第17回
サムギョプサル風ラム肉の串焼き
ヘルシーなラム肉をたっぷりの葉野菜と一緒に食べるレシピです。スパイシーな香りが食欲をそそります。
ラム肉をマリネ
ラム肉が大好きです。スーパーでも普通に売られるようになったのは5~6年前からでしょうか。昔から比べるとずいぶん買いやすくなりました。ラムもも肉(脂身付き)は、100gあたり約198kcalと低カロリー。また30g弱のたんぱく質と、ほうれん草の3倍の鉄分も含まれているそうです。ラム肉をカレー粉とクミンシード、ヨーグルトでマリネして、串焼きにしてみてください。熱々のラムを串から外してたっぷりの葉野菜で巻く……手が止められないおいしさです。

たっぷり初夏の葉野菜を食べたいから、羊肉です。
中華料理と韓国料理をMIX
以前大阪の中華料理店で新疆(ウイグル)料理のラム肉の串焼きを食べたときの衝撃が忘れられません。表面はカリッと中身はジューシー。羊ってこんなにおいしかったんだ。ビールが進む。ひとりで7~8本食べてしまいました。それから、本格的な韓国料理店で初めて食べたサムギョプサルの筆舌に尽くし難いおいしさたるや!そうか、野菜を食べるためにお肉があるんだ、と気がつきました。その両方をいいとこ取りしたのが「サムギョプサル風ラム肉の串焼き」です。さあ、生野菜をたっぷり用意してください。

(2人分):ラムのもも肉 180g、カレー粉 大さじ2、プレーンヨーグルト 大さじ2、クミンシード 小さじ1(パウダーでも可)、塩 小さじ1/3、竹串 適宜

ラム肉は火の通りがいいように1.5cm角に小さく切るのがコツ。材料をすべて混ぜたら10分程置きます。
クミンシードは万能
ラム肉をマリネしている間に、野菜を洗って水切りし、冷蔵庫に入れてシャキッとさせましょう。ラム肉の串焼きの味のかなめは、お肉の風味を引き立ててくれるクミンシード。他のスパイスはカレー粉で代用してください。おいしく仕上がります。お好みですりおろしたニンニク1欠片分を加えてもいい。ラム肉は1.5cm角が目安。ちょっと小さいかなと思うくらいでちょうどいい。焼き網がない場合はグリル焼きにするか、テフロン加工のフライパンで焼いてください。

竹串にキュッと間を詰めてラム肉を刺します。だいたい5~6本分。

串をひっくり返しながら、こんがり焼き目が付くまで、中火で8分ほど焼きます。
葉野菜のための料理
料理名を「ラム肉の串焼き」としていますが、じつは肉料理ではなく、生野菜をたっぷり食べるための野菜料理なんだと思います。串焼きのほうが付け合わせみたいに見えるバランスで盛り付けてください。野菜はキャベツやほうれん草、パクチーなんかもおいしいですよ。まずお皿に幅広の野菜を取り分けたら、細かい野菜と串を外したラム肉を2~3個のせ、手でクルリと巻いて、そのままパクリ。葉野菜のパリパリした青い甘みと、クミン風味のラム肉は定期的に食べたくなる組み合わせです。

今日は冷蔵庫でちょっとずつ残ってた葉野菜で。サンチュ、レタス、赤からし菜、バジルスプラウト、リーフレタス。

葉野菜をお皿に取ったら、ラム肉ものせて巻く。「たくさんの葉野菜にお肉はちょっと」のバランスが◎。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
福田里香さんが野菜たっぷりヘルシーで満足感のあるレシピを紹介します。
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。