第69回
鳥の巣バスケットを秋色で彩る
鳥の巣風のナチュラルなバスケットを作って秋色の植物をアレンジしましょう。

冬の入り口
秋から冬に移り変わる10月のフィンランド。中旬までは黄色やオレンジ色の紅葉を楽しめた森も、下旬にはシラカバはすっかり落葉し、足元はうっすら霜が降りるようになります。日もどんどん短くなり、家の中で過ごす時間も増える頃。キャンドルを灯したり、本を読んだり、音楽を聴いたり、保存食を仕込んだり……。フラワーアレンジメントや編み物などの手仕事を楽しむ人も多くいます。今回のレッスンでは、秋色の花をアレンジしていきますが、土台となるバスケットから手作りします。使うのは、軽くて丈夫なシーグラス(天然のドライ水草)と木工用接着剤だけ。さあ、早速作っていきましょう。

花材・道具:シーグラス(干し草、パームファイバーなどでも)/ローズ(カルピディーム)/ルドベキア/セロシア/ヒバ/オモチャカボチャ/ドライ麦/小枝/マツカサ/フローラルフォーム/木工用接着剤/ラップ/ワイヤー/竹串/手袋/ボウルなど
シーグラスで作るバスケット
シーグラス(Sea grass)とは、水辺や湿地帯で育つ水草のことで、乾燥させたものがバスケットやかごなどの編み製品に使われています。似たような素材にパームファイバーがありますが、こちらはヤシの幹を覆う葉の付け根から採れる天然繊維素材です。どちらもホームセンターや園芸店、ネットショップなどで購入することができます。接着剤を溶かした水に浸けてやわらかくし、ボウルの底に沿わせるように広げて乾かせば、バスケットのできあがり。鳥の巣のようなナチュラルな風合いが、秋色の植物にぴったりです。

1 400cc程度の水に、大さじ3杯ほどの木工用接着材を溶かします。

2 1にシーグラスを入れて5分くらい置いておくとやわらかくなるので、ビニール手袋をはめた手で揉むようにして接着剤がシーグラス全体に行き渡るようにします。

3 ゴミ袋や新聞紙などを広げた机の上に、ラップで覆ったボウルをさかさまに置きます。その上にシーグラスを広げます。ボウルの曲面に沿わせて、おわん型になるように整えましょう。

4 この状態で1~2日ほど放置して固めます。

5 2日経つとこの通り。鳥の巣のようなバスケットの完成です。

6 5の中に、吸水させたフローラルフォームを入れた器をセットします。フローラルフォームの吸水方法は、以前の記事(第16回 食べて飲んで見て楽しいフラワーギフト「フローラルフォームの秘密」)を参照。

7 小枝やマツカサ、ドライ麦、オモチャカボチャなど、収穫をイメージした天然素材にワイヤーをつけておきます。

8 6のフローラルフォームの側面を一周するように、ヒバを挿します。

9 小枝やオモチャカボチャ、バラの花など、用意した材料をどんどん挿します。

10 ドライ素材や花などの華やかな素材とグリーンを交互に配していくと、全体のバランスを整えやすくなります。

11 材料をすべて挿したら、よりナチュラルな印象になるようにすき間にシーグラスを入れて完成です。
収穫の喜び
バラやルドベキアなどの華やかな花のそばに、オモチャカボチャやマツカサ、小麦などの実ものを入れることで、収穫の喜びを表現しました。フィンランドの大地はまもなく雪で真っ白に覆われてしまいますが、日本はまだまだ収穫シーズン。旬の野菜や果物をおいしくいただけることに感謝しながら、ぜひアレンジメントを作ってみてくださいね。


花や実ものの間から、シーグラスがランダムに顔を出すことで、より表情豊かなアレンジメントになりました。
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA
Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
