大塚製薬株式会社

企業
2005年3月25日

体のしくみと健康について考える
「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻
『細菌・ウイルスとわたしたち編』発刊
全国の中学校に寄贈

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:樋口達夫)は、"細菌・ウイルスと感染症"について漫画でわかりやすく楽しめる 「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻『細菌・ウイルスとわたしたち編』を2005年3月発刊し、全国の公・私立中学校(約11,000校)、海外の日本人学校(約280校)などに寄贈します。(監修:日本医師会・日本学校保健会、推薦:日本小児科医会)

新たな感染症が次々と登場する時代。健康な毎日を過ごすためには、まず相手(菌・ウイルス)のことを理解することが大切です。『菌・ウイルスとわたしたち編』では、中学生を対象に、あるものは人間の役に立ち あるものは感染症の原因となる細菌と、ウイルスおよび感染症について理解してもらうこと、さらに感染症にかからないためにはどのような点に注意して生活すればよいのか、「予防」意識の啓発・向上を図ることを狙いにしています。

構成は、国立感染症研究所感染症情報センター長 岡部信彦氏をはじめとする3名の専門家の方々にお願いしました。漫画は、やなせたかし氏、ちばてつや氏、赤塚不二夫氏など著名漫画家14名の方々に一項ずつ執筆していただきました。漫画の台詞(せりふ)等を英語でも併記しましたので、生きた英語に触れることもできます。

「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻『細菌・ウイルスとわたしたち編』発刊に際し、構成委員及び漫画家の先生方から次のようなメッセージが寄せられています。

(構成委員)国立感染症研究所感染症情報センター長 岡部信彦氏

「感染症(伝染病)は他の病気と異なり、放っておいたり、知らなかったりすると、次第に拡がって行きます。感染症の原因は細菌やウイルス、真菌や寄生虫などの微生物ですが、これらがすべて病気の原因かというとそうではなく、人とともに暮らしているものもあれば、うつりにくく病気を起こしにくいものもたくさんあります。微生物によって人へのうつり方も異なり、また人間側の体調などによっても発病するかしないかも異なります。きちんと知っていれば、むやみに感染した人を差別したり、いつのまにかうつってしまったり、拡がったりということが防げます。『正しく相手を知る』、そんなヒントにこの本はなってくれると思います。」

(漫画家)やなせたかし氏

「ぼくはアンパンマンの絵本シリーズの中にバイキンマンを登場させましたが、ぼく達人間も宇宙全体からみればバイキンみたいなものですね。人間の身体全体を宇宙と考えるとその中で無数の善玉菌、悪玉菌がいます。ぼくの担当は水虫ですが、水虫もまたその中の一族で、実はぼくもこいつにはずい分悩まされました。とうとう爪白癬になり足の爪がほとんど被害をうけ内服薬でやっと全快!だから絵にはぼくの体験がにじんでいます。ぼくのようにならないために、『新漫画ヘルシー文庫』で楽しみながら勉強してください。」

大塚製薬は、平成元年より平成12年まで、小学校中高学年の子供たちに 体のしくみや健康について楽しみながら興味を持ってもらう目的で、「OTSUKA 漫画ヘルシー文庫(全12巻)」を毎年1巻ずつ刊行し、全国の公・私立小学校(約25,000校)などに寄贈してまいりました。

学校では、保健室や図書室、教室に置かれ、子どもたちだけでなく先生方にも広くご活用いただいています。

そして平成13年度より新たなステップとして、同じく成長期にある中学生を対象に、「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第1巻『食と栄養編』を発刊、一昨年第2巻『発見!からだの不思議編』、昨年第3巻『体のことを知ろう編』を刊行しました。

いずれの巻も中学校の保健室や図書室に置かれ、子供たちが自由に閲覧するほか、授業の教材などにも広くご利用いただき、"わかりやすい" "おもしろい" "楽しい" "健康に関心が高まる"との声をいただいています。

子どもたちが健康について関心を持ち、理解を深めていただくために、「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻『細菌・ウイルスとわたしたち編』がお役に立てればと考えています。

「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻『細菌・ウイルスとわたしたち編』概要
趣旨 次代を担う成長期にある全国の中学生を対象に、細菌・ウイルス、感染症について関心、理解を深めてもらい、感染症にかからないためには、どのような日常生活を送ればよいかを考えてもらう。また、英語訳による漫画を通じて生きた英語の魅力に触れることで、違った角度から健康について考えてもらう。
体裁 B6判並製 上・中・下の3冊分 各巻本文128ページ
オールカラー 函入り
監修 社団法人 日本医師会
財団法人 日本学校保健会
監修委員(敬称略)
-植松治雄(日本医師会会長)
-雪下國雄(日本医師会常任理事)
-矢野 亨(日本学校保健会会長)
-内藤昭三(日本学校保健会専務理事)
-師 研也(日本小児科医会会長)
推薦 社団法人 日本小児科医会
制作 株式会社かまくら春秋社/株式会社アサツー ディ・ケイ
発行 大塚製薬株式会社
お問合せ先 「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」事務局
〒248-0006
鎌倉市小町2-14-7
(株)かまくら春秋社 内
TEL 0467-23-9188

「OTSUKA 新漫画ヘルシー文庫」第4巻『細菌・ウイルスとわたしたち編』~あらすじ~

(上巻)見えたぞ! ミクロの住人たち 担当/塩田達雄(大阪大学微生物病研究所教授)

