コラム 暮らしを彩るワンポイント菓子研究家・福田里香さんの
台所はいつもセレンディピティ

第69回 
スウェーデン式アンチョビグラタン

簡単なのにおいしい、スウェーデン人の国民食。味付けはアンチョビにお任せで、生クリームと牛乳を注ぐだけ。ホワイトソースを作らないから材料を切ってオーブンで焼いたら出来上がり。
第69回 スウェーデン式アンチョビグラタン/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】

ヤンソンの誘惑

仕事でスウェーデンのお菓子を調べていたら、料理にも興味が出てきたんです。シンプルでおいしい料理を見つけました。それがアンチョビで味付けしたじゃがいものグラタン「ヤンソンの誘惑」です。料理名の由来は諸説あるそうで、料理好きのオペラ歌手の名前、菜食主義者のヤンソン氏が我慢できずに食べてしまったから、ヤンソンという女性がこの料理で男性を誘惑した、無声映画のタイトルから取ったなど……。本来は玉ねぎを入れるんですが、長ねぎで作ってもとろりと甘くておいしい。

じゃがいもはスライスするだけ

今回、内容総量 45gのアンチョビ缶を使用。メーカーごとに容量の規格が違うので、アンチョビは正味25~30g程度、アンチョビの漬け汁は大さじ2程度が目安です。輪切りにした長ネギを軽く炒めて耐熱容器の底に敷き、アンチョビのみじん切りを散らします。皮をむいて薄切りにしたジャガイモをのせたら、A(クリーム)を流してください。表面にB(トッピング)を散らしたら、200℃に予熱したオーブンで30分を目安に焼きます。きれいな焼き色が付き、じゃがいもに竹串を刺してスッと通れば、出来上がりです。
第69回 スウェーデン式アンチョビグラタン/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】

材料(3~4人分)

じゃがいも 4~5個(正味500~550gが目安)
アンチョビ 1缶分(内容総量 45gを使用)
長ねぎ 1本(または玉ねぎ 1個でもいい)
サラダ油 小さじ2

*A(クリーム)
生クリーム 200ml
牛乳100ml
アンチョビ缶の汁 1缶分

*B(トッピング)
とろけるチーズ 65g
黒胡椒 適宜
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1 アンチョビはみじん切りにする。漬け汁も使うので残しておく。
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2 長ねぎは葉先の緑の部分まで薄切りにする。サラダ油でしんなりするまで炒める。
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3 2を耐熱容器に敷く。その上に1を散らす。
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4 じゃがいもは皮をむき、芽を取り除く。スライサーなどで薄切りにする。3を覆うように均等にのせる。

味付けはアンチョビで

調味料として使用するのはアンチョビです。アンチョビは塩漬けにしたカタクチイワシを熟成させた発酵食品。酵素と塩の働きで生まれた旨み(アミノ酸)がたっぷり。塩気が利いているので塩をふる必要はありません。
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5 A(クリーム)を混ぜる。
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6 4に5を注ぐ。
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7 6に表面にB(トッピング)のチーズと黒胡椒を振る。200℃に予熱したオーブンで30分を目安に焼く。

パン、パスタ、ご飯と一緒に

そのまま単体で食すなら、お酒のいいアテになります。ボリュームを出したい場合は、バゲットやパスタと一緒に召し上がってください。それから意外と炊き立ての白飯をクリームに絡めていただくのもおいしいんです。
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8 クリームがブツブツと泡を立てて煮詰まるのが目安。全体にきれいな焼き色が付き、じゃがいもに竹串を刺してスッと通れば、出来上がり。
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9 アンチョビ効果で味付けはバッチリ。
第69回 スウェーデン式アンチョビグラタン/菓子研究家・福田里香さん の【台所はいつもセレンディピティ】
10 取り分けて熱々をいただく。
福田 里香
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。2024年1月、文春文庫から『物語をおいしく読み解く フード理論とステレオタイプ50』が発売。
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