第29回
丸むきトマトサラダと玉ねぎドレッシング
トマト&玉ねぎで作る、元気が出るサラダです。
トマトと玉ねぎは万能選手
トマトと玉ねぎは、食材界の万能選手です。生でもよし、煮ても焼いてもすごくおいしい。しかも料理の主役を張れる実力があるのに、臨機応変にスッと脇に控えて「隠し味」にもなってくれます。今回はトマトと玉ねぎ両方の生の旨みを存分に味わうサラダです。トマトは低カロリーでリコピンやβ-カロテンを豊富に含み、美肌効果や夏風邪予防に役立つビタミンCなどもバランス良く含んでいます。玉ねぎの辛み成分・硫化アリルには、血液をサラサラにし、慢性疲労・肉体疲労を回復させる効果が期待できます。
真っ赤なトマトに真っ白い玉ねぎドレッシング。鮮やかな緑の刻みパセリで香味付け。
玉ねぎドレッシングを作る
辛みを感じるシンプルな玉ねぎドレッシングは、トマトの甘みによく合います。冷蔵庫で保存すれば、2週間くらい日持ちしますし、葉野菜や人参のサラダにかけてもおいしいので、ぜひ常備してください。作り方は簡単。材料全部をミキサーにかけるだけ。ミキサーがない場合はすりおろした玉ねぎとニンニクを他の材料と合わせて瓶に入れ、きっちりフタをしてよく振ってください。
材料(約130ml分)
玉ねぎ 1/4個ニンニク 1/2片
植物油(米油、なたね油、紅花油などお好みで) 75ml
ビネガー 大さじ2
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/2
黒こしょう 少々
玉ねぎとニンニクは粗く刻む。
材料をすべてミキサーに入れ、40秒ほど撹拌する。とろりとなめらかになったらできあがり。
清潔な空き瓶などに詰めて冷蔵庫で保存。あれば、はちみつの容器に入れるとサラダにかけやすい。
トマトを湯むきする
真っ赤に熟れて丸々とした夏のトマトを味わいたいから、丸ごと湯むきにします。皮に切れ目を入れたら、沸騰水に30秒ほど浸けます。皮がめくれてきたら、すぐ冷水に取って皮をむいてください。湯むきした状態で密封容器に詰めて冷蔵庫で保存すれば数日間はおいしく食べられます。今回はトマト5個を一度に湯むきしました。
よく熟したトマトを選ぶのがコツ。
トマトの皮をナイフでぐるりと一周して浅い切れ目を入れる。
水が沸騰したら弱火にして、トマトを入れる。皮の切れ目が広がったら、おたまですくう。
鍋から取り出したトマトを冷水に取り、皮をむく。これを繰り返す。
すぐに食べない場合は、密封容器に入れて冷蔵庫で保存。
これはトマトの冷製ステーキ
トマトを器に盛り付けたら、玉ねぎドレッシングを大さじ1ずつかけます。そのままでもおいしいですが、パセリのみじん切りをたっぷり散らすのもおすすめ。冷た~いトマトは、それだけでご馳走。隠し味のニンニクが食欲をそそりますから、前菜にもぴったり。肉厚のトマトを切り分けて、お口に放り込めば、旨みを含んだ果汁がジュワッと溢れます。
ナイフとフォークで切り分けていただく。食べ進むと最後にヘタだけが残る。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。