PMSによる影響

PMSは、排卵から月経までの間に毎月繰り返し起こり得ることです。PMSの症状は、仕事や家事の効率、さらには人間関係にまで影響を及ぼす可能性があります。PMSは本人だけの問題ではないのです。
日常生活においてどのような影響があるのか、調査をもとに見てみましょう。

女性の半数は感じているPMSの悪影響

2002〜2003年に20〜49歳の日本人女性1187人を対象に行った大規模調査によると、2人に1人はPMSのさまざまな症状が「仕事の効率、家事に影響が及ぶ」と感じていました。また、2〜3割の人が「社会的な活動に支障をきたしている」「家族や職場の人との人間関係に問題を生じている」と答えています。(※1)

Q.仕事の効率、家事への影響は?

(Arch Womens Ment Health; 9(4): 209-12, 2006)

夫婦ゲンカもPMSのせい?

PMSは、もしかたら夫婦ゲンカの原因になっているかもしれません。海外で行われた調査ですが、妻がPMSに該当する夫婦とそうでない夫婦それぞれ32組を比較したところ、妻がPMSに該当する夫婦では、「PMSの症状が出る期間は夫婦関係が悪化し、それがさらにPMSの症状を悪化させる」という悪循環が見られました。(※2)

PMSのせいで対人関係も悪くなる

2015年に「ホルモンケア推進プロジェクト」が行ったインターネット調査でも、PMSが仕事、家庭、ソーシャルメディアを通じた対人関係に影響を及ぼすことがあるという実態が浮き彫りになりました。
PMSによって「仕事中の注意力が散漫になる」「仕事を休む」「昇進をためらう」「家事がいやになる」「育児がいやになる」など、多くのデメリットが生じています。(「仕事への影響」「家庭への影響」参照)
また、ソーシャルメディアを通じたやり取りでも問題が起こることがあると答える方も20%程度いるなど、周囲の人たちに迷惑をかけてしまうことも少なくないようです。

Q.PMSが原因でソーシャルメディアやメールでのやり取りで問題が起こることはありますか?(就業不問、未既婚不問、回答数312)

(ホルモンケア推進プロジェクトアンケート調査 2015)

PMSは人によって症状の種類や重症度、症状が出る期間も異なるため、自分の症状がPMSによるものと分からずにイライラしてしまい、周囲との人間関係に支障をきたすこともあります。また、PMSのことを周りから理解してもらえないために、さらに症状が悪化してしまうケースもあります。PMSは、本人はもちろん、周囲の人々、ひいては社会全体の問題と言えるでしょう。

※1 Arch Womens Ment Health; 9(4): 209-12, 2006
※2 Am J Fam Ther; 20(2): 179-90, 1992

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