コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第68回 
秋の植物のフォルムを楽しむ

フィンランドはもうすっかり秋。森で見られるさまざまなフォルムの植物をアレンジしました。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

モスがふわふわに

国土の1/3が北極圏に含まれるフィンランドは、8月の半ば頃から雨が多くなり、空気がひんやりしてきます。秋の雨はフィンランド語で「Syyssade(スュースサデ)」。森では、地面を覆うモス(苔)がたっぷりと水分を吸いこんでふわふわになり、森全体が厚い絨毯を敷いたようになります。ブルーベリーやコケモモなどの実のほか、きのこも最盛期。シダ植物やシラカバの葉は黄金色に輝きます。秋ならではの景色を楽しむため、晴れた日にはピクニックする人もたくさんいます。そんな秋の森をイメージして、さまざまなフォルムの植物を使ったアレンジメントを紹介しましょう。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:モンステラ/リリオペ/ルリタマアザミ/フロックス/サンキライ/ヒュウガミズキ/ブルーアイス/セロシア/フィンランディアモス/ヨシ/秋アジサイ/フローラルフォーム/アンカーピン/浅めの花器/ブイロンワイヤー/Uピン/ナイフ/はさみなど

ホリゾンタルスタイル

今回は、浅い花器を用いた「ホリゾンタルスタイル」でアレンジします。ホリゾンタルとは「水平な」という意味を持つ言葉で、フラワーアレンジメントでは左右への広がりを大切にしたスタイルを指します。左右をあえて均等にせず、片側に実ものなどのボリュームのある植物を挿したら、反対側はリリオペやヨシなど軽やかで長さのある植物を挿すなどして、アシンメトリー(非対称)に仕上げることで、植物のフォルムを強調していきます。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 モンステラの形をしたお皿を用意。ホリゾンタルスタイルは浅めの器との相性がよいです。中央にフローラルフォームを固定するアンカーピンをセットします。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
2 フローラルフォームを器のサイズに合わせてカットし、ナイフなどで面取りをしてから、水をたっぷり吸わせる。フローラルフォームの吸水方法は、以前の記事(第16回 食べて飲んで見て楽しいフラワーギフト「フローラルフォームの秘密」)を参照。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 フローラルフォームの側面にモンステラを挿します。筒状に丸めたモンステラにブイロンワイヤーを巻き付けて留め、フローラルフォームの中央に挿します。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
4 サンキライなどの実もの、シラカバの葉によく似たヒュウガミズキなどをバランスよく挿していきます。アシンメトリーを意識しながら、用意した植物をどんどん挿していきましょう。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
5 上面の空いているところにフィンランディアモスを置き、Uピンなどで固定します。このとき、モスを潰さないように、Uピンは横から挿すのがポイントです。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
6 リリオペはフローラルフォームに挿す前に、数本をまとめて手に巻き付けて、やわらかいウェーブを出すようにしましょう。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
7 アシンメトリーになるように、リリオペを側面に挿したら完成です。

どの角度が好き?

モンステラやサンキライの葉の面、サンキライの実やルリタマアザミの球、リリオペのしなやかな線など異なるフォルムを愛でるのもよし、フィンランディアモスやヨシの穂のふんわり感とアイスブルーのとんがり感など質感を楽しむのもよし、ずっと眺めていられるアレンジメントに仕上がりました。ぜひ、いろんな角度から眺めてみてくださいね。
第68回 秋の植物のフォルムを楽しむ/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
モンステラを筒状にしたり、リリオペになだらかなラインを加えたり、ちょっと手を加えると新鮮なフォルムが楽しめます。
デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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