サステナビリティ

世界三大感染症のひとつ「結核」への取り組み

エイズ、マラリアと並ぶ世界三大感染症のひとつである結核は、現在でもなお公衆衛生上の重要な課題となっています。持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットにおいても、2030年までにその流行の終息を目指すことが宣言されました。

大塚製薬は長年にわたり抗結核治療薬の研究開発を進めており、2014年には多剤耐性肺結核治療薬を創製。本剤は世界で約40年ぶりに開発された抗結核治療薬のひとつであり、WHOの治療ガイドラインでも推奨されています。また、多剤耐性結核治療に新しい選択肢が一刻も早く必要である状況を踏まえ、当社ドイツ子会社の大塚ノーベルプロダクツGmbHは、ストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金(GDF:Global Drug Facility)と官民パートナーシップ契約を2016年に締結しました。同時に各国での薬事承認を進め、現在では各国政府や公的国際機関が展開するアクセスプログラム、アライアンスパートナーによるアクセス拡大により、世界120カ国以上で使用可能となっています(2022年9月現在)。

さらに、新たな治療薬の研究開発も進めており、結核の撲滅、ひいては世界の公衆衛生改善への貢献を目指しています。

パートナーシップへの参画

グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」は、日本の高水準の技術とイノベーションを活用して、発展途上国を中心に蔓延する世界三大感染症や顧みられない熱帯病に対する医薬品や診断薬等の研究開発に資金を拠出するために、官(日本政府)・企業・市民団体(ビル&メリンダ・ゲイツ財団等)がパートナーシップを組み、世界初のグローバルヘルスに特化した研究開発基金として設立されました。大塚製薬は、2016年6月よりアソシエイト・パートナーとして参画しています。

また、 結核の撲滅を目指し、世界保健機関(WHO)が推奨する結核治療レジメンのプロファイル(Target Regimen Profiles :TRP)を満たす、すべての結核患者さんが使用できる新規結核治療レジメン(Pan-TB regimen)の開発を加速するため、慈善団体、非営利団体および民間企業が協力する世界初のコラボレーション、「結核の新しい治療を加速するプロジェクト」(Pan-TBコラボレーション)に2020年2月より参画しました。さらに、ヨーロッパでも、EU-PEARL(臨床試験をより効率的に、また患者さん中心的に変革していく取り組み)やUnite4TB(新規結核治療薬の開発を促進するための欧州革新的医薬品イニシアティブ(IMI)が支援する官民共同のプロジェクト)にも参画し、新規結核治療レジメンの開発を促進しています。

結核は、結核菌により引き起こされ、人から人にうつる感染症です。
「昔の病気」ではなく現在も深刻な健康問題であり、身近な病気です。

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