第30回
かぼちゃとココナッツのザブジ
最高においしい!スパイスカレーの付け合わせ。

かぼちゃの甘みとココナッツの風味がカレーの味わいを引き立てます。
スパイスカレーの副菜を作ろう
ここ数年、スパイスカレーが大人気。スパイスカレーとはルーを使うのではなく、各種スパイスを混ぜて作る本格的なインドカレーのことです。家で自作する派も増えています。副菜がおいしければ、主菜のおいしさが増すのは、どんな国の料理でも同じですから、スパイスカレーをよりおいしく食べる秘訣は副菜にあり。カレー作りのために買ったスパイスを活用して、ザブジを作りましょう。ザブジはインド料理のひとつで、日本に当てはめると「野菜の煮物」でしょうか。作り方は簡単。野菜とスパイスを炒め煮にするだけです。
かぼちゃとココナッツで作る
ザブジはベジタリアンの多い地域で作られることが多いというのもさもありなん。作ってみるとわかるのですが、おいしくってびっくりするほど野菜がたっぷり食べられます。かぼちゃのザブジは、和食や肉料理の付け合わせにも実はよく合います。お弁当のおかずにもおすすめ。作り方も切り分けたかぼちゃを固めに茹でて、スパイスとココナッツで炒め煮にするだけ。カレーを煮ている隣のコンロで作れます。

材料
*煮る材料かぼちゃ 1/4個(正味320~350g程度)
塩 4g
ターメリック 小さじ1
*炒める材料
植物油(なたね油、サラダ油等) 大さじ2マスタードシード 小さじ2
赤唐辛子 1/3本
きび砂糖 20g
ココナッツフレイク 15g

かぼちゃは種を取り除き、外皮をまだらにむく。2cm角程度に切り分ける。

鍋にかぼちゃを入れ、ひたひたに水を注ぐ。塩とターメリックを加えて火にかける。沸騰したらアクが出るので、取り除いて、弱めの中火で7分ほど煮る。

竹串がスッと刺されば火を止める。このあと炒めるので、煮くずれるほど火を入れないようにしてください。
炒めて仕上げる
フライパンに油を敷き、マスタードシードと赤唐辛子を入れて火にかけます。インド料理はスパイスに火を入れて、風味を立たせることが大事。火が入ると香りが花のように開き、味が格段に違ってきます。マスタードシードがない場合はクミンシードを小さじ1程度加えてもおいしいです。

油を敷いたフライパンに、マスタードシードと赤唐辛子を入れ、弱めの中火にかける。マスタードシードがプチプチ弾けてきたら、汁気を軽く切ったゆでかぼちゃと煮汁大さじ3を加える。

中火にして煮汁が沸騰してきたら、砂糖を加えて混ぜる。

砂糖が完全に溶けたら、ココナッツフレイクを加えてそっと混ぜながら7分程度炒める。

汁気がなくなり、全体にまとまったら、器に盛りつける。
ザブジは冷めてもおいしい!
ザブジは和食や肉料理にも合いますが、まずはカレーの副菜として召し上がってみてください。辛いカレーの合間に甘いザブジで箸休め……これは永遠に食べ続けられる相性の良さです。ザブジを銘々皿に取り分けたら、横にプレーンヨーグルトを盛り付けるのもおすすめ。冷蔵保存で数日間はおいしく食べられます。


プレーンヨーグルトは、ザブジと混ぜてもいいし、ライスやカレーにかけて召し上がってみてください。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。