第38回
トマトとセロリのナムル
真っ赤がおいしい、韓国式トマトのおかず。
韓国料理の定番副菜のナムルも、トマトで作れば新鮮なおいしさに。食欲がないときもスルスル入る。
夏にトマトが食べたい
毎年恒例のトマトレシピ回です。夏のトマトは格別のおいしさですから、やっぱりご紹介したい。たくさん買ってしまった時は、ぜひナムルにしてください。ビビンバの具材として欠かせないナムルは、ごま油を使った和え物で、韓国の常備菜。冷蔵庫で冷したトマトのナムルは、程よく酸味があって、つるりと喉越しがよく、食べ出したら止まらないおいしさです。薄切りにしたセロリを混ぜるのがコツ。清涼感とサクサクした歯触りがさらにトマトの甘みを引き立てます。
最初はトマトの湯むき
食材はトマトとセロリ、ニンニクだけです。ナムルにするなら、トマトの皮がないほうが味がよくなじみ、舌触りもよくなります。まずは、トマトを湯むきにして、食べやすい大きさに切り分けましょう。セロリはあまりハーブとは呼ばれない野菜ですが、薬味としても有能です。薄くスライスするとスッと脇役にまわってくれて、セロリのほのかな香気がトマトを引き立ててくれます。ニンニクをすりおろしたら、あとはごま油と醤油、塩で和えるだけ。
材料(作りやすい分量)
トマト 中2個(280g)セロリ 10cm
すりおろしニンニク 小さじ1/2
ごま油 小さじ1/2
薄口醤油 小さじ1/2
塩 少々
お好みで炒りごま 少々
ごま好きなひとは、仕上げに炒りごまを追いがけするのがおすすめ。
1 トマトに浅く十字に切れ目を入れる。
2 トマトは30秒ほど熱湯に浸ける。皮の端がめくれてきたら湯から出す。
3 トマトの皮をむく。端を引っ張るだけでつるりとむける。
4 トマトのヘタを取り除き、8等分にくし形に切る。
セロリはハーブで調味料
セロリっていろんな使い方ができる野菜です。葉野菜でも根菜でもなく、あえて名付ければ「茎野菜」でしょうか。セロリはハーブのようでもあり、調味料のようにも使えます。生のセロリを薄切りにすれば、歯触りのよさは残ったまま青くささは消え、後味に爽やかな香気を残してくれます。
5 なるべく薄切りにする。スライサーで切れば簡単。
6 ボウルにトマトとセロリ、すりおろしたニンニクを入れ、ごま油、醤油、塩で和える。冷蔵庫で20~30分冷やして味を馴染ませる。
冷蔵庫で一晩寝かせても
ナムルはいいところだらけです。食材の種類が少なくてもおいしく出来るし、基本調味料だけなのに、すごく豊かな味わいになります。ごま油はお好みですが、ナムルの場合はごまの味がしっかりして香りが強い濃口がおすすめです。すぐに食べてもいいですが、冷蔵庫で一晩寝かせるとさらに味がしみておいしい。焼き肉のお供にもバッチリですし、冷麺にのせるのもおすすめです。
7 味がなじんだら器に盛り付け、お好みで炒りごまをふる。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。