社員が語る
医薬営業本部 プロダクト・
マネジメント・マネージャー
担当している製品への想いをひと言で表すと、「自分の子供のような存在」。私も製品の成長のことを考えるし、自分もそれで成長していくと思っています。
MR(医薬情報担当)と開発の経験を経て、日本発世界初の製品のマーケティングを担う社員が語る。
「どんな薬がほしいですか?」
1983年に、当時の会社のトップが、ある空港で偶然ある専門医とお会いして、先生に「どんな薬が欲しいですか?」と尋ねたところ『水だけを出す薬が欲しい』と言われて、すぐその場で「水だけ出す薬をつくれ」と指示をし、スタートしたと聞いています。
そこから26年もの歳月をかけて発売した製品を、自分が担当することになるとは思ってもいませんでした。前例のない世界初の治療薬を、マーケティング知識がない中を手さぐりで...最初はかなり苦労しました。就任してすぐに海外に行き日本のプロダクトマネージャーとしてこの製品のビジネスについて話してこいと。英語で。ハードルの高いスタートから、そんな駆け足がずっと続いていますね。
まさに、自分の子供のような存在
大塚製薬ではPMM(Product Management Manager)という役職名がついていますが、マーケティングだけでなく製品育成も責任を持つという意味でこのような名前がついています。
私も製品のPMMとなって、「製品を育成するのではない!製品と一緒にお前も成長するんだ!!」と激励されたことがあります。
一般的に、子供と共に親も成長すると言われますが、その通りで、親は自分の知っている範囲で子供のことを決めつけてしまう傾向がありますが、子供はいつのまにか親の想像の範囲を超えて育っていき、親が言っていないこともいっぱい覚えてくる。子供の成長と共に親も成長するじゃないですか。私も製品の成長を考えるし、自分もそれで成長していく。まさに、自分の子供のような存在ですね。手はかかりますけど、やっぱり良いものを持っている子だなと感じています。まだまだ成長しますし、自分も成長すると思います。
想定外の出来事
この製品を発売してすぐの一番寒い時期に海外に出張していました。夜中、雪が降る中、日本から今までにない副作用についての連絡がありました。電話越しでその話を聞いた時に、様々な対応をしなければいけないといった思いが頭を過ぎったことを今でも強く覚えています。連絡を受けて、まず患者さんの状態を確認して欲しいと指示し、どうしてそうなったかを調査してもらいました。
医療現場でも、開発者にとっても想定外のものだったので、社内外で綿密にコミュニケーションをとりながら対応し、適正使用のための緊急対策をとっていきました。最終的には、この適正用情報を徹底することで患者さんにこの薬を届けられるようにできました。
医療現場のニーズがまずあってスタートした薬なので、「患者さんに貢献する」というところを目指しているからだと思います。この薬を待っていた患者さんはたくさんいて、感謝の声もたくさんいただきました。だから、当時、辛かった時の自分を励ますとするならば、『絶対、お前だったらなんとかなる』って言いますね。PMMをやっていて良かったと思うのは、医療のニーズにちゃんと応えて、その反応を肌で感じることができるということです。他にあるものを扱っているわけではないので、真似ができないというか、そういう喜びがあります。
この製品を好きになれと言っても、誰も好きにならない
「不公平の公平に打ち勝て」ー 私が入社した当時に、新入社員に向けて言われた当時のトップの言葉です。社会の一員になることを肝に銘じてやりなさいという話だったのですが、大塚で経験を積んできた中で、この会社は枠にとらわれず、でも自由にできるからこそ責任は重いし、結果も求められる、そういう良い意味での自由な会社だと思います。一見変なことでも、本質的であればちゃんと応援してくれる会社ですね。
何かにチャレンジしようとすると、反対する人は出てくるものです。なぜ自分がそれをやるのか、目的などをきちんと説明して、相手が納得するまでひたすら続けて...の繰り返しです。現状に満足してしまったらそこで成長は止まってしまうという気持ちで日々取り組んでいます。
私は今の製品が大好きなので一日中製品のことを考えているのですが、この製品を好きになれと言っても好きにはなりません。押し付けるのではなくて、自発的に好きになってもらえるように、チームに対しても「もっとよく考えろ」といつも言っています。忙しくなると、どうしても目先のことに目が向いてしまう傾向があるので、「本質は何かというのをちゃんと考えてやりましょう」と徹底しています。大変なんですけどね、その方が。でも、それが重要なので、そうしています。