コラム 暮らしを彩るワンポイント菓子研究家・福田里香さんの
台所はいつもセレンディピティ

第32回 
焼き茄子のババガヌーシュ

ババガヌーシュは、秋においしい焼き茄子の万能ペースト!
第32回 焼き茄子のババガヌーシュ/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】

秋茄子はペーストに

秋は茄子のおいしい季節です。炒めたり、焼いたり、炊いたり、揚げたり、漬けたりしても全部好き!と万能選手な茄子ですが、地中海沿岸地方では、ごまと合わせてペーストにするのが一般的です。「ババガヌーシュ」と呼ばれて親しまれています。昔それを知ったときは、茄子をペースト?!とすごく驚きました。だけど作ってみたら、それがなんともおいしいんです。とろりとなめらかで焼いた茄子の旨味が存分に味わえます。どんな料理に添えても、おいしさを引き立ててくれる副菜です。

焼き茄子を材料と混ぜるだけ

手順は茄子を焼いて、他の材料と混ぜるだけです。むきやすいように茄子に切れ目を入れたら、グリルで皮が真っ黒になるまで焼きます。5~6分置いて、触れるくらいに冷めたら、ヘタを切り落とし、切れ目を手がかりに茄子の皮をむきます。4cm幅程度に切り分けた茄子とAの材料をフードプロセッサーにかけてください。ペースト状になったら、完成です。
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材料(作りやすい分量)

茄子 300~350g程度(約3本)
追いがけ用のオリーブ油 小さじ2
*A
白ごまペースト 30g
オリーブ油 大さじ1
レモン果汁 大さじ1
ニンニク 1/2片
クミン 小さじ1/2
塩 小さじ1/3
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*トッピング食材例
パセリ 適宜
レッドペッパー ふたつまみ
炒りごま 小さじ1/2 
◎オリーブ油をかけただけでもおいしいけど、お好みの薬味やスパイスをトッピングするのもおすすめ。
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1 ナイフでヘタからおしりに向かって、縦に浅く切れ目を入れる。
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2 皮が真っ黒になるまでよく焼く。
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3 グリルから出したら、5分ほど置き、ヘタと皮を取り除く。4cm幅程度に切り分けてフードプロセッサーに入れる。

すりこぎで摺ってもいい

フードプロセッサーの代わりに、材料をすり鉢に入れて、すりこぎで摺っても大丈夫。あるいは、包丁でよく刻んで細かくした茄子とAの材料をよく混ぜてもいいです。手持ちの道具で作ってください。茄子のなめらかさはお好みでいいんです。粒々が残っているのもまたおいしいんです。
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4 茄子を入れたら、残りの材料も入れる。蓋をして、なめらかになるまで2分程度、撹拌する。
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5 なめらかになれば、出来上がり。器に盛り付けて、お好みのトッピングをふりかける。

主菜の付け合わせにピッタリ

出来上がったババガヌーシュを器に盛り付け、お好みのトッピングをふりかけたら完成です。パンに添えて供するのが一般的ですが、マッシュポテトの代わりに肉料理に添えてもおいしいし、焼き魚にもよく合います。ババガヌーシュは主役を選ばない、食卓の名脇役です。
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6 5をテーブルスプーンですくい、器に移す。スプーンの背で、渦巻きを描くようして、ペーストの表面に凸凹をつける。オリーブ油を回しかける。お好みで刻みパセリやレッドチリペッパー、炒りごまなどをふる。
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取り皿にグリルパンで焼いたラム肉の付け合わせに、ババガヌーシュを盛ったところ。
福田 里香
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。
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