第12回
崩れにくいカバーメイク
「シミや目の下の疲れが悩みです」と田中彩音さん(仮名)。レイナさんが、気になるところを上手にカバーしつつ、崩れにくいベースメイクを紹介します。

下地でツヤ感と血色をプラス
お嬢さんが3人いらっしゃるパワフルママの田中さん(40代)。普段はさっと最低限のメイクで済ませることが多いそうですが、頬のシミやクマが隠せたらいいのに……と思っているとか。隠したいところほど目についてしまうものですが、肌全体の血色やツヤ感がアップすれば、意外と気にならなくなるものです。それを叶えてくれるのが優秀な下地です。薄付きなのに、顔全体のトーンを一段アップし、毛穴も埋めてくれます。

さまざまな色味の下地があるが、田中さんには肌をナチュラルに見せるベージュの下地をチョイス。ヘルシーな印象に仕上げたいならオレンジ系、フェミニンな雰囲気が好きならピンク系を選ぶとよい。いずれも、大人世代はパールが弱めのものを選ぶと毛穴が目立ちにくい。

使用した下地は、プライム タイム デイリー プロテクト(ベアミネラル)。刺激の強い成分や不必要な添加物が配合されていないため、肌が弱めの人にもおすすめ。メイク崩れの原因となる乾燥や皮脂を防ぐ作用がある。
7割隠れればOK
どうしても隠したいところがある場合は、コンシーラーを使いましょう。目の下のクマは、オレンジ系の柔らかめのコンシーラーで血色をプラスしてカバー。シミには、ベージュ系の固めのコンシーラーがおすすめです。ポイントは、7割くらい隠れていればOKと思うこと。全部隠そうとすると厚塗りになり、不自然になってしまいます。
田中さんコメント
「隠すのは7割とは、わかりやすい!そのほうが自然に見えるんですね」
コンシーラーは気になるポイントによってつけ方を変える。目の下の影は、コンシーラーを指でやさしく押すようにしてなじませる。シミは、コンシーラーをスポンジで「ポンポン」と軽くおさえるようにしてなじませる。スポンジは、流行りの3Dスポンジもおすすめ。丸くカットされているため、肌なじみがよく、自然にぼかすことができる。使用したスポンジは、3Dスポンジ(ロージーローザ)。

クマのケアに使用したコンシーラーは、アンダーアイブライトナー(ケサランパサラン)。オレンジとイエローの2色が入っているクマ専用。シミに使用したのは、ディオールスキン フォーエヴァー スキン コレクト コンシーラー(ディオール)。10色展開なので、自身の肌色に合ったものを選ぶとよい。
パウダーとミストでキープする
仕上げにフェイスパウダーを忘れずに。メイクの持ちをよくするだけでなく、テカリをおさえて肌をふんわり見せてくれます。コンシーラーを使ったときは、ブラシではなく、スポンジでつけること。コンシーラーがよれず、ぴったりと密着します。最後に、汗や皮脂、水をはじいてくれるメイクキープスプレーを顔全体に吹きかけておけば、ばっちりです。
田中さんコメント
「家事、仕事と忙しくしていると、メイク直しの時間はなかなか取れません。朝のメイクがキープできるのはうれしいですね。」
コロナ以後、「マスクで化粧が落ちない」と話題になったメイクキープスプレー。メイク後にひと吹きしておけば、うるおいとツヤがプラスされ、メイクもキープできる。

パウダーは、THREE アドバンスドエシリアルスムースオペレーター ルースパウダー01(THREE)を使用。メイクキープスプレーは、パール ミスト フォー メイクアップ フィックス(ミキモト コスメティックス)。
元気に過ごすためのメイク
田中さん、肌全体のツヤと血色がアップして、元気な印象に変わりましたね。おうちでも外出先でも、鏡やガラスに映った自分の顔がイキイキとしていれば、仕事も家事もがんばれるような気がしませんか。お出かけの予定がない日も、ベースメイクと眉だけを描いておけば、気持ちもはつらつとしてきます。出かけようかなと思ったときも、すぐに行動に移せるのでおすすめです。

「娘たちも年頃なので、メイクで元気になっている姿、見てもらいたいですね」(田中さん)
「そう!メイクが元気を作るってこと、大人世代から若い人たちにぜひ伝えていきたいですね」(レイナさん)
「そう!メイクが元気を作るってこと、大人世代から若い人たちにぜひ伝えていきたいですね」(レイナさん)

レイナ(れいな)さん
メイクアップアーティスト。1978年生まれ。早稲田大学在学中にメイクアップスクールに通う。大学卒業後、大手化粧品会社勤務を経て、2006年より独立。その人本来の美しさを引き出すナチュラルメイクを得意とし、女優やタレント、文化人などから指名を受ける。美容誌・女性誌の美容企画の監修、連載のほか、CM・Webなどで活躍。20年以上のキャリアでのべ1万人以上の肌に触れた経験から、化粧品の開発にもかかわる。メイクアップサロン「Crystalline(クリスタリン)」主宰。完全予約制のプライベートメイクレッスン、グループレッスンを行うほか、プロ向けの教室、研究室も主宰する。著書に、『眉の本』(光文社)、『いくつになってもキレイになれる』(主婦の友社)、『コンプレックスを解く 本当にちょっとしたメークの法則』(小学館)がある。
田中さんコメント
「気になるところを隠そうとすると厚塗りになってしまうのが気になっていました。下地選びが大切なんですね。」