第61回
きのこの万能ペースト
きのこ好きも大絶賛。炒めてペースト状にするだけで完成。年末年始の集まりに重宝する多めの分量でご紹介。
きのこの旨みを堪能するペースト。パンはもちろん、ご飯のお供にも抜群のおいしさ。パスタに絡めるのも◎。
きのこで作る万能ペースト
ワインのアテに最高です。まるでお肉や魚のペーストに見まごう味と仕上がりですが、じつはこれ、きのこ。栽培法の発達で一年中手に入るようになりましたが、秋冬に味わうきのこ料理は格別です。使ったきのこはブラウンマッシュルームと舞茸、しめじですが、それぞれの分量が変わっても、総量で320～340gくらいになれば大丈夫。きのこをしっかり炒めて水分を飛ばすのがコツ。1～2名分なら、1/2の分量で作るのもありです。日持ちは冷蔵保存で4～5日が目安。
炒めてペースト状にするだけ
フライパンとフードプロセッサーを用意。フライパンにバターとオリーブ油を入れ、ニンニクと玉ねぎ、塩少々、きのこを炒めます。蓋をしてきのこの水分を引き出し、時々蓋を開けて混ぜながら水分を飛ばしたら、お酒とタイムを加え、水分がなくなるまで炒めます。レモン果汁と塩、黒胡椒を加え、室温に冷ましてください。これをクリームチーズと一緒にフードプロセッサーにかけ、なめらかになったら、容器に詰めます。一晩冷蔵庫に置くと味がよく馴染み、食べ頃です。
材料（作りやすい分量）
オリーブ油 大さじ1＋適量バター 15g
塩 小さじ1/4＋小さじ1/3
玉ねぎ 1個
ブラウンマッシュルーム 150g
舞茸 100g
しめじ 80g
ニンニク 大1個
日本酒（または白ワインor赤ワイン） 80ml
黒胡椒 小さじ1/3
タイム（ドライ） 小さじ1/2
レモン果汁 小さじ2
クリームチーズ 80g
１ 炒める前の下準備。玉ねぎとニンニクは皮を剥き、薄切りにする。しめじと舞茸は石づきを取り除き、適当な大きさに割く。ブラウンマッシュルームは石付きを取り除き、薄切りにする。
きのこはかさばるよ
水分が蒸発すると1/3くらいになるんですが、きのこの炒め始めは結構かさばります。お手持ちのフライパンが小さい場合は、蓋ができる鍋を使ってください。深鍋の場合は水分が飛びにくいので長めに炒めてください。
２ フライパンにバターとオリーブ油大さじ1を熱し、ニンニクを入れて炒める。ニンニクがうっすら色付いたら、玉ねぎと塩小さじ1/4を加え、かき混ぜながら玉ねぎが透明になるまで炒める。
３ ２にきのこの全量を入れる。蓋をして3分ほど熱し、水分を出す。時々混ぜながら8～9分炒めて水分を飛ばす。
４ 水分を飛ばし終えたところ。きのこのかさが1/2程になるのが目安。
５ ４に日本酒とドライタイムを加える。汁気がなくなるまで煮詰める。
６ 仕上げにレモン汁、塩小さじ1/3、黒胡椒を加える。
７ ６とクリームチーズをフードプロセッサーにかける。
８ 時々止めながら、フードプロセッサーを1分ほど回す。全体がなめらかになったら出来上がり。
９ 容器に移し、密封して冷蔵保存する。
食べ方はいろいろ
作り立てをいただいてもおいしいですが、一晩冷蔵庫に置くと味がよく馴染みます。バゲットに塗るのは鉄板の相性ですが、じつは炊き立てのご飯と合わせてもすごく合う。某超人気おにぎり店で明太クリームチーズ味が1番人気なことからも、白米とクリームチーズの相性は抜群です。ぜひおにぎりの具や簡単手巻き寿司をお試しください。
１０ ９の表面にオリーブ油適量をかけ、お好みで黒胡椒（分量外）を振りかける。バターナイフなどですくってバゲットに塗る。
１１ 焼き海苔にご飯とペーストをのせて舟形に曲げただけでもOK。手巻き寿司以前の簡単さ！
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』（文化出版局）『新しいサラダ』（KADOKAWA）『R先生のおやつ』（文芸春秋）など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ５０』が発売。
