大塚製薬株式会社

企業
2007年12月18日

大塚製薬と米国PDLバイオファーマ社 造血幹細胞移植前治療薬
「IV Busulfex®」に関する事業譲渡契約を締結 12月14日

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:樋口達夫)は、米国PDLバイオファーマ社(以下「PDL社」)と、PDL社の保有する造血幹細胞移植前治療薬「IV Busulfex®(ブスルフェクス点滴静注用)」に関する事業譲渡契約を12月14日(米国西部時間)に締結しました。これにより、大塚製薬はPDL社が所有する商標権、特許権、知的財産権及び関連する資産を含む「IV Busulfex」に関する全事業の権利を継承し、対価として大塚製薬からPDL社へ2億米ドルが支払われることになります。

現在、「IV Busulfex」は、PDL社により米国およびカナダにおいて販売され、その他の地域では、ライセンス契約に基づきパートナー各社を通じて世界40カ国以上で販売されています。
事業移転手続きの完了後、北米では大塚製薬の米国子会社である大塚アメリカファーマシューティカルInc.が、現在の適応症のもと造血幹細胞移植の実施施設に向け「IV Busulfex」の販売を行っていきます。また慢性骨髄性白血病(CML)以外の血液がん(多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫)の患者さんへの移植前治療の拡大に向けた臨床試験を当社米国子会社である大塚ファーマシューティカル・ディベロップメント・コマーシャリゼーションInc.が行います。北米以外のヨーロッパ、ラテンアメリカ、オーストラリア、日本を含むアジアなどの地域では、現在のPDL社のパートナー各社が製品の販売を継続します。

大塚製薬株式会社 代表取締役社長 樋口達夫は、この度の事業譲渡契約の締結を受け、「ファースト・イン・クラスの造血幹細胞移植前治療薬である『IV Busulfex』の事業継承、そしてPDL社が培ってきたがん領域における経験は、大塚のがん領域におけるグローバル展開を加速させていきます。我々は、現在、がん性疼痛治療剤(フェーズII)をはじめ、がん患者さんの口腔粘膜炎治療薬や血液がん治療薬(共にフェーズI)といった、がん領域におけるファースト・イン・クラスの治療薬の開発を進めています。今後も、世界中の重篤な疾患で苦しんでいる患者さんの治療に貢献するため力を注いでまいります。」と述べています。

米国PDLバイオファーマ社 L. パトリック・ゲイジ 暫定CEOは、「今般、大塚製薬との事業譲渡契約の合意に至り、我が社の商業化チームのこれまでの努力を礎として、『IV Busulfex』が引き続き世界の患者さんに貢献できることを喜ばしく思います。今回の大塚製薬への『IV Busulfex』事業の継承は、 株主に対する企業価値の最大化を目標とした我が社の企業戦略実現の第一歩で、今後もこの戦略を継続して進めてまいります。」とコメントしています。

大塚製薬は'Otsuka - people creating new products for better health worldwide'の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。

ご参考

本契約の経緯および概要について

今回の契約は、2007年10月にPDL社が発表したロイヤリティ収入、市販される製品や抗体医薬品の発見、開発、製造に関する資産などを含む主要な資産の売却を積極的に進めていくというPDL社の戦略プロセスを受け、進められてきました。この度、両社の取締役会における承認を受け、PDL社が保有する「IV Busulfex」の事業譲渡契約が締結されました。事業継承手続きは、米国独占禁止法による待機期間の終了および各種規定を満たすことで進展し、2008年第1四半期中の完了を見込んできます。尚、本契約における当社の財務アドバイザーはMontgomery and Co., LLC、法務アドバイザーはHeller Ehrman LLC、PDL社の財務アドバイザーはMerrill Lynch&Co、法務アドバイザーはDLA Pigerです。

会社概要

PDLバイオファーマ社(PDL BioPharma, Inc.)

設立 1986年7月24日
代表者 暫定CEO L. パトリック・ゲイジ (L. Patrick Gage)
本社所在地 1400 Seaport Blvd., Redwood City, California, U.S.A.
従業員数 約1,100名(2006年12月31日現在)
事業内容 抗体薬開発、循環器・がん関係の医薬品

大塚製薬株式会社 (Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)

設立 1964年8月10日
資本金 67億91百万円
代表者 代表取締役社長 樋口 達夫(ひぐち たつお)
本社所在地 〒101-8535 東京都千代田区神田司町2丁目9番地
従業員数 5,225名 (2007年3月31日現在)
事業内容 医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出並びに輸入

大塚ファーマシューティカル・ディベロップメント・コマーシャリゼーションInc.(Otsuka Pharmaceutical Development and Commercialization Inc.)

設立 2001年1月1日
資本金 US$1Million
代表者 社長 兼 CEO 岩本 太郎 (いわもと たろう)
本社所在地 100 Overlook Center, Princeton, New Jersey, U.S.A.
従業員数 192名 (2007年3月31日現在)
事業内容 新薬臨床開発・ブランド育成の受託業務

大塚アメリカファーマシューティカルInc.(Otsuka America Pharmaceutical Inc.)

設立 1989年9月1日
資本金 US$10Million
代表者 会長、CEO兼 社長 吉川 博巳 (よしかわ ひろみ)
本社所在地 2440 Research Blvd., Rockville, Maryland, U.S.A.
従業員数 434名 (2007年3月31日現在)
事業内容 医薬品の製造販売