コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第61回 
この新年は、北欧風のスワッグで

フィンランド風のナチュラルモダンなお正月飾りです。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

クリスマスの月

12月はフィンランド語で「joulukuu(ヨウルクー)」。「クリスマス(joulu)の月(kuu)」という意味です。街中はクリスマス装飾で彩られ、デパートや商店街にはサンタクロース(に扮した人)が登場。家の中も華やかに飾り付けをするなど、国中がクリスマスムード一色になります。クリスマスイブとクリスマス本番は、家族で家庭料理を囲んで静かに過ごすのがフィンランド流。日本の大晦日からお正月のような過ごし方ですね。
フィンランドにはお正月飾りの風習はありませんが、フィンランド風のナチュラルモダンなお正月飾りを作ってみましょう。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ヒカゲノカズラ/コウヤマキ/ドイツトウヒの松かさ/水引/組みひも/アーティシャルフラワーピック(正月風)/ワイヤー/フラワーテープ/接着剤など

水引を結ぶ

水引はいろんな結び方がありますが、今回は二つの輪を作るだけ。最も簡単な結び方にしました。インターネットで調べるとさまざまな結び方が出てきますので、挑戦してみるのもいいでしょう。下準備として、松かさやヒカゲノカズラ、組みひもにワイヤーを仕込んでおきます。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 水引の束を手で持ち、手にひっかけるように2重の輪を作ります。2つの輪が交差する部分を指でしっかり押さえ、ワイヤーで留めます。
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2 ワイヤーで留めた部分を中心に、2つの輪を写真のように左右に広げます。これを2つ作り、重ねてワイヤーで留めます。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 ドイツトウヒの松かさは、ワイヤーで茎を作って長さを足しておきます。作り方は、「第11回 ツタを使ったアレンジメント」が参考になります。
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4 ツルヒカゲノカズラの根元にワイヤーを巻き付けておきます。
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5 組みひもは、ちょうど半分ほどのところにワイヤーを巻き付けておきます。

束ねて留めるだけ

あとは、水引と材料を束ねていくだけ。束ねる材料にはすでにワイヤーが仕込んであるので、水引の後ろ側でねじって留めましょう。ツルヒカゲノカズラがなければ、マツやスギ、モミなどこの時期に手に入れやすい針葉樹でもいいでしょう。今回は、イエローのアーティシャルフラワーを選びましたが、お正月らしく赤のものもおすすめ。組み合わせを考えるのも楽しいですね。
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6 ツルヒカゲノカズラのワイヤー部分を水引の後ろにひっかけて留めます。水引とツルヒカゲノカズラの間から松かさがのぞくように束ねます。
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7 アーティシャルフラワーやコウヤマキ、組みひもなども同様に束ねます。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
8 すべての材料を束ねたら、茎をハサミでカットしてそろえます。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
9 水引の後ろにある茎や材料の束は、壁に掛けたときに見える可能性もあるので、フラワーテープを巻いて整えておきましょう。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
10 壁掛け用のワイヤーを付けて完成です。

Hyvää Uutta Vuotta!

ツルヒカゲノカズラは、フィンランドの森でもよく見られますが、地面を這いながらツル状に伸びるシダ植物です。ドライになっても青々としていることから、日本でも古くから神事に用いられるなど、神聖な植物とされているようですね。新年を祝うのにぴったりの正月飾りになりました。
フィンランド語で「あけましておめでとう」は、「Hyvää Uutta Vuotta(ヒュヴァー・ウウッタ・ヴオッタ)!」。良いお年をお迎えください。
第61回 この新年は、北欧風のスワッグで/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
ツルヒカゲノカズラやコウヤマキのグリーンがお正月飾りにみずみずしさを与えています。
デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。趣味のコースのほか、お花を仕事にしたい方や、基本からしっかりお花を学びたい方への完全プライベートレッスンのディプロマ取得コースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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