!」
小鼻のくぼみの延長線のラインより内側に生えている眉毛はカットする。眉を描く前に、フェイスパウダーは必須。サラサラにしておくと、描きやすく、崩れにくくなる。

使用したアイブロウパレットは、ミックスアイブロウ 01(キャンメイク)。アイブロウペンシルは、超細芯アイブロウ 05 ナチュラルグレー(セザンヌ)。0.9mmと極細芯なので、細かく眉を描き足せる。
アイメイクは外側にポイントを
大人世代の目元の悩みはくぼんで見えること。淡いパールベージュのアイシャドウをアイホールに入れてふっくらさせましょう。このとき、下まぶたのまつ毛のきわにも入れると、赤みやクスミがカムフラージュされて健康的に見えます。内重心さんは、アイライン、濃い色のアイシャドウは目尻側に入れて、外側にポイントを。マスカラも、目尻側にたっぷりつけます。外重心さんは、逆に内側にポイントを入れてください。どうでしょう。山野さんの知的で大人っぽい印象はそのままに、おだやかさが加わったと思いませんか?
山野さんコメント
「目がぱっちりして、生き生きとしている気がします。気が強そうには見えないかも」
アイシャドウの色味は今、流行りのボルドー×ブラウン。マスカラも茶系にすることで、柔らかな印象に。

目尻にアイラインとベージュやボルドーなどの濃い色のアイシャドウを入れているのがわかる。

使用したアイブロウパレットは、ヌーヴェル アイズ<アイカラー>34(エレガンス)。アイライナーは、シルキーリキッドアイライナーWP アプリコットブラウン(ディーアップ)。マスカラは、パーフェクトエクステンションマスカラ for カール チェリーブラウン(ディーアップ)。
メイクを「作業」にしない
昔はメイクが好きだったという山野さん。お仕事や介護などにお忙しくされているうちに、メイクはしなければいけないものに変わってしまったと言います。メイクが作業になってしまうと、肌に強く当たるようになり、表情もきつく、冷たくなっていきます。メイクは作業ではなく、自分をいたわる時間。どうか、優しく触れてあげてください。自分が一番の自分の味方になってほしいです。

「久しぶりにきれいな自分に会えたような気がします」(山野さん)
「これが、本当の山野さん。メイクがパワーになってくれたらうれしいです」(レイナさん)
「これが、本当の山野さん。メイクがパワーになってくれたらうれしいです」(レイナさん)

レイナ(れいな)さん
メイクアップアーティスト。1978年生まれ。早稲田大学在学中にメイクアップスクールに通う。大学卒業後、大手化粧品会社勤務を経て、2006年より独立。その人本来の美しさを引き出すナチュラルメイクを得意とし、女優やタレント、文化人などから指名を受ける。美容誌・女性誌の美容企画の監修、連載のほか、CM・Webなどで活躍。20年以上のキャリアでのべ1万人以上の肌に触れた経験から、化粧品の開発にもかかわる。メイクアップサロン「Crystalline(クリスタリン)」主宰。完全予約制のプライベートメイクレッスン、グループレッスンを行うほか、プロ向けの教室、研究室も主宰する。著書に、『眉の本』(光文社)、『いくつになってもキレイになれる』(主婦の友社)、『コンプレックスを解く 本当にちょっとしたメークの法則』(小学館)がある。12月に扶桑社から新刊「60歳からの毎日がしあわせになるメイク」が発売。
山野さんコメント
「『優しい人』が私の理想です。メイクで見た目の印象が優しくなれたらうれしいです」