コラム 暮らしを彩るワンポイント菓子研究家・福田里香さんの
台所はいつもセレンディピティ

第10回 
トマトの旨味つゆで食べる冷素麺

暑い日々が続いています。ゆで時間も短く、つるっと食べられる素麺は夏の昼ご飯の定番。素麺が大好きという福田さんが紹介する旬のトマトと組み合わせた食欲倍増レシピです。

免疫力アップにトマト

素麺とトマトのおいしい気候になりました。冷素麺には、とってもトマトが合うんです。今や一年中手に入る野菜ですが、やっぱり旬の夏にたっぷり食べたい。夏バテしてるときも、あの赤い色を見ただけで食欲が湧きます。トマトに豊富に含まれるリコピンの抗酸化力は、ビタミンEの100倍という報告もあるんです。同様に抗酸化作用が高いβカロチンやビタミンC・E、ナトリウムの排泄を促す作用のあるカリウムも含まれています。
第10回 トマトの旨味つゆで食べる冷素麺/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
ミニトマトで作った旨味つゆをたっぷりかけました。

素麺いろいろ

このつゆは、トマトに含まれる植物由来のグルタミン酸の旨味を利用して作ります。今回はスーパーでたくさん売っていたミニトマトで作りました。猛暑の夏には、できれば調理に火を使いたくない。コンロの前に立つのを最小限にしたレシピです。わたしは素麺好きなので、細いの、太いの、初めて見た、パッケージがいいなどと、いろんなメーカーの素麺を買ってしまいます。最近、細麺でいいな~と思ったのは、三つ編みになった三輪素麺。かわいくて手土産にもおすすめ。太麺なら、コシが強い北室白扇の半田素麺もおいしい。
第10回 トマトの旨味つゆで食べる冷素麺/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
(左)赤、オレンジ、黄。カラフルなミニトマトは目にもおいしい。(右)左の三つ編みは細麺の「本家小西 手延べ三輪素麺」。右は太麺の「北室白扇 手延そうめん」。

ミニトマトを漬け込む

トマトはだいたい400g 。へたを取り、ナイフで浅く切れ目を入れたら、沸騰水に1分弱浸け、冷水に取って皮をむきます。湯むきでちょっとだけ火を使ってください。半分に切り、保存容器に入れます。きび砂糖 小さじ2、醤油 大さじ1、ごま油 小さじ2、酢 小さじ1をふりかけ、軽く揺すり、ふたをして冷蔵庫で半日冷やします。トマトが浸るくらい汁気がでたら完成。冷蔵庫で3~4日保存できるので、作り置きすると重宝します。普通サイズのトマトなら、湯むきしたあと2cm角に切ってください。
第10回 トマトの旨味つゆで食べる冷素麺/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
(左)きび砂糖、醤油、ごま油、酢をふりかけた直後。(右)旨味つゆのできあがり。半日置き、たっぷり汁が出たところ。 

仕上げは薬味

素麺って半端に余りがちですよね。太麺と細麺であっても、裏表示のゆで時間に従って時間差でお湯に投入し、ミックスして食べています。ゆでた麺を冷水で冷やし、よく水気を切ったら、器に盛りつけ、トマトの旨味つゆをたっぷりかけます。すりごまをふったら、薬味のイタリアンパセリのみじん切りをいちめんに散して完成。薬味は青紫蘇や小ねぎ、バジル、みょうがなどお好みで。元気が出る味。あっという間にお皿がカラになること請け合いです。
第10回 トマトの旨味つゆで食べる冷素麺/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
(左)細麺と太麺が混在している食感がむしろおいしい。(右)作った旨味つゆを全量かけて、たっぷり3~4人分。 
福田 里香
福田 里香(ふくだ・りか)さん
福田里香さんが、旬の食材を使ったセレンディピティなレシピを紹介します。
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagram(@riccafukuda)にはおいしいもの好きが集う。
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