第19回
試金石はスプモーニ
ほんの小さなできごとが、男女の気持ちを近づけたり、離したり。そのカギになる何かとは。ヒントになるお話を、あなたに。
しゅわしゅわと気泡の告げくるたくらみに
今宵はしばし戯れてみる
高田ほのか
婚活と柔道
結婚カウンセラーの友人によると、婚活は柔道に似ているという。
柔道という競技は、向かい合った瞬間、相手が自分より強い、弱い、が感覚としてわかるらしい。“組み合った瞬間”ではなく、“向かい合った瞬間”ってところがいい。
目が合った瞬間、魂の戦闘力が計測されるのだ。
“プロフィール写真”が入場シーンで、“最初の挨拶”が礼。向かい合った相手と互角の試合をするためには……もとい、好意をもった相手に好意を抱いてもらうためには、己の戦闘力を上げる必要がある。そして、婚活における戦闘力とは、肩書きとか、トークの切れ味といった類のものではないという。
柔道という競技は、向かい合った瞬間、相手が自分より強い、弱い、が感覚としてわかるらしい。“組み合った瞬間”ではなく、“向かい合った瞬間”ってところがいい。
目が合った瞬間、魂の戦闘力が計測されるのだ。
“プロフィール写真”が入場シーンで、“最初の挨拶”が礼。向かい合った相手と互角の試合をするためには……もとい、好意をもった相手に好意を抱いてもらうためには、己の戦闘力を上げる必要がある。そして、婚活における戦闘力とは、肩書きとか、トークの切れ味といった類のものではないという。
スプモーニ試験
以前、彼女自身が婚活で出会った男性と食事に行ったときのこと。その日のお相手は銀行員の人で、黒縁メガネが知的なイメージだったという。彼女は一杯目に自分の好きなカクテル、スプモーニを注文した(スプモーニは、グレープフルーツとカンパリをトニックウォーターで割った、さっぱりしたほろ苦さが特徴)。そして、メニューを前にいつまでも迷っている男性に「〇〇さんもスプモーニどうですか?」と促した。すると彼は、「ああ、あれでしょ、ちょっとあまい……。」と、あきらかなしったかぶりをしてきたという。
瞬間、彼女のなかで試合終了のゴングが鳴った。
「一本!!」
瞬間、彼女のなかで試合終了のゴングが鳴った。
「一本!!」
真の戦闘力
では、ここで問題。
「〇〇さんもスプモーニどうですか?」と婚活相手に促されたとき、男性が発揮すべき力とはなんでしょう?
たとえばそれは、知識の豊富さを匂わせることでは決してない(間違えたときよりダサいことになるし、万が一合っていたとしても、女性は男性の返答前の雰囲気で、すでに全てを感じ取っているのだ)。
正解は、「おしゃれなお店に縁がなくて……スプモーニって、どんな味?」と、素直に尋ねること。
え? それだけ? と思うかもしれない。しかし、そこには恋愛における最強スキルが潜んでいる。
それは、「かわいげ」だ。
漫画家・海野つなみ先生の大ヒット漫画、『逃げるは恥だが役に立つ』の主人公、みくりちゃんに、こんな名セリフがある。
「『可愛い』は最強なんです。『かっこいい』の場合、かっこ悪いところを見ると幻滅するけど、『可愛い』は何をしても可愛い。『可愛い』の前では服従、全面降伏なんです!」
もう、真理すぎて、即黒帯を授与したい。
スプモーニは、恋の試金石だ。きれいなピンク色の見栄も、飲めばそのほろ苦さがすぐにバレてしまう。グラスの縁に笑いじわを寄せて、「どんな味?」と素直に聞けるかわいげ。それが、男性の婚活におけて一番強い戦闘力なのかもしれない。
「〇〇さんもスプモーニどうですか?」と婚活相手に促されたとき、男性が発揮すべき力とはなんでしょう?
たとえばそれは、知識の豊富さを匂わせることでは決してない(間違えたときよりダサいことになるし、万が一合っていたとしても、女性は男性の返答前の雰囲気で、すでに全てを感じ取っているのだ)。
正解は、「おしゃれなお店に縁がなくて……スプモーニって、どんな味?」と、素直に尋ねること。
え? それだけ? と思うかもしれない。しかし、そこには恋愛における最強スキルが潜んでいる。
それは、「かわいげ」だ。
漫画家・海野つなみ先生の大ヒット漫画、『逃げるは恥だが役に立つ』の主人公、みくりちゃんに、こんな名セリフがある。
「『可愛い』は最強なんです。『かっこいい』の場合、かっこ悪いところを見ると幻滅するけど、『可愛い』は何をしても可愛い。『可愛い』の前では服従、全面降伏なんです!」
もう、真理すぎて、即黒帯を授与したい。
スプモーニは、恋の試金石だ。きれいなピンク色の見栄も、飲めばそのほろ苦さがすぐにバレてしまう。グラスの縁に笑いじわを寄せて、「どんな味?」と素直に聞けるかわいげ。それが、男性の婚活におけて一番強い戦闘力なのかもしれない。

イラスト・小沢真理
高田ほのか(たかだ・ほのか)さん
大阪出身、在住。関西学院大学文学部心理学科卒。2010年より短歌教室「ひつじ」主宰。「未来短歌会」所属。テレビ大阪放送審議会委員。さかい利晶の杜(千利休・与謝野晶子のミュージアム)に短歌パネル常設展示。小学校、大学から企業まで幅広く講演・講義を行い、これまでに1万人以上の参加者に短歌の魅力を伝えている。NHK「あさイチ」や関西テレビ「報道ランナー」、女性誌などの取材・対談にも多数出演。関西を拠点に尽力する社長にインタビューし、その“原点”を短歌とコラムで表現する「短歌に込める経営者の想い」(週間大阪日日新聞社)を連載。2027年に100社・100首を完成させ、歌集出版と展示会を開催予定。著書に『ライナスの毛布』増補新装版(書肆侃侃房)、監修書に『基礎からわかるはじめての短歌』(メイツ出版)。
