コラム 暮らしを彩るワンポイント菓子研究家・福田里香さんの
台所はいつもセレンディピティ

第26回 
春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮

春野菜を味わうなら「春」&「新」コンビ! 煮るだけでおいしい作り置き惣菜。

「春」と「新」は相性がいい

春野菜の代表といえば、春キャベツと新玉ねぎ。どちらも一年中お店で見かける野菜ですが、この時期は巻きがゆるくふんわりしていて、繊維が柔らかいのが特徴。ご存知のとおり、炒め物の定番になるくらいキャベツと玉ねぎは好相性ですが、蒸し煮にすれば常備菜として活躍してくれます。葉野菜と根菜を一緒に食べられるのも栄養的にうれしいですね。オリーブ油と一緒に20~30分弱火にかければ出来上がり。出汁はアンチョビをちぎって加えるだけ、風味付けはクミンとニンニクです。
第26回 春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
蒸し煮にすれば、玉ねぎは甘味が増し、キャベツは根元の芯までトロトロに。

隠し味はアンチョビとニンニク

煮崩れしないように、キャベツと玉ねぎは大ぶりに切り分けるのがコツです。キャベツは断面を上にして葉の隙間に水を通すように洗い、8等分に切り分けます。玉ねぎは皮をむき、4等分のくし切りにします。薄皮をむいたニンニクは薄切りに。アンチョビは手で細かくちぎります。缶詰の油にはアンチョビのフレーバーが溶け込んでいるので、オリーブ油にプラスして混ぜます。
第26回 春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】

材料(直径20cmの鍋で作る分量)

春キャベツ 1/2個
新玉ねぎ 1個
オリーブ油 50ml+アンチョビ缶の油 20ml
ニンニク 1かけ
アンチョビ 4切れ
クミンシード 小さじ1弱
塩 少々
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キャベツは8等分、玉ねぎは4等分のくし切り、薄皮をむいたニンニクは薄切りに。

オイル蒸し煮は手間いらず

作り置き分も考えて多めの分量です。直径20~25cm程度の鍋が作りやすい。鍋にオリーブ油大さじ1を熱し、ニンニクのスライスとクミン1/3量を加えて弱火にします。その上にキャベツと玉ねぎの1/2量を交互に敷き詰めたら適当にクミンとアンチョビをちらします。全量敷き詰めたら、残りのクミンとアンチョビをちらし、鍋にフタをして20~30分弱火で蒸し煮に。全体がくたっと柔らかくなったら、味を見て塩で調えます。
第26回 春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
鍋の中に細かくちぎったアンチョビとクミンをちらす。鍋の縁ギリギリまで野菜が入る。
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しんなり柔らかくなり、野菜のかさが1/2になったらできあがり。この状態で味を見て塩で調える。

冷めてもおいしい作り置き

出来立ての熱々を召し上がってもいいですが、ちょっと冷めたほうが味が馴染んでおいしいです。作り置きにする場合は室温に冷まし、保存容器に密封して3~4日で食べ切ります。
第26回 春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
クタクタに煮た野菜の旨味は格別。
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器にたっぷり盛り付けて。作り置きを「味変」したいときは粒マスタードがおすすめ。
第26回 春キャベツと新玉ねぎのオイル蒸し煮/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
粒マスタードを和えて食べる。
福田 里香
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。
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