PAD:手足の変化に気をつけて。

PAD:手足の変化に気をつけて。
「PAD」をご存知ですか?末梢動脈疾患は、最近増加している「PAD」を皆様に知っていただき、患者さんに1日も早く元気になっていただくためのサイトです。
総合監修:医療法人財団順和会 山王メディカルセンター
血管外科統括部長/国際医療福祉大学教授
 重松 宏


PAD(末梢動脈疾患)について
「PAD」が動脈硬化と関係があることをご存知ですか?ここではPADがどのような病気なのかを知っていただき、原因や診断方法、さらに治療法についてご説明いたします。
はじめに:PADをご存じですか?
PADをご存じですか?
PAD(末梢動脈疾患)は足や手の動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなることでさまざまな症状をひき起こす病気です。
日本では「閉塞性動脈硬化症」もしくは「慢性動脈閉塞症」と呼ばれている疾患ですが、海外ではPADという疾患名が一般的です。
このサイトでは、世界の潮流にあわせ、PADと呼ぶことにいたします。

メタボリック・シンドロームとPADの関係
昨今「メタボリック・シンドローム」という言葉が、注目を集めています。
高血糖、高血圧、高脂血症、肥満といった生活習慣病は、それ自体はすぐに生死に関わるわけではありませんが、適切な処置をせず放置すると、やがて、動脈硬化をひき起こし、心筋梗塞や狭心症などの病気になりやすいことがわかってきました。
これらの4つの要素をあわせもつことをメタボリック・シンドロームといい、重大な病気の発症を予防するための新たな指標となりつつあります。
メタボリック・シンドロームとPADとの間にどのような関係があるのかと思われるかも知れません。しかし、PADは手足の血管に動脈硬化が生じるために起こります。病気があまり知られていないことに加えて自覚症状が現れにくく、早期の段階でPADを疑って受診する人はほとんどいません。病気がわかったときにはかなり症状が進行し、手術をするような深刻な事態になってしまうことも少なくないのです。

PADは全身の病気と考えて
PADは手足の症状だけを示すものであっても、動脈硬化は手足に限らず体中の血管に及んでいる可能性があります。全身の病気ととらえ、管理していくことが必要になります。放置しておけば、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などをひき起こす可能性もあるのです。
現在、PADに対しては薬物療法や理学療法、手術など、病状の進行や治療目標に応じたさまざまな治療法があります。早期に発見し適切に治療することで、元通りの元気な生活を送っている患者さんも大勢いらっしゃいます。
PADを知ることで、背景にある動脈硬化、メタボリック・シンドローム、さらには心筋梗塞や狭心症、脳梗塞といった心血管障害など、さまざまな病気も知ることができます。病気の認識が進めば、より早い段階で制御でき、そのあとに次々控えている病気を食い止めていくことが可能になるでしょう。

  • 注:日本では、「閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans;ASO)」と呼ばれている疾患ですが、海外では、「末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease;PAD)」という疾患名が一般的です。
    PADの日本における保険適応上の疾患名は「閉塞性動脈硬化症」または「慢性動脈閉塞症」となります。