第20回
とうもろこしのチヂミ
福田さんの8月のレシピは、旬のとうもろこしをカリッと焼いたチヂミ。ごま油の香りがたまらない1品です。
表面はカリッと焼き上げる
夏はとうもろこしの季節です。いまのうちにたくさん食べましょう。いろんな食べ方ができますが、チヂミにするのもおすすめ。材料が少ないので、お腹が空いたとき、さっと作れます。表面をカリッと焼き上げるのがコツです。韓国のお店ではチヂミは作り置きしていて、注文が入ったら再度焼いて出してくれますよね。二度焼きでカリッとさせるのが定番です。作り置きを食べる直前に再度、ごま油で焼き直せば、いつでもおいしいって最高です。

火を通して甘くなったとうもろこしに、唐辛子をふって。
材料はこれだけ
チヂミは熱々の焼き立てをすぐに食べたい。だからまず最初に、たれを作りましょう。たれの材料を全部混ぜ合わせたら出来上がりです。とうもろこしは皮をむいて、実を包丁でそぎ落とす。卵と醤油、水をよく混ぜてください。この卵液を薄力粉と片栗粉を入れた、ボウルにそそぎ、泡立て器などでさっくり混ぜる。ダマがなくなったら、とうもろこしを加え、ざっくり混ぜたらチヂミ生地の出来上がり。

たれの材料:醤油大さじ2、酢大さじ1、ごま適宜

チヂミ生地の材料(直径20cm1枚分):とうもろこし1本、薄力粉70g、片栗粉30g、卵1個、醤油大さじ1、水70ml、ごま油大さじ2と仕上げ用小さじ2
とうもろこしを切るコツ
とうもろこしの実を軸から外すときは、包丁でそぎ落とすと簡単。皮をむいたら、とうもろこしを半分に切る。切り口を下にして、まな板に立てると軸がぐらつかず安定してやりやすいです。包丁で上から下に向かってそぎ落としたら、軸を1/6ほど回転させてそぎ落とすを繰り返す。とうもろこしをチヂミ生地に加えてざっくり混ぜる。チヂミ生地は薄いほうがおいしいので、小型のフライパンで焼く場合は、生地は2回に分けて焼いてください。

切り口を下にして立てると安定する。回転させながら、軸を一周して実をそぎ落とす。

チヂミ生地にとうもろこしを加え混ぜる。
チヂミを焼こう
フライパンにごま油大さじ2を注ぎ、フライパンを回して馴染ませる。冷たい油の上にチヂミ生地を流し、均等に丸くのばす。こんろに火を付け、弱めの中火で熱する。フライパンを揺すって、生地がフライパンに張り付かずくるくる回るようになったらフライ返しでひっくり返す。生地を押さえ付けながら、両面こんがり焼く。最後にごま油小さじ2をフライパンの縁からぐるりとまわしかけ、生地の表面をカリカリに焼く。5cm角に切り分けたら器に盛り付ける。

縁が固まってきたところ。

フライ返しで押さえながら、2~3回ひっくり返して両面こんがり焼いたら、仕上げのごま油をまわしかける。

器に盛り付けたら、赤唐辛子やチリパウダー、七味唐辛子などをふってもおいしい。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。