大塚製薬について

独自のグローバル展開

東から西へ:アジアから始まった海外進出

大塚製薬の海外進出は1973年にタイから始まりました。当時、各製薬企業は欧米諸国への展開を進めるなか、大塚製薬はアジアで誕生した製薬企業として、まずはアジア地域へベクトルを向けました。中国では日本の製薬企業として初の合弁会社「中国大塚製薬有限公司」を設立するなど、いち早くアジア地域での展開を開始しました。その後、欧米への展開を広げ、医療関連とニュートラシューティカルズ関連の両輪の事業において、医薬品、医療機器、ニュートラシューティカルズ事業製品、コスメディクス等、オリジナリティあふれる製品を展開しています。現在、大塚製薬の関係会社は世界中に広がり、健康に貢献する製品の研究開発から、現地生産による供給ならびに周辺諸国への輸出、そして各地における販売活動において、隅から隅まで各社社員による創造的なチャレンジが行われています。

アジア・アラブ・オセアニア地域

グローバルビジネスの基幹「OIAA事業部」

急速に拡大したアジア・アラブ地域のグループ各社を統括するため、2001年にOIAA事業部(Otsuka International Asia Arab Division)を創設しました。

アジア・中近東の医薬関連事業は1973年にタイ大塚製薬株式会社の輸液事業から始まりました。1974年にはPT大塚インドネシアおよび台湾大塚製薬股份有限公司、1977年にはアラブ大塚製薬(現エジプト大塚製薬株式会社)が設立されました。1981年には、「品質のよい点滴注射薬の生産拠点を中国に作りたい」という中国衛生部の要請に応え、中国では日本の製薬会社として初めての合弁会社を設立しました。

社名は、中国政府より「中国」の名を冠することが認められ、「中国大塚製薬有限公司」となりました。現在、中国の医薬関連事業を統括する大塚(中国)投資有限公司は、人材、技術といった資源を有効活用しながらグループ各社のシナジー効果を生み出すべく様々な領域での投資活動を行っています。その後も韓国、香港、フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどへ進出しエリアを拡大しています。現在、韓国ソウルにある韓国OIAAがマーケティングや応用開発を統括しています。アジア・アラブ地域の医療制度および医薬品の事業環境を考慮し、地域に特化した販売戦略の立案・推進、製品の付加価値を高める取り組みを行っています。また、2014年には当社初のオセアニア地域の現地法人となる医薬品販売会社、大塚オーストラリア製薬 Pty Ltd.を設立しました。

ニュートラシューティカルズ関連事業の1980年に誕生した日本発グローバル製品である「ポカリスエット」は、1982年香港、台湾で発売以降、販売エリアを広げ、世界の20以上の国と地域※1で展開しています。1965年に誕生した「オロナミンCドリンク」は、1985年から海外展開を始め、2015年に韓国での製造販売、2018年にはインドネシアでの製造販売を始めました。また、「ソイジョイ(SOYJOY)」は、2006年に日本で販売を開始した同年、海外展開をスタートさせました。健粧品(コスメディクス)※2事業においても、海外展開を進めています。今後も、その土地の文化や慣習との融合を心がけながら大塚らしい活動を進めていきます。

  1. ※12022年10月現在
  2. ※2健粧品(Cosmedics):cosmetics(化粧品)+medicine(医薬品)
北南米地域

国際展開と医薬臨床開発の重点地域

米国では、大塚アメリカファーマシューティカルInc.、大塚ファーマシューティカルD&C Inc.、が医薬品事業を担い、それぞれ医薬品の販売、臨床開発を行なっています。2007年に設立された大塚ファーマシューティカルD&C Inc.は、米国のみならず、世界の医薬品臨床開発・国際展開戦略拠点として、患者さんに対し今までにない新しい価値を持つ医薬品の提供を目指し活動しています。また、2010年にはカナダに医薬品販売拠点である大塚カナダファーマシューティカルInc.を設立しました。

抗精神病薬「エビリファイ」は2002年の米国での発売以降、高い評価を得ました。新たな治療の選択肢として、「エビリファイ」持続性注射剤(月1回製剤)「ABILIFY Maintena」を2013年に米国で発売し、現在では世界50カ国以上で販売しています。また、2015年には世界初で唯一の情動調節障害の治療薬を米国で販売しているアバニア社が加わり、治療満足度の低い神経疾患領域へ事業の拡大を図っています。2015年には新規抗精神病薬「レキサルティ」を米国で発売しました。現在、約60カ国でグローバル展開を進めています。
また、がん、循環器・腎領域においても積極的な活動を行っています。がん領域においては造血幹細胞移植前治療薬「ブスルフェクス」を販売。2013年にはアステックス社を買収し研究開発を加速しています。循環器・腎領域においては、2009年に経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ」を米国にて発売。2018年には米国初となるADPKD治療薬「ジンアーク」として販売を開始しました。

ニュートラシューティカルズ関連事業では、1989年に大塚製薬が資本参加した米国ファーマバイト社が、薬剤師が最も薦めるサプリメントブランド「ネイチャーメイド」の製造・販売を行っています。同ブランドは1993年から日本での展開をスタートしました。
また、同社は日本発のエクオール含有食品「エクエル」の米国での販売を2017年から開始しました。2014年には米国の自然植物由来のサプリメントのパイオニア企業であるフードステイト社、さらにブラジルにおける初めての拠点として健康・機能性食品会社ジャスミン社に加え、2017年には北米でプラントベース(植物由来)食品を開発・製造販売するデイヤフーズ社を子会社に迎え、さらなる事業の拡大をはかっています。

  • 2021 U.S. News & World Report - Pharmacy Times Survey
    対象商品:レタービタミン(A, B, C, D, E) 、睡眠、糖尿病用マルチビタミン、コエンザイムQ10、フラックスシードオイル、ハーブ、オメガ3/フィッシュオイル、コレステロールマネジメント、ムードヘルス
ヨーロッパ地域

さらなる国際展開の戦略拠点

医療関連事業は、1998年イギリスに設立した大塚ファーマシューティカルヨーロッパLtd.を中心に、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、北欧などで事業を展開しています。2013年設立した大塚ヨーロッパD&Cは、欧州での臨床開発の拠点として大塚製薬の医薬品のグローバルな臨床開発に取り組んでいます。チェコ・プラハのインターファーマプラハa.s.は、東欧に初めての医薬品原薬および栄養製品の研究・開発・生産拠点となります。また、2013年には、米国アステックス社を買収し、その英国ケンブリッジ研究所では、フラグメント分子設計創薬技術を用いて、独自の創薬研究を行っています。

ニュートラシューティカル関連事業は、2009年に欧州大手の栄養食品会社ニュートリシヨン エ サンテ社(以下N&S)を完全子会社化しました。2010年より、N&Sの主力製品であるジェルブレの日本での販売を開始しました。2017年にはフランスにグルテンフリーの新工場を建設し欧州で高まる消費者ニーズに応えています。