第18回
ブロッコリーのトルティージャ
旬のブロッコリーを使った卵料理を紹介します。フライパンひとつでできる栄養満点のレシピです。
スペインのおいしい卵料理
卵料理って世界中にありますよね。いつか(作るんじゃなくて、食べるほうで)全部制覇してみたい……というのが夢です。日本の卵焼きや卵とじうどんも大好物ですが、スペインのオムレツ「トルティージャ」を知ったとき、わ~なんて自由なんだ!と感激しました。炒めたじゃがいもと玉ねぎを溶いた卵に絡めて、フライパンでこんがり焼くのですが、じゃがいもと玉ねぎさえ入れば、他に何を足しても成立するんです。ブロッコリーを入れるのもオススメ。緑黄色野菜をたっぷり食べましょう。
トルティージャは、ふっくら大きく焼いて切り分けて食べる卵料理。
さあ、作りましょう
じゃがいもと玉ねぎは皮をむき、火が通りやすいようにそれぞれ薄切りにする。ブロッコリーは先端のつぼみ部分をみじん切りにして、小さめのボウル等に入れておくと、あとの作業がやりやすい。残ったブロッコリーの茎部分は捨てないで。下部の太い部分は薄く皮をむき、乱切りにして塩ゆでにすれば、もう1品おかずが作れる。お味噌汁の具にしてもおいしい。
材料(4人分/直径18cm程度のフライパン1個分):卵4個、じゃがいも200g、玉ねぎ小1個、ブロッコリー小1個、粉チーズ大さじ2、塩小さじ1/2、黒こしょう適宜、オリーブ油大さじ2+1
先端のつぼみ部分と小茎はみじん切りにする。
塩ゆでにしたブロッコリーの茎。マヨネーズで和えてサラダにしてもおいしい。
調理はフライパンひとつで
野菜を炒めていきます。フライパンにオリーブ油大さじ2を熱し、じゃがいもと玉ねぎを入れて弱めの中火で火が通るまで炒める。玉ねぎが透き通り、じゃがいもをヘラで突いたら簡単にくずれくらい、が目安。そこにブロッコリーを一気に加え、大きく混ぜながら1~2分ほど炒めたら火を止めて、軽く冷ます。冷ましている間に大きめのボウルに卵を割り入れ、粉チーズ、塩、黒こしょうを加え、溶きほぐす。この卵液にフライパンの中身を加え混ぜる。
じゃがいもが黄色なのは「インカのめざめ」という品種だから。どんな種類で作ってもおいしい。
ブロッコリーが油をまとい、鮮やかな緑色になったら火を止める。10分ほど冷ます。
溶きほぐした卵液。ここにフライパンで炒めた野菜類を加え混ぜる。
皿を使ってひっくり返そう
さきほどのフライパンをきれいに洗う。中火にかけて、オリーブ油大さじ1を熱し、野菜入りの卵液を流し入れる。卵液の縁がフツフツして固まってきたら、弱火にする。フタをして10~12分蒸し焼きにする。生地の中心が固まってきたら、火からおろし、フライパンに皿をぴったりかぶせ、一気にひっくり返す。底が上になるので、皿をフライパンに傾けて生地を戻す。フタをして5分ほど弱火にかけ、生地の中心が固まるまで焼く。皿に盛り付けたら、切り分ける。おかずにもお酒の肴にもぴったり。
卵液の縁がフツフツしてきたら、弱火にし、フタをして蒸し焼きにする。
フライパンを覆う大きさの皿をぴったりかぶせてひっくり返す。
皿にひっくり返した生地をすべらせ、フライパンに戻す。再度火にかけ底面も焼く。
フライ返しですくって皿に移す。ふっくら丸く、香ばしい焼き上がり。
ブロッコリーの緑が鮮やかな切り口。冷蔵保存で日持ちは2~3日。作り置きおかずに重宝。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
福田里香さんが旬の野菜と家にある材料でできるごちそうレシピを紹介します。
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。