第58回
新生姜の甘酢漬け&ジンジャートマトサラダ
調味料として他の料理に応用が効くのも◎。作ってみると簡単です。ピリッと香り高くて元気が出る味。

夏野菜のサラダドレッシングに応用。きゅうりや茗荷、茄子などを和えてもおいしい!
新生姜の甘酢漬け=ガリです
「ガリ」と聞くとお寿司の付け合わせしかパッと想像がつかないけれど「新生姜の甘酢漬け」と言えば、想像力が高まりますね?サラダにかけるドレッシングの材料として使う、定番のお漬物に刻んで混ぜて味変する、ご飯に混ぜ込んで生姜風味の酢飯にする、煮魚に加える、はちみつと合わせてお湯を注げばビネガードリンクに、と用途が広がります。ガリにはいろんな配合があり、塩を入れなくても作れます。料理に使用して塩気が足りないと感じたら、塩を足すほうが使いやすい。日持ちは冷蔵保存で3ヶ月。
材料は3つだけ
新生姜はきっちりしたグラム数で買えませんよね。比率は新生姜4:米酢3:砂糖1と覚えておけば計算しやすい。最初に米酢と砂糖を火にかけて溶かし、冷ましてください。新生姜の薄皮の傷はスプーンで擦って剥がし、適当な大きさに切り分けます。スライサーで繊維方向にスライスしたら、沸騰寸前のお湯で1分茹でて、ざるにあけて湯切り。野菜の水切り器で水気を除き、バットなどに広げて熱を取ります。清潔な保存容器に詰めたら、甘酢を注いで密封し、冷蔵保存。翌日から食べられます。

材料(作りやすい分量)
新生姜 200g*甘酢
米酢 150ml
砂糖 50g(お好みの砂糖でOK)

1 小鍋に米酢と砂糖を入れ、ヘラで混ぜてよく溶かす。砂糖粒が残るのでヘラで混ぜながら、沸騰させないように火にかける。砂糖が溶けたら火から下ろす。そのまま常温に冷ます。

2 新生姜は水洗いして、変色部分や汚れはスプーンでこそげ取る。

3 先端の赤い部分を加えると甘酢漬けがピンク色になるので捨てずに使う。

4 3をスライスしやすい大きさに切り分ける。繊維に沿って薄くスライスする。包丁で薄切りにしてもいい。
*繊維を切断する方向にスライスすると口当たりが悪くなるので注意。
*繊維を切断する方向にスライスすると口当たりが悪くなるので注意。

5 スライスし終えたところ。
さっと煮るのがコツ
鍋にたっぷりの湯を沸かしたら、スライスした新生姜を投入し、1分弱サッと火を通します。グツグツ沸騰させる必要はないです。

6 小さな泡がプツプツ出るくらいの熱湯に5を投入し、1分弱茹でる。ざるにあけて水気を切る。

7 6を野菜の水切り器(サラダスピナー)にかけてよく水分を取る。または、ペーパータオルを敷いた上に並べて水気を取る。

8 7をバットなどに並べて冷ます。

9 清潔な保存容器に8を入れる。
*全量入る容器がなく、2つに分けました。せっかくなので左の瓶は赤い先端ナシ、右は赤い先端アリにしてみました。
*全量入る容器がなく、2つに分けました。せっかくなので左の瓶は赤い先端ナシ、右は赤い先端アリにしてみました。

10 9に甘酢を等分に注いでフタをする
左:先端の赤い部分ナシ/右:先端の赤い部分アリ。
左:先端の赤い部分ナシ/右:先端の赤い部分アリ。

11 5日後の色変化はこんな感じ。どちらも美しいですが、右の「先端の赤い部分アリ」のほうが、ピンク色が濃い。
ドレッシングに応用
新生姜の甘酢漬けに、塩とオリーブオイルを適宜足して和えるだけ。酸味と辛味が利いた「ジンジャートマトサラダ」の出来上がり。
<ジンジャートマトサラダ>

1 トマトを湯むきして8等分に切る。ボウルのトマトを入れ、新生姜の甘酢漬けと塩、オリーブオイルを加えて、軽く和える。

2 「ジンジャートマトサラダ」。器に盛り付けて、黒胡椒と白ごまを散らす。

福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ50』が発売。