第63回
かつお出汁のロヒケイット
フィンランドの定番サーモンスープは、ホッとするやさしい味わい。ゴロゴロ大ぶりに切り分けるのがおいしさのコツ。

何が手間要らずか?問題
大好きなロヒケイットは北欧で親しまれているサーモンと根菜のスープです。フィンランド語でロヒがサーモン、ケイットがスープの意味。作り方を見ると大体材料表に、魚のブイヨンまたはコンソメ、野菜コンソメと記載がある。日本だとブイヨンやコンソメはチキンが一般的。え、ロヒケイットのためだけに買うの?と逆に手間に思えるのが難点です。ですが、大丈夫。かつお出汁を使いましょう。ピッタリの出汁が取れます。かつお節派は一番出汁の要領でOK。市販の出汁の素派なら配合が様々ですから味見をしながら加えてください。
手順は切り分けて煮るだけ
手順はとても簡単。サーモンと野菜類をそれぞれ切り分けます。分量の水を鍋で沸騰させてかつお節を投入し、火を止めてかつお節が底に沈むまで5分程度置く。クッキングペーパーを敷いた網で漉し、野菜類とローリエを入れた鍋に注ぎます。鍋を火にかけフツフツしたら弱火にして野菜に火が通るまで15分煮る。生クリームとサーモンを加え、強火にします。沸騰したら火を止め、蓋をしてサーモンの中身に火が通るまで数分置いてください。軽く温めて塩で味を整え、器に注ぎパセリのみじん切りを振ります。好みでバターや黒胡椒を振っても。

材料(2~3人分)
*出汁水 500ml
かつお節 ひとつかみ
サーモン 正味200~250g(皮と骨を外した刺身用を使用)
玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個分
じゃがいも 300g
にんじん 100g
ローリエ 1枚
生クリーム 100ml(脂肪分35%程度でOK)
塩 小さじ1/3
パセリ 1房
*お好みで
バター 適宜
黒胡椒 適宜

1 鍋に分量の水を入れ沸騰させる。かつお節を入れて火を止める。かつお節が底に沈むまで5分ほど置く。

2 1をキッチンペーパーを敷いた網で漉す。

3 かつお節を抽出している間に野菜を処理する。ピーラーで皮をむいたにんじんを縦半分に切り、さらに縦半分に切ったら幅2cmに切る。じゃがいもは皮をむき、幅1cmに切り分ける。玉ねぎは皮をむき、粗めのみじん切りにする。

4 サーモンは大振りに切る。縦半分に切り、幅3~4cmに切り分ける。
サーモンは煮すぎないのがコツ
遠い国の変わったスープと考えると構えてしまい、難しく感じますが、要領は日頃親しんでいる鍋や味噌汁と同じです。魚の鍋や味噌汁と同様に、サーモンも煮すぎないのがコツです。スープをサッと沸騰させたら火を止めて蓋をしてサーモンは余熱で火を通してください。

5 3のにんじん、じゃがいも、玉ねぎとベイリーフを鍋に入れ、2の出汁を注ぎ、火にかける。沸騰したら弱火にして、野菜にスッと竹串が通るまで15分程度煮る。

6 5に生クリームとサーモンを加える。強火にして沸騰させる。

7 6の鍋が沸騰したら、蓋をしてサーモンの中身に火が通るまで数分置く。軽く温めて塩で味を整える。
アレンジしてもおいしい
ロヒケイットに付き物のハーブは、じつはディルなんです。今回は手に入りやすいパセリのみじん切りを散らしてみました。パセリもすごく合いますよ。ハーブは手に入りやすい・にくいに個人差が出やすい食材。家庭菜園で育てていたり、道の駅が近所、ハーブの品揃えがいいスーパーがあるという方はディルを散らしてみてください。バターをのせたり、黒胡椒を振ったりするのもおすすめです。

8 7を器に注ぎ、パセリのみじん切りを振る。

9 バターをのせて黒胡椒を振ったアレンジ例。
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ50』が発売。