そもそも細菌、ウイルスとはどのような生きものなのか。多くの疾患の原因となる細菌・ウイルスの素顔に迫るとともに予防法について知ってもらう。また、細菌は暮らしや健康にとってマイナスに働くばかりではなく、プラス面もたくさんあることを理解してもらう。

1.細菌とウイルス 漫画/柚月ナナ

細菌とは、ウイルスとはなにか。その特徴、形態、サイズ、分類、応用――などについて具体的な細菌、ウイルスを例に理解を深める。たとえば、肝炎を引き起こすウイルス、胃潰瘍などの原因になっているとされるピロリ菌(菌の有無について確認する「UBT=尿素呼気試験」についても)などを例に紹介。細菌のプラスの役割も理解してもらう。

2.菌を利用したわたしたちの生活 漫画/いわみせいじ

細菌の多くは人間の暮らしに役立っている。たとえば、食生活(味噌やしょう油、漬け物づくり等に利用されるコウジカビ、納豆づくりに利用される納豆菌など)や医薬品(乳酸桿菌など)、汚水処理での利用などを通じて、菌の有用性を紹介する。

3.丈夫な体で感染症予防 漫画/赤塚不二夫

感染症とは何か。感染症になる原因、発病までのシステム、なぜ新たな感染症が次々と現れるのか、また、毎日の暮らしのなかでどのように予防していけばいいのかについて。

4.感染症との戦い  漫画/秋 竜山

スペイン風邪、天然痘(ウイルス)、ペスト、結核、赤痢(細菌)などと人間の戦いを振り返るとともに、科学者らの果たした役割、研究の足跡をたどる。

(中巻)細菌・ウイルスには負けないぞ! 担当/大西健児(都立墨東病院感染症科部長)

家庭で、学校で、日頃から目にし、自ら体験することもある身近な感染症などを通じて、感染症への関心、理解を深めてもらう。そのような感染症に罹患しないためには、どのような日常生活を送ればいいのかについても考えてもらう。

1.風邪・インフルエンザ  漫画/二階堂正宏

インフルエンザとは何か。一般的に風邪と呼ばれるものと、どう異なるのか。インフルエンザ・ウイルスの正体。その症状、治療、予防対策。また、大流行の理由とその歴史。

2.ニキビ 漫画/所ゆきよし

正確には感染症ではないが、思春期に気になるニキビの原因とニキビ桿菌や皮膚に棲む細菌、食事や生活環境などとの関係と、その予防法について理解してもらう。

3.水虫 漫画/やなせたかし

水虫とはどのような病気なのか。その症状(痒くなる仕組みも)、その原因となる白癬菌の正体とは。水虫にならないための、毎日の暮らしの注意点。

4.プール熱・はやり目 漫画/小山賢太郎

感染によって広まる結膜炎(ウイルス性結膜炎)である咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎(はやり目)などの症状、治療、予防などについて。また結膜とその役割など。

5.はしかと風疹 漫画/百田まどか

はしかと風疹(三日ばしか)の特徴、相違。はしかは基本的になぜ生涯に二度罹ることはないのか(免疫について)。中高生の女子に風疹感染の検査をする理由は。

(下巻)知って防ごう新しい感染症 担当/岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター長)

今後、ますますクローズアップされる可能性のある「新しい時代の感染症」、そしてまた、近年、その勢力を回復してきた感染症を通じて、感染症への関心を深め、警戒心を強めてもらう。

1.牛からヒトへ~O157とBSE 漫画/鈴木太郎

O157はこれまでの食中毒などとどう異なるのか。その予防法は。BSE(牛海綿状脳症)などを引き起こし、細菌・ウイルスと大きく異なるプリオン(病原体タンパク質)。その特徴やBSEそのものについて理解してもらう。また、動物由来感染症についても触れる。

2.鳥や蚊からヒトへ~鳥インフルエンザとウエストナイル熱 漫画/間部正志

ヒトに感染しないはずの鳥インフルエンザが、なぜヒトに感染する新型ウイルスになるのか。ウイルスの"変身"について。「スペイン風邪」も鳥ウイルスの変異から始まったことについても触れる。脳炎を主な症状とするウエストナイル熱は本来、鳥の感染症であり蚊の媒介によって感染し、ヒトにうつす。その予防法。

3.肺を侵すウイルスと細菌~SARSと結核 漫画/ちばてつや

SARSは突然、高熱を発し呼吸困難などを引き起こす肺炎。感染経路のはっきりしないこの病気から身を守る方法は。結核菌により主に肺に病巣ができる結核が近年、増加に転じている。学校や家庭生活でどのような点に注意が必要なのか。ツベルクリン、BCG(ワクチン)とは何かについても説明を加える。

4.院内感染でクローズアップ~MRSA感染症 漫画/原子 力

メチシリンはペニシリンの一種。これが効かなくなった黄色ブドウ球菌による感染症。免疫力が低下していたりすると罹患する。そもそも薬が効かなくなる(細菌やウイルスが「耐性」を獲得する)のは、なぜか。では、治療は? 免疫についても説明する。

5.国の存亡も左右~AID 漫画/幸月さちこ

エイズとはどのような感染症なのか。感染の原因、症状、治療、予防などについて、まず、その基本を説明する。「進化」を繰り返すエイズ・ウイルスに有効なワクチンや薬剤は? エイズとオーダーメード医療の関係も紹介する。性感染症についての説明もする。