第56回
中華風エビとグリーンピースの茶碗蒸し
鶏ガラスープの素を使えば、茶碗蒸しがおいしい中華に変身!

蒸し上げたら、ごま油と胡椒を振って、熱々をいただきます。
茶碗蒸しを中華の味付けで
最近人気の蒸し料理。なかでも茶碗蒸しはみんなが喜ぶ一品です。中華の「鶏ガラスープの素」は、無添加や化学調味料不使用、有機JAS認定などと、クオリティが高くなっています。茶碗蒸しは和食のイメージが強いですが、ふと鶏ガラスープの素で作ってみたら、いきなり中華な味わいに変身して、これがとってもおいしかった。仕上げにごま油と胡椒を振るのがコツです。「コンソメの素」や「ブイヨン」も同様に品質が向上しています。コンソメやブイヨンで作ると洋風になって、これもまたおいしい。出汁の素材を変えると茶碗蒸しと合わせる料理の幅がぐんと広がります。
“素”中華茶碗蒸しもおすすめ
この料理はプリン状の卵スープです。ですから具材を入れない「鶏ガラスープの“素”中華茶碗蒸し」もおいしい。“素”茶碗蒸しの材料は鶏ガラスープの素と卵、薄口醤油、水の4つだけ。仕上げにごま油と黒胡椒を振っていただきます。下記の分量で作るなら4~5人分に分けて、小ぶりに作るとちょうどいい量。具材を入れるなら3~4人分が適量です。今回は3人分にしてエビとグリーンピースを入れてみました。鶏肉や魚の切り身、帆立などお好きな具材を底に仕込んでおくのもおすすめです。

<“素”中華茶碗蒸し>
材料(3~4人分)
卵 2個水 360ml
鶏ガラスープの素 小さじ2+1/2
薄口醤油 小さじ1
*仕上げ用の調味料
ごま油 適宜
黒胡椒 適宜
*作り方は下記の3~10を参照

<エビとグリーンピースの中華風茶碗蒸し>
材料(3~4人分)
卵 2個水 360ml
鶏ガラスープの素 小さじ2+1/2
薄口醤油 小さじ1
*具材
エビ 2匹
酒 小さじ2
グリーンピース 15g
*仕上げ用の調味料
ごま油 適宜
黒胡椒 適宜
【下ごしらえ】
* 冷凍エビや冷凍グリーンピースを使用する場合は解凍しておく。
* 水を入れた鍋を火にかけ、蒸篭をのせて、沸騰させる。

1 エビは殻をむき、背に切り込みを入れて背ワタを取り除く。幅1.5cmに切り分け、酒に浸けて軽く混ぜる。

2 用意した耐熱容器にエビとグリーンピースを均等に入れる。

3 分量の水に鶏ガラスープの素を入れて混ぜる。

4 別の容器に卵を割り入れ、溶きほぐす。

5 4に3を注いでよく混ぜる。

6 5を茶漉しで漉して、卵液をなめらかにする。

7 6を2に均等に注ぐ。表面に泡が浮いていたらスプーンで取り除く。
蒸篭の火加減は、強火のち中火
よく湯気の上がった蒸篭に器を入れたら、最初は強火にして一気に熱を入れるのがコツです。強火で3分ほど蒸したら、中火にして10~15分を目安にさらに蒸します。中心に竹串を差して、汁気が出なければ出来上がり。

8 水滴防止のために、7にアルミホイルを被せる。

9 蒸気が上がった蒸篭に8を入れる。

10 蓋と本体の間に菜箸を挟んで、強火にして3分蒸す。さらに中火にして10分蒸す。
*菜箸を挟むのは、蒸篭内の温度が上がりすぎないように蒸気を逃す工夫。
*菜箸を挟むのは、蒸篭内の温度が上がりすぎないように蒸気を逃す工夫。

11 中心に竹串を刺して水分が出なかったら出来上がり。
仕上げは、ごま油と黒胡椒
再度書きますが、これはプリン状の卵スープです。材料はシンプルにして、熱々を食するのがおいしい。蒸篭から出したての茶碗蒸しにごま油と黒胡椒をかけたら出来上がり。「コンソメの素」や「ブイヨン」で作る場合は、オリーブ油をかけてもおいしいんです。

12 仕上げにごま油と黒胡椒を振る。

13 卵と液体は1:3が黄金比。レンゲですくうと、このとおりぷるんと絶妙な柔らかさ。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ50』が発売。