知っている?月経について

月経は、妊娠可能な女性特有の月経現象です。毎月繰り返される、女性の日常生活とは切っても切り離せない月経のこと、どのくらい知っていますか?月経が起きる仕組みや、みんなの月経の平均的な様子について、まとめました。

月経が起きる仕組み

月経の仕組みを、卵巣から卵が飛び出す排卵のところから見ていきましょう。排卵して妊娠可能な状態になると、子宮では受精した卵(受精卵)を受け入れるための準備をします。準備とは、受精卵が着床する子宮の内側にある子宮内膜を、受精卵に十分な栄養が届けられる居心地の良い場所にすることです。準備万端に整えたものの卵が受精しなければ、子宮内膜ははがれ落ち、血液とともに排出されます。これが月経です。
月経は、排卵の約2週間後から、3~7日程度続いて自然に止まります。女性は35~40年にわたって月経を経験するため、たとえば1回の月経の持続日数が5日の人が1度も妊娠しなかった場合、生涯で合計6年半前後が月経中という計算になります。

月経の日数や周期は?データまとめ

初めての月経を迎える初経年齢や月経が来なくなる閉経年齢、1回の持続日数や月経周期は?
月経にかかわるデータをまとめました。
初経年齢は10~18歳ころまで、そして日本人女性の約8割が、45~56歳で閉経すると言われています。1回の月経の持続日数は3~7日、月経開始日から次の月経開始日までの月経周期は25~38日。また、経血量の平常値は1回の合計で20~140gです。(※1)(※2)(※3)
ただし、これらのデータはすべて平均的な範囲を示すものですから、「この範囲に入っていない=何らかの治療が必要な状態」というわけではありません。大きくズレていなければ、問題ないことも多いと考えられます。
昔と比べ大きな変化がおこったのは、生涯の月経回数です。昔の女性は、初経が遅く、出産回数も多かったため、生涯の月経回数が約50回程度といわれていました。一方、現代の女性は、初経が早くなり、出産の回数が減ったことで、月経回数が生涯で約450回にまで増えています。さらに、女性の社会進出が進んだことにより、キャリア形成の時期にPMSや月経痛を感じることで悩まされる女性がいるのが現状です。(※4)

月経は女性の特質、健康のあかし

あなたは「月経」に対して、どのようなイメージを抱いていますか?全国の女性(8~64歳)27万人以上を対象に行ったアンケート調査によると、多くの人が「女性の特質である」、「子どもを産むため」のもの、「健康のあかし」というイメージを抱いていることが分かります。
一方で、「わずらわしいもの」というイメージが3位になっています。月経前や月経中は心身の不調を感じることが多く、また月経中は出血への手当ても必要だったり、行動にも多少の制約が生じたりするためだと考えられます。

月経に対するイメージ

対象者数:27,106名
(「月経に関する意識と行動の実態」報告書; MSG研究会: 41-43,1990)

月経があるということは、身体が妊娠できる健康な状態にあることを意味します。「健康のあかし」と前向きに捉えられるようになるためにも、月経への理解を深め、上手につき合っていきましょう。

※1 女性医学ガイドブック思春期・性成熟期編2016年度版;10-23,2016
※2 女性医学ガイドブック更年期医療編2019年度版;22-28,2019
※3 日本産科婦人科用語集・用語解説集(改訂第4版);日本産科婦人科学会編, 日本産科婦人科学会:59,2018
※4 Short RV:Proc R Soc Lond B Biol Sci. 1976; 195(1118):3-24からの算出データを基に作成

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