介護や治療との両立

インタビュー

介護勤務制度を活用し
約5年の自宅介護

支店 総務担当

介護をするようになったきっかけ

これまでずっと健康体であった父ですが、病気の手術後、徐々に身の回りのサポートが必要となってきました。それまでも週に1回は実家に行き、食事の作り置きなど行っていましたが、要支援に認定され、一緒に住んだほうが良いかなと思い、同居をはじめました。

働きながらの自宅介護

もともと人事関連の仕事をしていたので、制度等については知っていました。父の通院などで早退することもあったので、介護について相談したところ、周りもすごく後押ししてくれました。母も他界しており親戚も遠方のため、身体的にもサポートが必要となってきていた要介護認定を機に、9時から16時までの介護勤務を始めました。当初、介護休職も考えましたが、介護は先が見えないので、1年という期間をいつ使うのか悩み、私は介護勤務制度を選びました。
働きながらの自宅介護ということで、日中はデイサービスを利用していました。16時までの預かりのところが多いので、18時まで延長し、父が一人になる時間をできるだけ作らないようにしていました。
1対1の在宅介護は気力が必要なことも多いですが、仕事に向き合える時間がとても良い気分転換にもなっていました。職場でも介護を優先してという声をよくかけていただき、仕事の面でも周りの方々にサポートしていただきました。
介護をするにあたっても目が離せなかったりと大変な部分は多かったですが、父はもともと明るく楽しい人だったので、介護が始まっても面白いことを言ったり、笑っちゃうような行動をすることがあって、そういう楽しい時間もあるから頑張ろうと思えました。

約5年の介護勤務

介護勤務取得当初の会社の制度は、取得期間が3年と決まっていましたので、取得期間満了に近づくと、通常勤務になってやっていけるのかとても不安でした。デイサービスも18時までの利用でしたが、もっと長く預かってくれるところをケアマネージャーの方と一緒に探したりと準備を進めていましたが、遅くなると送迎してもらえないなどの問題もありました。そんな中、取得期限満了直前に、会社の制度が「取得期間3年を上限」から「介護事由がなくなるまで」に変更となりました。おかげで介護離職することなく、約5年間介護勤務で仕事を継続することができました。

介護するにあたって

介護をしている中で、かかりつけ医の先生とケアマネージャーの方の存在は非常に大きかったです。介護申請をするにあたり、かかりつけ医の先生が総合的に診てくださいました。ケアマネージャーの方には、老健施設に入所する際の相談や、ベッドに備え付ける手すりなど福祉用品の借り方、バリアフリーの工事に介護保険が使えることなどを教えてもらいました。

また実際に介護するにあたって、介助の方法がわからなかったので、ホームヘルパー2級(現:介護初任者研修)の研修も受講しました。そこではベッドからの起こし方など最新の情報を学ぶことができ、とてもためになりました。
このような研修であったり、家族の病歴や通院履歴はまとめておいたりすることは介護の備えとして役立ちます。

私自身、大変なことも多かったですが、いろいろな選択肢の中から、自宅介護を選んで良かったと思っています。もし、この先介護当事者になられることがあったら、一人で悩まずに、医療従事者、介護従事者、人事担当者など、たくさんの知識や情報を持っていますので「最新の国の制度」「会社の制度」を確認・相談し、協力を仰ぎながら前向きに過ごせると良いなと思います。