免疫物質IgAを増やす
乳酸菌ONRICb0240

植物由来の Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240 (乳酸菌ONRICb0240) は口、喉、鼻など粘膜部分で異物の侵入を防ぐ免疫物質「 IgA 」の分泌量を高めることが2005年に発見されました。 大製薬(株)大津栄養製品研究所にて発酵食品由来のさまざまな乳酸菌を対象に IgA 産生誘導能を調べたところ、 乳酸菌ONRICb0240が試験対象の乳酸菌の中で最もIgA分泌を促すことがわかったのです。

b240

試験対象の乳酸菌で最も IgA 産生誘導能が高かった乳酸菌ONRICb0240

b240有効度グラフ

マウスの小腸のパイエル板から細胞を採取し、それぞれの乳酸菌(加熱処理後)を添加して7日間培養した。 培養上清中のIgA濃度を比較したところ、乳酸菌ONRICb0240の IgA 産生誘導能が試験対象の乳酸菌の中で最も高かった。 出典: Yamahira S, et al. Jpn J Lactic Acid Bct.2006;17:57-60

1乳酸菌ONRICb0240のルーツ

乳酸菌ONRICb0240は東京農業大学の岡田早苗名誉教授らがタイ北部の発酵茶「ミヤン」から発見し、単離に成功したものです。 この「ミヤン」は、茶葉をそのまま口に入れる「噛み茶」として古くから親しまれており、「風邪をひかない」「虫歯にならない」「体が元気になる」などの経験から、 現在でも健康維持に欠かせない食品として、現地の人々の生活に役立っています。

ミヤン

2確認された乳酸菌ONRICb0240の働き

役割1 IgA 1) の分泌を促し、粘膜でウイルスや細菌などの病原体を捕まえ侵入を防ぎます。

1) 外敵の侵入を防ぐ役割の粘膜免疫には、粘膜のなかで主役として活躍する免疫物質があります。 それが「 IgA 」抗体です。 抗体とは、侵入してきた病原体を捕まえて、無力化するように働く免疫物質です。 タンパク質でできており、免疫グロブリンとも呼ばれます。

b240の働き

乳酸菌ONRICb0240の摂取により
高齢者の唾液中の IgA が増加した

唾液中のIgA増加
平均値±標準誤差
*P < 0.05 (vs. プラセボ、対応のないt検定)
多元配置分散分析(因子:群、性別、摂取期間、唾液採取回数)で群間に有意差あり

80人の健康な高齢者を2群に分け、乳酸菌ONRICb0240(20億個)を含む水、あるいは含まない水を12週間摂取してもらったところ、 乳酸菌ONRICb0240摂取群では2週間目から唾液中 IgA 分泌量が多くなり、4週目以降も維持された(グラフの点線部分)。 出典: Kotani Y. et al., Immun Ageing.2010;11:199-203

乳酸菌ONRICb0240の摂取で
風邪のリスクが低下する

風邪リスクの低下
1) 用量依存性:cochran-armitage trend検定
2) 群間比較:*P < 0.05(vsプラセボ, steel検定)

65歳以上の高齢者300人を3群に分け、プラセボ群には乳酸菌ONRICb0240非含有のタブレットを、20億個群、200億個群には乳酸菌ONRICb0240を20億個または200億個含有するタブレットを、 それぞれ一日一粒、20週間継続して摂取してもらい、期間中に発生した風邪の累積罹患割合を調べた。
3群を比較すると200億個の乳酸菌ONRICb0240は有意に風邪の累積罹患割合が低かった。また、その低下は摂取用量依存的であることも確認された。 出典: Shinkai et al., Br J Nutr.2013;109:1856-65

役割2 唾液及びムチン 2) の分泌量を上げ、粘膜の乾燥を予防、ウイルスや菌との接触を防ぎます。

2) ムチンは粘膜にある粘液の主成分で、粘性が高く粘り気があり、粘膜を潤し、ウイルスや細菌などを絡めて侵入しにくくする作用があります。

ムチン

乳酸菌ONRICb0240の摂取により
唾液分泌量およびムチン分泌量が増加した。

ムチングラフ

40-65歳の健康な男女60人を2群に分け、乳酸菌ONRICb0240(20億個)含むタブレット、あるいは含まないタブレットを28日間継続摂取してもらったところ、 無刺激唾液量が乳酸菌ONRICb0240摂取群は乳酸菌ONRICb0240非摂取群に比べ増加していた。 また、乳酸菌ONRICb0240摂取群で無刺激唾液中のムチン分泌量が乳酸菌ONRICb0240非摂取群に比べ増加していた。

乳酸菌ONRICb0240の期待される効果

  • 風邪の感染リスクの低減
  • 唾液をはじめとした粘膜で IgA 抗体が増える
監修:新開省二先生(医師・医学博士 女子栄養大学 栄養学部教授)
監修:新開省二先生(医師・医学博士 女子栄養大学 栄養学部教授)
乳酸菌ONRICb0240活用レポート