コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第66回 
マリボウルの“コッコ”フラワー

フィンランドは夏至祭の時期。湖畔で焚かれるかがり火・コッコ(Kokko)をイメージしたアレンジメントを紹介します。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

ボウルに花を生ける

北欧デザインのクラシックとして大人気のマリボウル。イッタラ(ittala)製で、マリメッコ(marimekko)にルーツを持つ脚付きのガラスボウルです。お花との相性は抜群ですが、生けるにはちょっとおさまりが悪い。うまくお花が立たないんですよね。それを解決するのが小枝で作る花留めです。夏至祭で焚かれるかがり火「コッコ(Kokko)」では、大きな薪が組まれますが、そこからアイデアを拝借しました。マリボウルでなくても、口が広くて浅いボウルのような形の花器に生けたいとき、ぜひ活用してみてください。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:モヒートミント/ネメシアメーテル(ミッドナイトブルー)/西洋オダマキ(ウインキーダブルローズホワイト)/ニゲラ(グリーンマジック)/ジャスミン/ハナカンザシ/クリーピングタイム/ヤグルマギク/シラカバ(小枝)/マリボウル(口の広い花器)/切花栄養剤/キッチンペーパー(新聞紙)/はさみ/ナイフ/ペンチ/ワイヤーなど

花を摘んだら湯揚げ

この時期のフィンランドの森や庭に咲いている野花に近い花を用意しました。ホームセンターに行けば苗で売っているような花々です。お花屋さんで売っている切り花と違って、野花は摘むとすぐにしおれてしまうんですよね。長持ちさせるためには、摘んだらすぐに湯揚げをすること。湯揚げの方法は第10回でも紹介しましたが、おさらいしておきましょう。必要なものは、キッチンペーパーや新聞紙など柔らかい紙と、お湯、水だけです。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 摘んだ花をキッチンペーパーなどで包みます。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
2 茎が柔らかい植物の場合は、50~60度くらいのほんのり熱い湯を用意。茎の部分を20秒ほど浸けて引き上げます。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 たっぷりの水に浸けて30分~1時間ほど置きます。この3ステップを行うと、ちょっとしおれていてもシャキッとすることが多いです。買ってきた切り花でも同様です。

ミニコッコの作り方

さて、お待たせしました。花留めとなるミニコッコの作り方を紹介しましょう。用意するのは小枝。フィンランド風にシラカバの小枝を用意しましたが、硬さのある小枝ならなんでもOKです。ワイヤーでまとめた小さな小枝の束をいくつか組み合わせるだけ。これを花器に乗せると、小枝の1本1本が花の支えになるんですね。ここまでくれば、小枝のすき間に用意した花をどんどん挿していくだけです。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
4 小枝を数本ワイヤーで束ねます。根元はペンチでしっかりねじって留めます。ワイヤーにフローラルテープを巻いておきます。マリボウルの場合はこれを10束ほど作ります(ボウルの大きさに合わせた量を用意)。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
5 4で作った小枝の束を1つにまとめてワイヤーで留めます。束ねたワイヤーはフローラルテープを巻いておきます。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
6 束ねたワイヤーの先をU字に曲げるなどして、マリボウルの上にちょうど乗っかるようにします。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
7 マリボウルに水と切り花栄養剤を入れておきます。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
8 ミントやジャスミンなどグリーンの植物を先に配置するとバランスがとりやすいです。気をつけたいのは、水の中に葉が入らないようにすること。また、茎の先がしっかり水に浸かっているか確認しながら挿していきましょう。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
9 用意した花をどんどん挿していきます。

妖精が集まる

コッコフラワーの完成です。2026年の夏至は6月21日。1年で一番昼が長く、太陽の力が最大になる日です。たくさんの野花が咲くフィンランドの湖畔ではさまざまなところでコッコが焚かれ、人々は集まってその光景を眺めます。邪気払い、浄化になるとされ、精霊たちが集まるという言い伝えもあります。コッコフラワーにはその威力はないかもしれませんが(笑)、作って飾る。そのことでちょっと気が引き締まるような気もします。
第66回 マリボウルの“コッコ”フラワー/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
北欧フラワーデザインにニゲラはよく使われますが、今回の品種は「グリーンマジック」と言って、花びらを持たないタイプ。ふわっと広がる細い葉がいいアクセントになっています。
デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
Share
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る
美しく生きるヒントがきっとある

コラム記事

取り扱い先

取り扱い先を調べる

公式通販サイト

ご購入はこちら