コラム 暮らしを彩るワンポイント菓子研究家・福田里香さんの
台所はいつもセレンディピティ

第22回 
干しえびと生姜の炊き込みご飯

忙しい日の夕ご飯。材料を入れて炊くだけの炊き込みご飯はいかがでしょう。干しえびの出汁がいい仕事をしてくれます。

干しえびは最高の出汁です

干しえびと生姜、この組み合わせのいいところは1年中簡単に手に入ることです。何も思いつかない!という日にだってサクッと作れます。話は変わりますが同じ食材だとしても、生の場合と干した場合ではまったく別のおいしさになりますよね。魚介類なんかは特にそうで、生と干物では風味はもちろん、用途も違ってきます。人気食材のえびも干せばおいしい出汁になります。しかも干しえびが出汁なら、ご飯と一緒に炊くだけと調理が簡単。困ったときは干しえびの出汁と覚えてください。
第22回 干しえびと生姜の炊き込みご飯/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
具材は干しえびと生姜のふたつだけ。なのにすごくおいしい。

生姜は上品系の風味の素

干しえびには海産物特有の磯の匂いがあります。これをうまく消すことが、おいしく調理をするコツ。そんなとき頼るべきは生姜一択です。刻んで混ぜるだけで、生姜の香気が磯の匂いを包み込み、品のよい香味に転化してくれます。生姜ってすごい。生姜の皮をむいたら、細くきざんでください。すりおろしてもいいですが、刻んだほうが、ご飯と炊いたときにシャキシャキした歯ごたえが残っておいしいんです。
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基本材料(米2合分)

白米 2合
干しえび 10g
きざみしょうが 20g
醤油 小さじ1
塩 小さじ1/2
*写真は「干し小えび」を使用。干しえびにもいろんな種類がありますが、手に入るものでおいしく作れます。

水加減は普通で

白米を水で洗ったら、よく水気を切って炊飯器に入れて、水を注ぎます。水加減は普通で大丈夫です。そこに残りの材料を全部入れ、軽くかき混ぜて15分ほど置いてください。わたしはコンロのガスで炊く派なので、鍋に入れていますが、ご自分のいつものやりかたで大丈夫です。炊きあがったら10分ほど蒸らしてください。
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分量の水と材料を入れたら15分ほど置いて、お米に浸水させる。
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10分蒸らしたところ。蓋を取ると何とも言えないおいしそうな匂い。

トッピングはお好みで

ご飯を蒸らし終えたら、水で濡らした木べらでざっくり大きく混ぜます。干しえびの出汁がきいた香りのよい炊き込みご飯のできあがりです。もうこれは食が進むとしか言いようのない品のいい味で、どんなおかずにも寄り添ってくれます。揉み海苔とごまをふってもおいしい。わたしは翌日の冷めた干しえびと生姜の炊き込みご飯をお茶漬けにするのが楽しみです。
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木べらは水で濡らしておくとご飯がまとわりつきにくい。
第22回 干しえびと生姜の炊き込みご飯/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
揉み海苔とごまをふってもおいしい。
福田 里香
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。
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