第23回
きのこのレモンクリームパスタ
旬のきのこをたっぷり食べたいならこのパスタ。ソースは、たった5分でできます。
きのこの季節です
舞茸に椎茸、しめじ、えのき茸、マッシュルーム、エリンギ……空気が冷えて冬が来ると、きのこ料理が食べたくなります。それもたっぷり食べたいですよね。きのこは安いときに買い置きしておくと重宝します。房を小分けにし、ジッパー付き袋に入れて冷凍すれば、解凍せずにすぐに使えて便利です。さっと作るならパスタ料理が一番。クリームベースのきのこソースは、フライパンひとつで5分で完成します。バターで炒めたきのこに、生クリームとレモン果汁を加えるだけなのに、本格的なおいしさです。

具材はきのこだけ。レモンの酸味が隠し味です。
レモンと生クリームは好相性
クリーミーな乳製品に、レモンの酸味を合わせると、味がキュッと締まっておいしくなります。生クリームが分離するのでは?と心配されるかもしれませんが大丈夫。トロリとまとまります。それから、きのこは1種類でもおいしく作れます。1種類なら舞茸や椎茸、しめじあたりが手に入りやすいし、味がしっかりしているのでおすすめ。パスタの種類や太さはお好みで作ってください。意外と太めのスパゲッティにも合いますよ。

基本材料(1人分)
お好みのパスタ 90g塩 5g(小さじ1)
*ソース
きのこ 100g
レモン果汁 1/8個分(6~7g程度)
バター 12g
生クリーム 40g
塩 ふたつまみ
*写真のパスタは1.5mmのスパゲティ。写真のきのこは舞茸、マッシュルーム、しめじをミックス。生クリームは脂肪分35%程度のものでもおいしく作れる。

トッピングするとさらにおいしい。パルミジャーノ(粉チーズでもいい)をお好みの量。レッドチリペッパー(赤唐辛子の粉でもいい)は、入れ過ぎ注意でひとつまみ。
ゆでる間にソースを作る
きのこは房を分けたり、5mm幅に切り分ける。鍋に1L程度のお湯(分量外)を沸かし、塩を入れます。パスタを投入して袋のゆで時間どおりにゆでる。その間にソースを作ります。フライパンにバターの半量を入れ、塩をふって3分ほど炒めたら、一旦火を止めてください。生クリームと残りのバター、レモン果汁、パスタのゆで汁大さじ2を加え、再度火にかけます。ひと煮立ちさせて火を止めて、ゆであがりを待つ。フライパンにお湯を切ったパスタを加え、ソースと和えながら軽く火を通し、器に盛る。

きのこをバターと塩で炒める。軽く焼き色がつき、しんなりしたら一旦火を止める。

フライパンに生クリームと残りのバター、レモン果汁、パスタのゆで汁大さじ2を加える。再度火にかけてひと煮立ちさせたら、火を止める。

お湯を切ったパスタをフライパンに投入。軽く火を入れながらソースに絡ませる。
熱々のうちに召し上がれ
きのこのレモンクリームソースは、和えるとほとんど汁気がなくなりますが、それはパスタに吸着するからです。だから麺を噛み締めるとすごくおいしい。しっかり味が絡まっています。パスタを器に盛ったら、さあ、冷めないうちに食べましょう。でもその前に、仕上げのトッピングも忘れずに。途中でトッピングするのも味の変化を楽しめるからおすすめ。パルミジャーノなら醗酵食の旨味で味に深みが出ます。レッドチリペッパーの辛味は、食欲が増すしパンチを利かせたいときにうってつけ。

香りも味のうちです。国産レモンなら、皮(ピール)をすりおろして、トッピングするのもおすすめ。

チーズにレッドチリペッパー、レモンピールをトッピング。絶対まちがいのない組み合わせ。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。