研究開発

グローバルサテライト研究体制

徳島県で始まった大塚製薬の創薬研究は、現在イギリス、アメリカ、中国の4か国にある自社の創薬研究所で行っています。徳島創薬研究センターの低分子化合物創薬、英国アステックス社のフラグメント創薬技術、米国ビステラ社の抗体創薬技術に加え、米国ジュナナ社のケモプロテオミクスや大阪創薬研究センターの近年進展が著しい遺伝子細胞治療薬、特にCAR-T、AAVを用いたベクター化抗体などのバイオロジクスの創薬研究など、各研究所が連携しながら革新的な医薬品の創出を目指します。

大阪創薬研究センター

大塚製薬の創薬の歴史と文化を継承し、新たなイノベーションを生み出すための研究施設です。国内外の研究機関・バイオテックとネットワークを築き、低分子化合物、バイオロジクスの創薬研究に取り組んでいます。本研究センターには世界最高水準のクライオ電子顕微鏡やオルガノイド自動培養装置など最先端の研究機器を備え、最新の免疫学やDX基盤を取り入れるなど、新しい創薬研究に取り組んでいます。

徳島創薬研究センター

徳島創薬研究センターは、精神・神経疾患領域や循環器・腎領域を中心に、創薬研究に取り組んでいます。未解決の医療ニーズを満たすために、フェノタイプ創薬とターゲット創薬の両面から低分子での創薬アプローチを行っており、これまでにレキサルティ、エビリファイ、サムスカを創製してきました。
また、新たな技術を用いた創薬研究にも取り組んでおり、臨床試験(治験)に進めるための安全性試験や薬物動態試験も実施しています。

アステックス社【イギリス】

アステックス社では、がんや神経変性疾患を対象にした低分子化合物のフラグメント創薬を実施しており、特にがん領域において複数の製品を創出してきました。さらに、クライオ電子顕微鏡を用いたタンパク質立体構造解析に基づくドラッグデザインを通して、革新的な医薬品創出に取り組むとともに、量子コンピューターの低分子創薬への適用の可能性も探求しています。

ビステラ社【アメリカ】

抗体・バイオロジクスに強みを持つビステラ社は、治療満足度が低い免疫関連疾患や腎領域での研究開発に取り組んでいます。
独自技術の計算化学を用いた抗体設計プラットフォームは、タンパク質と抗体の結合を計算・予測することにより、多くの生体物質に対する抗体医薬品の設計を可能にします。

ジュナナ社【アメリカ】

ジュナナ社は、独自のRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームを活用して革新的な創薬研究を展開しています。この次世代ケモプロテオミクス技術と大塚製薬の各研究拠点との水平協業によるシナジーの創出により、自己免疫疾患や希少疾患など創薬が難しいと言われていた疾患へのアプローチを進めています。

大塚(上海)薬物研究開発有限公司【中国】

大塚(上海)薬物研究開発有限公司は2008年に上海の張江ハイテクパーク内に設立され、2018年には創薬研究センターを開設しました。大塚グループ内の研究所や独自のスクリーニング系を持つ中国国内の研究機関とも協力し、感染症や中枢神経疾患を研究テーマに革新的な医薬品の創出を目指しています。

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